プラネタリウムを作りました。 7畳間で生まれた410万の星、そしてその後

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  • エクスナレッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767810157

作品紹介・あらすじ

世界一の個人開発プラネタリウム『メガスター』の原点とその後を語る改訂版。2003年以降、著者大平氏の7年にわたる活躍を追記。

感想・レビュー・書評

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  • 無茶ぶりのイベントのご依頼にも、どうにかなんとかならぬかと考えて実行へうつす様子、
    なんでもござれかと思えば、苦手なこともある、けど、克服して外国で英語でプレゼンまでできるようになっちゃう…同じ24時間で生きてる方だろうか…
    すごい…どういうこと…の連続で、
    時にはふふっと笑ってしまって(録音のくだりとか)台風にぎゃあああ…となったり、目が離せない本でした。
    各章の見出しも気になるのがいい…
    ここまでにしようかな、と思うと、
    基板が何度も燃えたって書いてあって、なんてこった…よ…読みたい…となる。

    文章の読みやすさも良かったです。
    メガスターのプラネタリウム、観たい!

  • ◆夜空を作りました◆
    プラネタリウム・クリエーター、大平技研氏の半生の物語です。小学生の時に作った夜光塗料のプラネタリウムから始まり、「世界最高の星空」と評されるプラネタリウム『メガスター』へ。思い描いた夜空を再現するために試行錯誤を繰り返していく過程。時には様々な人に助けられ、時には新しいスキルを習得して進んでいく著者の姿にエールを送りたくなりました。どんどんバージョンアップするプラネタリウムにもワクワクです!

  • 仕事用。個人の趣味を極めた人の話。さぞ幸せだろう。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00215726

  • 幼いころに蛍光塗料で星空を書いた少年が、一人で膨大な星々を映し出すプラネタリウムを完成させる。
    技術的な描写が十分理解できなかったが、原版に星の穴をどう空けるか、大きなドームにきれいな星をどう映すか、など、幾度もの困難に立ち向かい、乗り越える姿勢は万人共通に響くだろう。
    幼いころの取り組みが、学園祭や地元のイベントを経て、JAXAなど社会的に大きなムーブメントにつながるまでに十数年かかっている。研究開発にはそれほど時間がかかることをあらためて実感した。

  • 一気読み
    確か山形浩生さんの書評で存じ上げていたがなかなか手に取る機会がなく
    ほほうとんでもない困難を
    出来なかったんで専門家に電話して・出掛けて・バイトして身につけちゃいました
    と軽々と達成する
    こんな人がいるから世界は良くなるんだな

  • 「メガスター」で有名な大平さんが、いかにしてプラネタリウムの世界にのめり込み、その情熱で星空を多くの人に届けてきたのか、のストーリー。

    彼の持つ技術的バックグラウンドのカバーエリアが広くて本当に驚く。好奇心とそこから生まれる探究心はすごい。
    一人で完結したエンジニア、って本当すごい存在。

    もうひとつ、やっぱり心打たれるのは彼の情熱。
    決して資金もサポート体制も豊かでない中で、いかにして複雑で高価なプラネタリウム開発を成し遂げたのか。月並みな言葉だけど、そこには凄まじい情熱がある。

    現実にいる人だし、いろんな側面があるんだろうけど、僕から見たら彼は素晴らしいエンジニア。やっぱりいろんな困難が会ったときに、一人で完結できるエンジニアって本当に強い。ある意味、その技術で人に夢を見せられるって、とても素敵な仕事だと思うし、純粋に尊敬できた。

  • 大学時代に,個人製作は不可能とされたレンズ式プラネタリウムを完成,その後もアルバイト勤務のかたわら製作を続け,世界最高水準,わずか30kgの移動式プラネタリウムを開発していく過程を記録した本です。明確な目標に向かって自らの技術力を高め,本気の「趣味の物作り」を続ける姿に,底抜けの爽快感を感じる一冊です。

    *推薦者 (農教)T.T
    *所蔵情報
    https://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00381315&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 恒星原板とか、作り方がとても詳しくていい

  • 数年前に、家庭用プラネタリウム.、HOMESTARを、星好きの友人にプレゼントしたことがあります。
    この開発者が制作した本物の星空投影機、「メガスターII―Cosmos」が、子供の頃に行った川崎のプラネタリウムに設置されたことも知り、製作者の大平貴之氏がどんなふうにして本格的な製作をするに至ったのか、興味が湧きました。

    小学3年製の頃からプラネタリウム作りを始めたと聞いて驚きます。普通はプラネタリウムで星を見上げて満足している年齢ですが、自分で作ろうと思い、実行に移すところからして、凡人とは違っています。

    そこから、子供なりの工夫を凝らした手作りのプラネタリウムを作り続ける彼。学年が進み、中学、高校、大学と進んでもなお、ひたすらに改良を重ねて、オリジナルのプラネタリウムを制作していったことが語られます。

    改良するごとに難しい課題が生じ、それを手探りのまま、知恵と努力で解決していく地道な作業。

    星の投影のため、無数の穴を開けたそうですが、七等星を表すには0.013mmという小さい穴でないとだめだとか。
    高校時代には、一万6000個もの星をすべて手作業で描いたそうです。

    ひたすら制作に明け暮れる日々。友達づきあいもしていないのかと思いましたが、投影のために運搬が必要な時などには、友人が手を差し伸べてくれます。
    対人関係も良好な様子。ひたすら頑張り続ける姿に、周りも動かされ、協力するのでしょう。

    天の川を全部星の集まりで表現するというのは、彼のアイデアだそうです。
    たしかに、子供の頃に眺めたプラネタリウムの天の川は、のっぺりとしていて、絵のような印象を受けた気がします。

    メガスター設置の川崎のプラネタリウムでは、一人一人に双眼鏡を渡し、上映中に星を拡大して見られるようにしています。
    天の川を見た時には、たしかに、光の強さがまちまちの星の集合体となっていました。

    メガスターで投影する星の数は、なんと100万個。11等星までの星を再現できるそうですが、外国人に「ワンミリオン」というと、信じてもらえないのだとか。
    外国のプラネタリウムは、星の数にこだわっていないと書かれていました。海外のプラネタリウムを見たことはありませんが、どんなものか気になります。

    もともとは、純粋に個人の趣味から始まったものが、周囲の理解と賛同を得て、学問的にも産業的にも影響の大きな一大プロジェクトに発展したというのは、本当に素晴らしいこと。

    今では国際学会でも発表をし、ネスカフェゴールドブレンドのテレビCMにも出演するなど、一躍話題の人となっています。

    趣味を生涯の仕事とした、誰もがうらやむ理想的な状態ですが、その半生のほぼすべてをひたすらこつこつとプラネタリウム製作に捧げてきた彼の地道な努力を知ると、普通の人ではなかなかこうはいかないものだと思います。
    まさに「好きこそものの上手なれ」を、その人生を持って体現している人で、今後も日本のプラネタリウム技術を発展させてほしいと願うばかりです。

    私は見る専門ですが、こうした製作秘話を知ると、プラネタリウムでの感動もひとしお。雨がちの日が続く梅雨の季節、またプラネタリウムに美しい星空を見に行きたくなりました。

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著者プロフィール

プラネタリウム・クリエーター。ギネスワールドレコーズに認定されたプラネタリウム「MEGASTAR」を開発。国際プラネタリウム協会 TECHNOLOGY&INNOVATION AWARD2018受賞。

「2018年 『大人の科学マガジンBESTSELECTION01 ピンホール式プラネタリウム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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