- Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767828688
作品紹介・あらすじ
子どもの頃に読んだ物語の主人公は、どんな家に住んでいたのでしょう?
たんすの奥に広がる異世界、北欧の明るくかわいらしい子ども部屋、
ひっそりと小人たちが借り暮らしをしている床下。
名作児童文学の中の住まいとくらしを、絵本作家が自由に想像を広げて描き出した一冊。
「大きな森の小さな家」「ハリー・ポッターと賢者の石」「秘密の花園」「ロッタちゃんのひっこし」
「飛ぶ教室」「やかまし村の子どもたち」「若草物語」「オリエント急行の殺人」……。
ファンタジーから寓話や童話、探偵小説まで、27の名作に描かれた家や住まいを美しいイラストと文章で紹介します。
■著者
深井せつ子
神奈川県生まれ、画家。北欧をテーマとする個展を数多く開催。
著書に『北欧グラフィティ』『インドグラフィティ』(みずうみ書房)、『デンマーク四季暦』(東京書籍)、
『森の贈り物—北欧ヒーリング紀行』(大和出版)、絵本に『断面図鑑東京タワー・東京ドーム』(ポプラ社)、
『イエータ運河を行く』『風車が回った!』『一枚の布をぐるぐるぐる』『森はみんなの保育園』
『スウェーデンの変身する家具』(全て福音館書店「たくさんのふしぎ」)など。
感想・レビュー・書評
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絵本作家の深井せつ子さんが、『ナルニア国物語』や『赤毛のアン』など、児童文学の中に出てくる家を描く。シャーロックホームズやクリスティ、ハムレットなど、児童文学?というものもあるが、そこはご愛敬。
おもしろい試みだとは思うが、深井せつ子さんの柔らかな線と幻想的な色遣いの絵に直線的な建物が合わないような気がする。
建物の外観だけでなく、間取り図やパースなどを使って部屋を具体的に再現してくれているが、書き込み不足を感じてしまうし、映像化されて脳内に鮮明なイメージがある児童文学も多く、絵による再現のインパクトが弱い。
建物を遠景とした風景の絵や、児童文学のワンシーンを切り取った絵はとても素敵なので、どちらかというと、『児童文学の世界』というテーマで、印象に残った場面のイラスト集としてまとめてくれた方が絵の魅力をもっと感じることができたような気がする。
ちょっと辛めのコメントになってしまったが、本書は、昔読んだ児童文学を思い出して読み返したい気持ちにさせるという点ではとてもよいと思う。
『ロッタちゃんの引っ越し』では、長い間一人部屋を持つことができず、自分だけの屋根裏部屋にすごくあこがれていた子供のころを久しぶりに思い出した。
紹介されているのは27作品。絵を見ながらワクワクした当時の気持ちを思い出すには良い本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
27の児童文学作品を中心に、登場する家や住まいを案内。
・異世界の扉が開く場所・・・ライオンと魔女など、5作品。
・北欧の空気を感じる住まい・・・やかまし村の春夏秋冬など、6作品。
・異国の暮らしに触れる・・・飛ぶ教室、ハイジなど、7作品。
・昔話と寓話の家・・・雪の女王、マッチ売りの少女など、5作品。
・名探偵たちの晴れ舞台・・・オリエント急行の殺人など、4作品。
コラム、本書で取り上げた作品の一覧有り。
児童文学の舞台でもある、家や住まいを焦点にした、27話。
舞台となる建物の平面図や側面図、間取り、家具や設え等を、
夢心地な柔らかい、優しいイラストで、想像を交えて
描いています。その作品の年代や地域に近しいと思われます。
但し、好きな、多く旅した北欧やイギリスの作品が多く、
リンドグレーンやクリスティーは複数取り上げていますし、
家や住まいは無しでエッセイ的なあらすじ中心の話も・・・。
それでも、作品を味わううえでの、想像力の補填になる、
家や住まいを知る楽しさと出会えたのは、良かったです。 -
温かみのあるイラストが本当に素敵。児童文学に登場する家にスポットを当てて紹介。間取りが手に取るようにわかり、児童文学を改めて手に取りたいなと思わせてくれる本だ。
探偵ものが入っているのが意外だった。とても広い部屋で依頼を受けていたのだな、と空間がわかると物語に奥行きが生まれそうな気がする。実際に文学を読みながら、この本を片手に建物を想像すると面白いかもしれない。 -
児童文学以外もありますが、27の作品に登場する住まいや家具を中心に簡単なあらすじが書いてあり、未読の作品にも興味がわいてきます。
絵のタッチがとても優しくて温かいです。 -
子供の頃に夢中になった本ばかり。
当時、木製の椅子やかわいらしい衣装箱、
なかでも、屋根裏の部屋でベッドに寝るという
お話にどれだげ憧れたことか!
思い出しただけでも幸せな気持ちになれました。 -
児童文学と言いながら、クリスティーやホームズがあったり、昔話があったり、どうかなぁ?
不思議の国のアリスなどの家は、作品との関連が薄いと思うけど。タイトルから期待しすぎたかも。 -
こう言った本は著者の趣味が反映されるので仕方ないけれど、取り上げている作品に少し偏りが感じられた。
間取りの描き込みも大雑把な感じがして残念。
タイトルに『間取り』が入っていたから、過度に期待してしまったかも。
イラストはオールカラーで可愛らしい。
昔読んだ本を懐かしむための本 と言った感じか。 -
児童文学作品を家をテーマに綴る。
特に好きな家
大きな森のログハウス、3人の子どもたちと秘密のお城、屋根裏のある山小屋、緑の切妻屋根の家、ベーカー街B221、豪華特急列車のコパートメント
・間取り図があるものも。
〇絵日記のような。優しいイラスト。内容は研究というよりはエッセイ。
〇ヨーロッパ、イギリスの作品が中心
〇リンドグレーンの作品をまた読みたくなった
〇ニルスって、14歳だったのか!小学生なイメージだった。
メモ
ワトソン、アフガニスタン
『マッチ売りの少女』デンマーク、福祉 -
画風が好みなのはもちろん、〇〇地方によく見られる建築様式の〜という説明があり、建物だけでなく家具や小物類も紹介されており、大変満足した。最初は間取り図を期待したが、詳しく言及されている訳ではないものも多いので難しいよな、と納得。もっと他の作品も見てみたいので、続編出してほしいな。児童文学と言わず、せめて古典や名作と言われる作品には、イメージ図や写真が添付されていると嬉しい。『バスカヴィル家の犬』を読んだとき、うまくイメージできず苦労したので。
『若草物語』の家はもっと小さい家を想像していた。欲を言えばホグワーツのディテール(大広間、校長室、地下牢教室、女子トイレ、各寮へつながる道…etc)を描いてほしかった。