日本人のわすれもの: 宮本常一「忘れられた日本人」を読み直す (いま読む!名著)

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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768410035

作品紹介・あらすじ

『忘れられた日本人』をそのままの事実として受けとってはならない。事実とフィクションの間を自由自在に渡り歩く宮本独自のハナシ集として読むことでみえてくる人生の肯定性。

感想・レビュー・書評

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  • 「忘れられた日本人」の名著たる素晴らしさに迫る。初出の月刊誌「民話」の内容からいかに加筆訂正が行われ、「忘れられた日本人」が完成したのか、「女の世間」「土佐源氏」の違いの分析は鋭い。特に「土佐源氏」が宮本色の強いロマンティシズムで再構成された「ハナシ」であり、そのままではない!漂泊的世界観が宮本自身の「歩く」「旅」の人生と重なり合わせていると、著者は強く主張。確かに宮本の世界を読むことにより、心豊かにされ、幸せ感に包まれる。余禄だが、「民話」16号(1960年1月)にウクライナの子鴨民話を「民族の心の歴史」と評価し、「ウクライナの誇りと文化は自分自身の言葉を語り続けてきた民衆によって、守り抜かれてきた。民衆はその歌や民話の中に、民族の悲しみや怒りを込めてきた。」との報告があるとは特筆すべき。

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著者プロフィール

1961年生まれ。中央大学総合政策学部教授。

「2021年 『赤松啓介 民俗学とマルクス主義と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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