- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784768467435
作品紹介・あらすじ
古文書から目覚めるもう一つの「ヨーロッパ」。ロシア語などで使われるキリル文字。この不思議で魅力的な文字の歴史を若きスラヴ語学者が解明する。
感想・レビュー・書評
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これは面白いです!
詳しいスラブ語のことはわかりませんが,少なくともキリル文字へのアレルギーは減ったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おすすめ資料 第469回 (2019.04.05)
羊皮紙に眠る文字たち
ロシアをはじめとする、スラヴの言語文化にまつわる様々なトピックを取り上げた入門書。
難しい内容が平易な文章で解説されているので、授業のための予備知識を得るのにちょうど良いでしょう。
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スラブ圏についてのさまざまなエッセイ。
一般に、正教に属し、キリル文字を話すロシアのイメージが強いが、カトリックに属し、ラテン文字を話すポーランドやチェコ、スロバキアも含まれる。
愛称や父姓の話、正教伝道のためで皇帝に命じられ、キリル文字を作った、天才兄弟コンスタンティン、メトディー兄弟についても触れられている。 -
ある地域の言語文化を専門とする大学の先生が、その地域を薀蓄を織り交ぜつつ楽しく紹介していく、というよくある形式の本。
ぼくはロシアとロシア語に興味があるので、ご多分にもれずその手の本に手を出してみた。収穫があったのは、ロシアを専門としている先生たちは、たいていの場合スラブ文化圏という、ロシアに加えて、チェコやポーランド、ウクライナetc...を含む地域も専門に加えていることが多いということ。
この先生のエッセイはかなり軽め。朝日新聞的な古き良き教養主義の牧歌的な匂いがする。この本はかなりロシア・スラブ文化圏の伝統的な文化に焦点をあてていたけど、現代ロシアに関してこういうエッセイを書いてる本が読みたい。 -
パリンプセスト。古い文字の下には、さらに古い時代の文字が眠っている。
昔、羊皮紙が貴重だった時代、古い「いらない」文書の上にさらに新しいテクストを書いて再利用した。テクストの下には更に古い時代のテクストが隠され、眠り、やがて現代の技術によって、古い時代のテクストが復元されて甦るのだ――。
日本では西ヨーロッパなどの影に隠れて見えにくい、ロシアをはじめとしたスラヴ諸国の文化。いつか、多くの人に興味を持ってもらえますように。主に外国語・外国文学が先行でない大学生、スラヴ諸語を勉強している社会人、スラヴ世界とはなんの関係もないさまざまな人々を対象にスラヴ圏古今の言語文化を紹介する。
ロシア語を齧りつつある私にとっては、文法の地道な勉強の仕方を教えてもらった本。確かに外国語の勉強は大変だけど、日本語を学習しようとする外国人の絶望感に比べればまだまだ可愛い越えられないことはない壁なのである。 -
スラヴ語についての、筆者のユーモアを交えたやや軽め(?)の専門書。
スラヴ語についての概説、その歴史、キリル文字など、さまざまなことをとても興味深く読んだ。
図書館で少しチェコ語の学習本をかじったことがあったので、(ほんの少しだけではあるが)親近感がある。
語学学習においては、始める年齢は関係ないけれど、もし、大学時代にスラヴ語系の語学を第2外国語を選んでいたら、どんな人生になっていのか、いろいろ思いを馳せた。 -
現在のスラヴ系諸言語を導入として時代を遡り、中世スラヴの教会文書までを辿る。こちとら言語はさっぱりだが、それでも著者の明快で平易な語り口や時折挿入される現地での言語体験、翻訳などは洒脱かつ興味深く、面白く読んだ。スラヴ語の成り立ちだけでなく、著者が言う通り、『言語学者』とは普段何をしている人なのかもよくわかる。
キリル文字の成り立ち等は、個人的には大陸の「漢字」を受け入れて仮名に作り変え、文法は母語のままに新旧の文字(漢字・仮名)を使用することを編み出した日本の先祖たちを思い起こした。ロシアと日本は別々の文字を使った文化圏の端と端なんだな、と。(手放) -
軽妙で読みやすい。
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スラヴ諸語に興味のある人から、スラヴ諸語のことなんてこれまで考えたこともない人まで、いろんな人にスラヴ諸語の魅力を伝えようと試みた本書。
第3章「文字をめぐる物語」が、大学時代にちょっと授業をとっていた、古教会スラヴ語やグラゴール文字の話が出てきて懐かしかったです。また、第4章の現代のスラヴ諸語についての話も、いろんなスラヴ諸語についての興味をかきたてるし、英語以外が共通語の世界という面白い経験も拝読できて楽しかったです。
内容は実はとっても真面目なことが大半なのに、著者はとても噛み砕いて書いているので、これまでスラヴに興味のなかった人でも読めると思います。こういう学術的なことを扱おうとすると、一般向けの本でもとかく「正確に書こう」としすぎるあまりとっつきづらくなりがちです。そんな中、黒田さんの本はやっぱりわかりやすいなぁと改めて感じました。 -
「スラブ諸語」とは何か?からスラブで使われる文字の成り立ちから、現代のスラブ諸語まで読みやすく軽快(?)な文章で書かれていて、一章一章楽しく読みました。個人的にはもうちょっと南スラブ語に触れて欲しかった。
他の著作も読んでみようと思う。