いのちの女たちへ 新装版: とり乱しウーマン・リブ論

著者 :
  • パンドラ
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768478196

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  • リブとは。著者は、「経済的性的に自立した女」は、管理職希望だったり才能があって未婚で子を産める人だけのものではない、という。そのように定義されると、「そうは成れなかった大多数の女」が、また免罪を求め建前を求めお茶汲みを己の分と心得、靖国の妻になる、と。ドジな女たちがみんなで肩組んで、自立していくこと。
    そのために、著者は「ここにいる女」として散文を書く。著者本人も何度か言及しているが、正直、読み辛い。でも、「ドジな女たち」のひとりとしてリブを語ることに意義があるのだから、この散文は生きた論だと思った。
    斜め読みなので取りこぼした部分は多いが、とても面白かったし、自分の傲慢さに気付く場面も多々。
    …………
    母か便所か、衝撃的なフレーズ。「お嫁に行けない」は、それ自体が差別用語なのではなく(2023時点でギャグじゃなくそれ言う人いたら心の底から「で?」としか返せない。)、当時は、「お嫁に行けない=生きていけない」だったんだな、と思うと、本当に呪いの言葉。言葉は、時代によって重みが変わる。

    別の人の本の引用「王様が孫の馬になって遊んでたら微笑ましいが、孫を馬にしてたら暴君。女のほうがバカと思えばこそ、夫は妻に先に謝って欲しい。」あー!!その通り。世間一般で見たら「良い夫婦だね」と言われる夫婦の過半数はこの図式に当てはまるんではないか。上の世代は特に。夫の支配下で夫を尻に敷く妻、妻は狭い世界の中で自分に自信を持っている。夫の支配下にいることに気付かずに、私に「私達のようないい夫婦になるのよ」と言ってくる女の人が、私には薄ら寒い。でも私のこの感覚、「男にバカにされることで自らを生かす能力」は、女特有の利口さだから、男の人にはわからないんだろうな。

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著者プロフィール

1943年生まれ。原因不明の仮死状態で生まれ、いわば生来虚弱。それでもなんとか鍼灸師になる。以来34年間、治療院「れらはるせ」にて一心に治療に励む。「冷え」と「自分を大事に思えない気持ち」こそ、人が病に陥る2大原因と知ってからは治療の傍ら、新宿・朝日カルチャー等でイメージトレーニングを教える。弱いからだを抱え、でも自分の可能性を信じて生きようとしている人たちを、少しでも支えられたら……という思いで、この本を書いた。主な著書 「ぼーっとしようよ養生法」「いのちのイメージトレーニング」「かけがえのない、大したことのない私」「いのちの女たちへ一一とり乱しウーマンリブ論」など。

「2017年 『自分で治す冷え症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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