結婚の自由: 「最小結婚」から考える

  • 現代書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768479919

作品紹介・あらすじ

婚姻制度は、国が法的・経済的・社会的手当を配分する制度である。米国のフェミニスト哲学者エリザベス・ブレイクはその著書『最小の結婚』で、「結婚」によってもたらされる公的支援は全ての人にアクセス可能でなければならないとして、ケア関係を柱とする「最小結婚」を提唱した。
本書は、この「最小結婚」をもとに、7人の執筆者(植村恒一郎、横田祐美子、深海菊絵、岡野八代、志田哲之、阪井裕一郎、久保田裕之)が「結婚」について哲学的・政治学的・社会学的に考察した刺激的な論集である。
「結婚」とは何か。婚姻制度は必要か否か、改革は可能か。家族のあり方は特定の宗教や伝統といわれるものによる理想型から自由になれるか。「結婚」について考える全ての人のための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ざっと読みだけどとても良かった
    特に、1,4,7章すき

    以前、同性婚を認めることに否定的な立場の学者のツイートが炎上していたことをきっかけに読み始めた

    今日の性愛規範的な結婚制度の弱さが分かった

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060631

  • 東2法経図・6F開架:367.4A/U42k//K

  • 同性婚が合法化されたら、次に来るのは複婚だろう。
    そう考えていた。
    実際は同性婚の合法化は足踏み状態。
    宗教がここまで強力に機能するとは思わなかった。日本はそういう力が弱いと思っていたので。
    それはそれとして。

    同性婚あたりは二人一組という互恵関係をいかなる形であっても成立するという代物に進化すると考えた。

    その後に複婚が考えられるものになる。
    3人とか4人で結婚するというのはかなり難しい。
    2人ですら離婚が多いのに、3人以上になったら問題は更に増えるからだ。
    2名の結婚にプラス1人がサポート的に入るというポリアンドリーのスタイルが有るというのだけれど、これを悪用した保険金詐欺等が起きるのは間違いない。
    しかし2名の結婚ですらそういうことは起きているので考えすぎても仕方ない。
    2名の結婚が10対10の関係とするなら、上記の3名の場合は10対10対2くらいになる。
    4人の場合で10対10対10対10なら、何を決めるにも合議が必要でかなり大変だろう。なんでもいいなりになる人が一名いたとしても3人の合議が必要になる。それほど楽とは思えない。
    一人のリーダーでほかが概ね従うというスタイルが一番楽だろうけれど社会的にはウケが良くないかもしれない。
    一夫多妻や一妻多夫だ。
    字義は分かり易いが、社会的に受け入れやすいかと言えばそんなことはない。

    事程左様に理論だけならつらつら考えられるが、現実問題として社会の受け入れや倫理観や宗教の問題があり、そうそう簡単には行かないのが家族観の変化。

    そして究極的には、考えること決断することが無尽蔵に且つ
    高速にできることを前提にすれば、結婚制度そのものすら要らなくなる。
    その場その場でベターなことを選べば良い。
    過去からの流れと今。そして未来にどうなるかを想像して、常に考え常に決断し続ければ良い。
    安定に重きを置けば1人と長期の関係を結ぶし、新しい関係を常に結ぶことに重きを置けば出会いごとに取捨選択をし、関係の維持と破棄を随時決めることになる。
    少なくとも若干の不安定性は誰しも有るだろうから、毎日毎時かなりの量の思考と決断をしつつ、他者の「他者との関係」も記憶しながら決断し続けることになる。
    これはかなり脳の負担になるがそれを苦もなくできるくらいの機能性が獲得できるのなら、招来してしまうだろう。
    その目処は全く立たないが、可能性は有るには有る。

  • 植村先生の論文読んだけど、要約は達者だと思うけど最後ポリアモリーの話になってるのよくわからん。ブレイク先生は結婚から「アモリー」の部分とっぱっちゃいましょう、っていう大胆な(大胆すぎる)提案をしていると思うので、ポリアモリーだろうがモノアモリーだろうがなにも関係がないと思う。

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著者プロフィール

1951年生れ、群馬県立女子大学名誉教授、西洋近代哲学、時間論、ジェンダー論。
著書に『時間の本性』(2002年、勁草書房、和辻哲郎文化賞受賞)、訳書にカント『視霊者の夢』(岩波版・カント全集・第3巻)、論文に「〈永遠の今〉としてのエロス──キルケゴールと西田幾多郎の愛の理論」(『哲学雑誌』808号所収)、など。

「2022年 『結婚の自由 「最小結婚」から考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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