私はラバウルの撃墜王だった 新装版: 証言・昭和の戦争 (光人社ノンフィクション文庫 90)
- 潮書房光人新社 (2004年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769820901
感想・レビュー・書評
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4769820909 381p 2004・5・15 新装版
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数々の空戦に参加したパイロットたちのその軌跡。目の前でバタバタと仲間が散っていく様子の描写は、悲しい。日記形式の話もあったが、最後が絶筆になっているのもあり、戦闘の激しさも物語っている。
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国難に殉じてあたら若き魂を散らした零戦搭乗員たちに感動…したくて読んだわけでもなくまた,戦争の愚かさと生命の大事さを再認識するために読んだ…わけでもない.
要するに,出来るだけ現実に近いラバウルの状況を知りたくて読んだのだが,今更ながら日本人ってのはどうしてこうシステム作りがヘタクソなのかと思う.ヘタクソと言うよりシステム化するという思考が無いとしか思えない.
敵の夜間爆撃に眠りを妨げられ,マラリアやデング熱でフラフラになりながら出撃して行く様子などまさにそれで,当時のラバウルには,夜間戦闘機が無かったわけでもなく,早期警戒組織が無かったわけでもなくまた,無線機が無かったわけでもなく予防注射や治療薬が無かったわけでもない.少なくとも上に述べたようなものは全て存在していて,ただ有効に有機的に運用されていなかっただけなのだ.これでは「レーダーがあったら」とか「無線機がもっと優秀なら」と云った個別の問題解決ではどうにもならない.
現在のように全てが恵まれた社会でも,あちこちで酷似した状況が見られる事は周知の通りだが,これは日本人と言う民族集団の精神病理なのだろうか.