会話·協働·ナラティヴ―アンデルセン·アンダーソン·ホワイトのワークショップ

  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772414456

作品紹介・あらすじ

本書は、心理臨床・ソーシャルワーク領域で注目を集める「ナラティヴ・アプローチ」の三人の創始者たちが、フィンランド・ハメーンリンナで一堂に会した最初で最後のワークショップの記録である。「問題/治療」の脱構築を通して既存のセラピーが拠って立つ基盤に新たな光をなげかけ、協働的なプロセス/協働的な言語を追求してきた三人の"コラボレイショニスト"たち。来歴の披露、ケースの供覧、率直な議論、そしてリフレクションからなる"マスターズ"の貴重な饗宴を通して、「セラピスト」の新たな責任と倫理が浮上する。

感想・レビュー・書評

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  • オープニング・トリアローグ

    トム・アンデルセン 言葉―さまざまな宇宙を旅する:
    岐路
    凍りついたあり方といきいきしたあり方 
    ただ、見て、聞き、感じることだ。考えてはいけない。
    リフレクティング・チーム
    ディスカッション
    言葉-さまざまな宇宙を旅す
    セラビストとしての仕事
    ミーティングの前のミーティング、その後のミーティング
    国際アウトサイダーの考え
    トムの応答

    ハーレーン・アンダーソン―コラボレイティヴ・アプローチの可能性:
    知りたがりのロージー
    一人の生涯学習者として
    基本前提
    言語と知識は閲係的かつ生成的である
    コラボレィティヴな関係と対話:
    哲学的スタンス
    つながること、応答すること
    ローカルな知識
    誰がホストで、誰がゲストなのか?
    リフレクションのあり方
    信頼とは-関係のあり方か、それとも実践か

    マイケル・ホワイト―治療的会話の足場作り:
    阻止された自発性の耐久性
    発達の最近接領域
    足場作り会話
    学習課題のカテゴリー
    既知の身近なものから、人々が知ることができるかもしれないことへ
    初級・中級・中上級・上級・最上級分離課題

    クロージング・トリアローグ

  • 広い意味でのナラティブ・アプローチを代表する3つの流派、つまりリフレクティング・チーム(トム・アンデルセン)、コラボレイティヴ・セラピー(ハーレーン・アンダーソン)、ナラティヴ・セラピー(マイケル・ホワイト)のマスター3人によるワークショップの記録。

    さらに、オープン・ダイアログのヤーコ・セイクラもワークショップに参加しているというわけで、4つ流派のマスターが集合しているというなんとも贅沢。

    ワークショップは、3流派のマスター一人のプレゼンと3人の対話、会場とのやりとり、後日、「国際アウトサイダー」によるリフレクションとそれに対する答えという感じで進んでいく。

    対話、リフレクションがいろいろな形で組み合わされていて、まさにナラティヴな場がまさに実践されているな〜、と、内容以前に形式に感動。

    こうやって、3流派の対話を読むことによって、どこがそれぞれの共通点で、どこが違いそうなのか、が明確になってくるかな?

    私は、まだそれほど明確にはなってないが、頭が整理されつつあるというところかな?

    クライアント中心の関わり合い方とか、クライアントのなんらかの本質ではなくて、言葉そのものにフォーカスすることなど、基本、かなり似ているところが多いように思える。

    一方、ホワイトのナラティヴ・セラピーは、フーコーやヴィッゴスキーなどを踏まえ、他のアプローチより、理論化、構造化されているな〜、と思った。もちろん、あらかじめ順番通りに聞くことが決まっているわけではなくて、実際の質問はクライアントの話を聞いてからはじめてでてくるものだが。。。

    「国際アウトサイダー」のジョン・グルネのコメントが、ウィトゲンシュタインの「哲学探究」との関係を議論していて、とても参考になった。

    ちなみに、ホワイトの「国際アウトサーダー」の感想への応答が、突然の死のためになさなかったところが、あらためて悲しい。

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