なぜ、病院が大赤字になり、医師たちは疲れ果ててしまうのか!?: 医療をつくり変える33の方法
- 合同出版 (2010年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772604543
作品紹介・あらすじ
日本の医療はいまどんな問題を抱えているのか、それはどのような経過で生まれて来たのか?どのような医療制度を作っていったらよいのか、私たちにできることは何か?医療大国をめざす33の提案。
感想・レビュー・書評
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498.021||Ni
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各医療問題についてそれぞれの専門化が
問題定義から解決策まで示しているので、
深い内容になっていると思います(その分読むのは大変です)。
・日本の医師不足
長時間労働(当直明け勤務=36時間勤務など)が当たり前に
高齢化・長寿化が進み医者は減るが患者が増える
・勤務医の生涯賃金は低い
年収
研修医 300万程度
卒業後10年でやっと 400~500万
犠牲的精神になりたっている
平均労働時間 70.6h/週 OECDは40-45
・二極化
体制に余裕のある、施設も労働環境もいい病院に人が集まり
そうでない病院には集まらない
・モンスターペイシェント
突発した事態に、納得も理解も出来ずに混乱し、取り乱している家族を
一括りにしてしまうことは違う
・NICU 2200人分/全国 慢性的に不足
・コンビに受診
親の都合で平日の昼間に病院に連れて行かない
・国の失策
医療費亡国論 → 医療立国論へ
医療=負債 という考え方だった
新薬・新医療機器の承認が極めて遅い→体制がない
日本は高い技術を医療分野へ。という発想自体が少ない
・医療庁の設置
複数省庁のかかわりをなくし一本化
・新薬・新医療機器の承認制度の遅さ
承認するころには2,3世代古い機器になっている
承認体制が圧倒的な人員不足
・日本の企業負担
法人税だけで日本は高いというのは誤り
社会保険、福利厚生費を足すと欧米のほうが社会保障負担率が高い
例)医療保険料 企業負担 仏12.5% 日本4.2%
・社会的入院
行き場を作らずに追い出す政策が先行
(入院日数制限など)
・混合診療
弱者へ不利な体制に
→儲かる医療に流れ、金持ちしか高度の医療は受けられない
・後期高齢者医療制度
保険料の免除を認めていない
低所得者にも応益負担
→自分たちで制限させるしくみ
病気になる確率の高い高齢者をひとまとめにしている
→これ自体は事実なので対応として間違えといえるか?
・リハビリ日数制限、質の評価
日数を超えると、機能低下を防ぐ維持目的のものも保険対象外
リハビリの質の評価(よりやすい施設に移動できたか 自宅など
→家族の介護力や世帯の経済力の影響が大きく、意味を成さない
・保険証取り上げ
国保を1年保険料滞納すると保険証を取り上げられ、
窓口で一時10割負担(後から7割返る
→保健書のある世帯比で受診率が2%まで(1/53)落ちる
取り上げても徴収率の向上につながっていない
・民間医療保険と公的保険を比べるのは愚
高額医療費の制度など考えれば全く質が違うもの -
日本の医療はいまどんな問題を抱えているのか、それはどのような経過で生まれて来たのか?どのような医療制度を作っていったらよいのか、私たちにできることは何か?医療大国をめざす33の提案。