命の境界線: 保護されるシカと駆除される鹿

著者 :
  • 合同出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772614627

作品紹介・あらすじ

環境と命を考えるノンフィクション
みなさんが修学旅行で訪れる奈良公園のシカと有害獣として駆除される鹿。同じ野生のニホンジカなのに、命の扱いは同じではありません。保護される命とは? 奪われる命とは?
野生動物の「命」と向き合う現場から、人間と野生動物の共存とは何か考える1冊。
小学校高学年から

感想・レビュー・書評

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  • 『命の境界線: 保護されるシカと駆除される鹿』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/17860710

    「保護と駆除」鹿題材に共生考える 児童文学作家・今西さん出版 /奈良 | 毎日新聞(2021/9/12 有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20210912/ddl/k29/040/254000c

    児童文学作家今西乃子のホームページ
    https://noriyakko.com/index.html

    未来のしっぽ - Work
    https://mirainoshippo.com/work

    命の境界線 - 合同出版
    https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b577528.html
    ----------------------
    mutti1305さんの本棚から

  • #命の境界線
    #今西乃子
    #合同出版
    #児童書
    #読了
    人間と動物はどうやって共存していくべきか。特に今回は野生生物について語られている。害獣として殺すなんてかわいそうという感情は一面的でしかない。人間の暮らしがこれほどまでに地球環境や野生生物に悪影響を与えているとは!

  • k489
    「近年、日本各地で野生動物が町に出没し、大きな社会問題となっている。本書は、奈良公園とそう離れていない滋賀県多賀町のニホンジカにスポットをあてる。奈良のシカは観光客のマスコットとして大切にされ、一方は、田畑を荒らす有害獣として駆除され続けている。野生動物の「命」と向き合う現場に立つ人びとの思いとは…。小学校高学年から。」

    目次
    神様の遣いとされた鹿
    奈良のシカ
    保護施設「鹿苑」
    有害獣「ニホンジカ」
    駆除の現場
    増えすぎたニホンジカ
    有害獣を駆除する人たち
    鹿の数と自然のバランス
    大将の宝物
    箱わなにかかった鹿
    駆除される鹿は、かわいそうなのか?

    著者等紹介
    今西乃子[イマニシノリコ]
    児童文学作家。公益財団法人日本動物愛護協会理事。特定非営利活動法人動物愛護社会化推進協会常任理事。大阪府岸和田市うまれ。著書『ドッグ・シェルター』(金の星社)で、第36回日本児童文学者協会新人賞を受賞。執筆の傍ら、愛犬・未来をテーマに小・中学校を中心に『命の授業』を展開。その数2020年に240校を超える。著書多数。日本児童文学者協会会員

  • 山と里の間に35kmに渡って柵をして、鹿による農作物の被害が激減したが、なぜ猟師は鹿を獲るのかって言う所が心に残った。増え過ぎた鹿から山の植物を守らないとハゲ山になって将来困るから。 
    なるほどなぁ。

  • 奈良の鹿=人気のマスコット、県境を越えれば厄介者、時々ジビエ。自然との共生について考えさせる。

  • 害獣として駆除される鹿があれば、保護される鹿もある、この現実。動物園に行く前に読むべき本。

  • 奈良のシカは保護
    滋賀のシカは駆除
    どちらの鹿も人間の都合だということにやりきれなさを感じた

    ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC07553775

  • 奈良では鹿は天然記念物とされ、近隣の滋賀では有害獣として積極的に駆除されている。
    この命の境界線とはなんなのか?
    駆除される鹿は可哀想なのか?
    しかし、その原因を作っているのは人間である
    生物のバランスを保つのはとても難しい

  • 神獣とされマスコット的存在として保護されている奈良の『ニホンジカ』。一方、近隣の滋賀県では有害獣として駆除されている。その命の境界線はどこにあるのか?時代とともに移り変わる人間と野生動物との共生を考える。

    近年野生動物が住宅地に出現するというニュースが多くなっているのは気のせいではないでしょう。特に今年は熊の被害が顕著です。私はこれまで、森林開発などにより動物の住処を奪っていることが原因だと思っていましたが、そればかりではないようです。緩衝地帯ともいうべき里山が激減しているのも原因だとか。人と野生の距離が近づきすぎると不幸な出会いが増えてしまう。
    本書では人慣れしている可愛らしい奈良の鹿の写真と、捕らえられ解体される滋賀の鹿の写真が載っています。可哀想というのは簡単です。実際に「熊を殺すな」と言う抗議の電話が多いそうです。勿論人間の身勝手で殺される命があることには心が痛みます。著者は言います。野生動物と人間は「お友だち」にはなれない。なってはいけない。上手に住み分けすることが大切だと。崩れたバランスを立て直すのは人間の責務だ。一時的な感情の「かわいそう」が、取り返しのつかない絶望的な「かわいそう」を作ることになってしまう、と。
    最後に、もう一つ知らなかったこと。畑を荒らした奈良の鹿は、保護施設『鹿苑』に永久収容されるそうです。
    色々と考えさせられる一冊でした。

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著者プロフィール

児童文学作家。(公財)日本動物愛護協会常任理事。著書『ドッグ・シェルター』(金の星社)で、第36回日本児童文学者協会新人賞を受賞。執筆の傍ら、動物愛護センターから引き取った愛犬・未来をテーマに、全国の小中学校を中心に「命の授業」(講演会)を展開。主な著書に、『犬たちをおくる日』(金の星社)をはじめ、累計45万部突破のロングセラー「捨て犬・未来」シリーズ『捨て犬・未来 命のメッセージ』『捨て犬・未来、しあわせの足あと』ほか(岩崎書店)、『捨て犬未来に教わった27の大切なこと』『いつかきっと笑顔になれる 捨て犬・未来15歳』(小社刊)など多数。

「2023年 『うちの犬(コ)が認知症になりまして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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