越後妻有里山美術紀行

著者 :
  • 現代企画室
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773823080

作品紹介・あらすじ

北川フラムが案内する、大地の芸術祭25年の道のり

新潟県の南端、十日町市と津南町を舞台に開催されている「越後妻有 大地の芸術祭」は、2024年に第9回展を迎え、準備段階から含めると四半世紀の歴史を刻むことになります。本書は、大地の芸術祭の総合ディレクターとして、試行錯誤の中でアートによる地域づくりの手法を切り拓いてきた北川フラムが、大地の芸術祭を巡りながらガイドとして案内するように、里山のアートや地域芸術祭の魅力を語る、大地の芸術祭ガイドの決定版。

芸術祭でのひとつひとつの作品は、アーティストの固有な思いと技術・作法から生まれてきました。
それは砂浜に残された足跡・洞窟に押された手形に始まり、アルタミラ、ラスコー以来の人間と自然との関わり合いの痕跡、技術なのです。
私はそれを人間のアートだと思ってきました。
それは46億年前の地球誕生の奇跡、広大無景な宇宙の中に一瞬光っては消える人間一人ひとりの孤独な、かけがえのない、厳粛な、
それ故の宛名のないラブレターだと思ってきたのです。
(本書より)

感想・レビュー・書評

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  • 「世界中にあるの多くのアートは、なにかを悩み、不平を表す作品ばかりです。しかし越後妻有では、国をこえて色々なアーティストが集い、ポジティブな作品を作っている。アートは、世界がすばらしい場所であること、アートは大切だということを語っています。それは、人生、芸術への讃歌です。」-イリヤ・カバコフ259

    リチャード・ディーコンの作品は、国土交通省の予算で作られた公式のベンチ221

    三河、尾張の一向宗門徒が織田信長に追われに追われ、隠れ住んだという峠は、本多正信の流れかもしれない204

    ケンデル・ギールの蔦が数年前から生えた189

    赤倉は越後妻有で最も古い集落(平家落人伝説もある)。パナイトウのことは書かれていなかった69

    (大学プロジェクト等で)学生が頑張れば頑張るほど作品の鋭角性、個性が失われる。仲間や住民との表面的なつながりに行きやすい。先生が良いアーティストで学生が工房のスタッフの場合、作品は豊かになる。「拘り」つまりアーティストの個性がなければ、ふやけた一般的な合意、社会的な無難さに落ち着きやすい。62

    オギュイベの電柱には「自転車の後ろにまたがり…」という歌が書かれている39

    2000年頃、坂本龍一に野外アートについて相談した。坂本からは、鳩に笛を付けて集団で飛ばすオーケストラを提案された。まだ実現していない35

    リチャード・ウィルソンは元々ロックバンドのドラマーだった28

  • 越後妻有(つまり)アートネックレス
     写真と言葉によるステキ発見。
     地域をつなぐ花の道。
     旧自治体の特徴を活かすステージづくり。
     3年に一度の芸術祭。

     十日町市(+4町村合併)+津南町=越後妻有

    馬 岩松(マ ヤンソン)/MADアーキテクツ 《 Tunnel of Light 》
     「清津峡温泉トンネル」の終点の水鏡
     日本三大峡谷 清津峡 落石事故により峡谷遊歩道トンネル閉鎖から採掘し開業

    MonET(モネ) 越後妻有里山現代美術館 2021年~
     目(me) 名和晃平 ボルタンスキー 
        
    ジェームズ・タレル 《光の館》
     重要文化財 星名邸を参照した宿泊施設

    蔡國強 《ドラゴン現代美術館》
     世界最小 登窯の美術館 30mの窯を中国福州から移設

    MVRDV 《まつだい「農舞台」》
     カバゴフ 《棚田》 雪 高圧線 

  • フラムさんが考えている思考が随所に現れていて良いキーワードがたくさんあった

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著者プロフィール

1946年、新潟県高田市(現上越市)生まれ。東京藝術大学美術学部卒業(仏教彫刻史)。
1971年、東京藝術大学の学生・卒業生を中心に「ゆりあ・ぺむぺる工房」を設立(渋谷区桜丘町)。展覧会やコンサート、演劇の企画・制作に関わる。1982年、株式会社アートフロントギャラリーを設立。

主なプロデュースとして、ガウディブームの下地をつくった「アントニオ・ガウディ展」(1978-79)、全国80校で開催された「子どものための版画展」(1980-82)、全国194か所でアパルトヘイトに反対する動きを草の根的に展開し、38万人が訪れた「アパルトヘイト否! 国際美術展」(1988-90)、米軍基地跡地を文化の街に変えた「ファーレ立川アートプロジェクト」(1994)など。

アートによる地域づくりの実践として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2000-)、「瀬戸内国際芸術祭」(2010-)、「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス」(2014、2021)、「北アルプス国際芸術祭」(2017-)、「奥能登国際芸術祭」(2017-)で総合ディレクターを務める。

主著に『希望の美術・協働の夢 北川フラムの40年 1965-2004 』(角川学芸出版、2005年)、『美術は地域をひらく 大地の芸術祭10の思想』(現代企画室、2014年/アメリカ、台湾、中国、韓国で翻訳出版)、『ひらく美術 地域と人間のつながりを取り戻す』(ちくま新書、2015年)、『直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた』(福武總一郎との共著/現代企画室、2016年/中国、台湾で翻訳出版)など。

「2023年 『越後妻有里山美術紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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