たそがれ詩集

  • かまくら春秋社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784774004402

作品紹介・あらすじ

50歳を過ぎてアンパンマンを産み、90歳の今なお現役。老年の星やなせたかしがおくる最新詩画集。大活字本。

感想・レビュー・書評

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  • 大文字活字を使った詩集。老眼に優しい。
    心に突き刺さる詩ばかり。
    とくに「老後のたのしみ」が同感しすぎて泣ける。

  • アンパンマン作者 たそがれて詩集を出す
    読み易い!

  • B4サイズの大きな本の見開きページに1篇の詩と1点の絵。
    詩の文字は2センチ角くらいありましょうか。
    印刷物の本文で、いままで見たこともない大きさです。
    アンパンマンの作者、今年90歳のやなせ氏が、自分と同世代の、老年を生きる人々のために書いた、正真正銘のユニバーサルデザイン詩集です。

    こんな詩があります。

    坂道

    ほんのゆるやかな
    スロープをのぼっても
    息切れする
    視力が落ちて
    難聴で
    心臓も心ぼそい
    それでも
    生きることにまだ飽きない
    もっと生きたい
    ジタバタしたい

    「老人って、やっかいだなあ」と思うものの、90歳を過ぎて、まだ人生を余生と決めつけない、こういう生き方ができることに拍手を送りたいと思います。

    こんな詩もあります。


    生きる

    朝眼がさめると
    まだ生きているので
    うれしい
    とにかく
    今日一日は
    けんめいに生きよう
    衰弱していく
    細胞が
    いとしくて
    心がどんどん
    やさしくなる

    年をとることで、自立の範囲は狭まっていきます。
    他人を頼らないと生きられないようになります。
    そんな自分に対して肯定的であれば、他人に対してもやさしくなれるということなのでしょう。

    以前、やなせ氏が「徹子の部屋」に出ているのを見ましたが、90歳にして妻子のいない天涯孤独の生活をしていらっしゃるとのことでした。

    でも、

    数えきれないけど
    2000にあまる
    ぼくが
    この世におくりだした
    キャラクター達
    天涯孤独と思ったが
    どうやらそうではないらしい

    読み終わった後、「ああ、老人って大変だなあ」という思いと、それとまったく相反する「年を取るって、楽しそうだなあ」という感想を持つことになります。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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