人魚猛獣説 (スターバックスと私)

著者 :
  • かまくら春秋社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774004501

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で穂村弘さん著書探ししていたら、なんとスタバとのクリスマスコラボがあって、スターバックスについての短歌を募集したものをまとめたこちらの本を発見。皆大好き一度は行ったことがあるであろう、スタバがテーマ。2009年発行。
    冒頭に紹介のあった、『本当はちがうんだ日記』の「クリスマス・ラテ」、『にょっ記』の「スターバックスの克服」のエッセイ読み直さなくちゃ。スタバに対する憧れと恐れが脳内妄想自意識過剰爆裂ほむほむワールドですよ。レベルが高くスタバ愛が強めの作品目白押し。穂村さんの解説も素敵。元カノについてのエッセイ風小説もあるし、「コーヒーと文学」では小説や歌人の作品の紹介。
    穂村さんの心の声がまた愛おしいです!
    「応募フォーマットに記入して貰った性別、年代、職業、都道府県がスタバファンの客観データなら、短歌そのものはいわば心のデータに当たります。」
    「(スタバ担当者と採用面接について『この人に緑のエプロンは似合うかな』ってあたまのなかで想像してみます。という話を聞いて)なるほど。スタバに私みたいな店員がいない理由がわかりました。」
    「暗くて惨めな高校生だった私からみると、二十一世紀のスターバックスにいる若者たちは眩しく感じます。」
    「うーん、うーん、うーん。どうして「窓際の席の彼女」みたいになれないんだろう。」
    「他のお客さんは、みんな制服だったり、勉強してたり、男の子でも眉毛が整ってて格好よかったりします。最年長どころか、もしかして、僕だけ昭和生まれ?それってなんか、おそろしい。」
    気になった応募作
    よく聞けばおばあちゃん言う「テラふたつ」拝む気なのかラテ様様を
    わが息子ココア飲むため自転車で十五キロ走りスタバデビューする
    重なっていく今までにコーヒーを味わった人ぜんぶの時間
    あの人によく似た人がコーヒーを入れてるだけだ優しいだけだ
    このまちについにスタバができる春まゆげをぬいて待ちかまえてる

    ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし(寺山修司)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ベルガモットさんこんばんは!
      お返事遅くなりすみません。ほんとに今日は、寒い1日でした〰️

      お手数かけてしまいました。
      調べていただいてあ...
      ベルガモットさんこんばんは!
      お返事遅くなりすみません。ほんとに今日は、寒い1日でした〰️

      お手数かけてしまいました。
      調べていただいてありがとうございます。
      スタバのマークの事なんですね。
      なるほどです。
      スタバのマーク私はおしゃれな感じがして好きなんですよね~⭐

      これからスタバのマークみると、
      「人魚猛獣説」フフフ
      と思いだし笑いしそうです~

      そういえば、ベルガモットさんのブクログのアイコンは少し前から変わりましたね…。黄色のお人形さんですね。可愛いです。(*´▽`*)

      ありがとうございました。
      また、よろしくお願いします~(^^)
      2023/01/22
    • ☆ベルガモット☆さん
      ちーちゃんさん、お返事はお時間ある時でよいですよ~
      スタバのマークいいですよね、私はてっきり自由の女神かと思ってました。マーク見る度、「人...
      ちーちゃんさん、お返事はお時間ある時でよいですよ~
      スタバのマークいいですよね、私はてっきり自由の女神かと思ってました。マーク見る度、「人魚猛獣説」フフフって思いだし笑いしましょっ

      アイコン、褒めてくださってありがとうございます!博多人形絵付け体験の作品です。
      「チーニャ、ピーナッツが好き」さんの名前は誰ともかぶりそうになくていいですね!ベルガモットは他にもおられることを知って変えようか悩み中です。
      明日は雪マークがついているようですので、暖かくしておきましょう☆
      2023/01/23
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ベルガモットさん、こんばんは!
      お疲れ様です(^^)
      お優しい言葉をいつもありがとうございます~(^o^)

      ベルガモットさんというお名前は...
      ベルガモットさん、こんばんは!
      お疲れ様です(^^)
      お優しい言葉をいつもありがとうございます~(^o^)

      ベルガモットさんというお名前は素敵だなぁと…思ってましたが、やっぱり凄い人気なんですね。
      それは悩まれるのもわかります。

      それでアイコンを変更されたんですね…。
      博多人形絵付け体験されたものなら特別で、唯一無二で、アイコンとして最高と思います…⭐

      もう私は今、ベルガモットさんのお名前よりアイコンの方ですぐに探してますー(^_-)

      あっ、それからスタバのマークですが、私もなんとなく自由の女神のイメージでした…同じで嬉しい♪
      きっと、皆さんそうですよね…w

      お返事遅くなりました…
      スミマセン。ありがとうございました。
      お休みなさ~い zzz








      2023/01/23
  • わが街にスターバックスが出来たのは、
    つい最近の事。

    (ふ~ん、ついに出来たのかぁ。)
    レジに並ぶながぁ~い行列をチラ、と眺めながら
    (無理無理。私には無理。)
    って、一体何が無理なのか
    主語不在のまま私の中でのスタバは
    常に宙に浮いた存在であった。

    穂村さんの『スタバエッセイ短歌集』を発見したのは
    そんな矢先。

    <人魚猛獣説>のタイトルが
    ゆらゆら歪んで
    <スタバ入門書>に見えてくる。

    ドキドキ。
    あの店に入店するかのごとく本を開きみると…
    ふむふむ。
    スタバの敷居の高さを面白おかしく詠んだ歌には
    思わず目が眩みそうになるほど共感。
    なるほど。
    この高みを越えれば、居心地の良い空間を得られるのか。

    勇気ある侍達が残した武勇伝は
    私にとって指南書となり、やっとスタバデビューできた。

    何度読み返しても面白い
    冒頭の『クリスマス・カフェ』
    実際には無いメニューのようだが、
    今年はどうかな。

    クリスマスだけの特別な飲み物。
    哀しくて
    愛おしくて
    ハッピーな飲み物をぜひ、スターバックスさん、
    作ってください。

  • 歌人・穂村弘さんのスターバックスにまつわるエッセイ。
    スタバのクリスマス企画のWeb連載をまとめた1冊です。

    本書の中では、全国のスタバファンから届いたスタバ短歌を紹介しているのですが、みなさん結構同じことを感じていると知って、ちょっと安心。
    メニューを見上げで迷っているとき、「こちらへどうぞ」と笑顔で言われると、ドキドキしたり。
    平静を装ってレジの前に行くけれど、内心は「わわわ…まだ決まってない…!!」と焦りまくりなのです。
    そんな「まるで自分」みたいな短歌もあって、うれしくなってしまいます。

    恋の歌もキュートでおしゃれでした。
    スタバに行くたびに、店員さんたち(パートナーというらしい…)の爽やかさが眩しい!…と思っていたのですが、やはりときめいている方も多いようす。
    パートナーさんがお客さんで気になる女の子について詠んだ短歌にきゅんきゅんしてしまいました。

    読後、とにかくスタバに行きたくなりました。
    お気に入りのタンブラーと本を持って、休日の午後を過ごしてこようと思います。

  • 歌人・穂村弘による、スターバックスにまつわるいくつかのお話と、スタバファンによるスタバ短歌たち。

    単なる喫茶店とも違う、「特別な空間」としてのスタバ。特別だからこそそこにいる一人ひとりにストーリーを与え、それぞれに歌を詠ませる。

    気に入った歌は、店員さんの詠んだ「ぼんやりといつも空をながめてるぼくの作ったラテを片手に」と、中学生の女の子による「大学生ばかりのスタバで肩身狭いラテ飲みながらきょろきょろしちゃう」、そしてクリスマスに1人で来た女性の「同じのを あたしのあとにそう頼む君はいないけどがんばるからね」の3つ。
    いいなあ、それぞれに揺れる感情がうまく表わされている。

  • 穂村弘氏とスターバックスというと、なんとなくうまく結びつかない。そのアンバランスさを生かしつつ、綴られたいくつかのエピソード、楽しませていただいた。このスターバックスのちょっとしたこじゃれ感というのも、そのうちに消え失せて、どこにでもある昔はやったコーヒーショップになったときにこの本を手にしてみたいなと思った。

  • とにかくおもしろい。皆さんの短歌センスある〜すごい。
    フレンドリーの偏差値、わかるなぁ。最初は「こんにちは」って言ってくる店員さんに戸惑うよね。。。
    ココアのための十五キロが輝いているという話、ほむほむ節炸裂な解説でとてもわかりやすかった。
    自分じゃ言葉にできない、センスで感じ取っているような部分をいつもバチっと言葉にしてくれていてとても心地よいです。
    もはやスタバ上級者な穂村さんがちょっと感慨深いです。

  • 学生の頃は理解できなかった。なんだか、お洒落ぶっている人が、気取った感じでそこにいる気がして。

    いつの頃からか、自然と日常に溶け込んで、今となっては好きな時間の一つになってる(注文の仕方とメニューは未だに慣れないけれど)。

    スターバックス に慣れるということは都会に馴染んだということか。もしくは、少し大人になったということか。そんなことを考える時間になった。

    穂村さんの描く優しい文章、間で紹介される短歌の数々。この世界を暖かく照らしてくれる。この日常を肯定してくれる。

  • さすが、ほむほむ。判ってるぅ。
    短歌で気持ちを表すのって、いいな。

  • 穂村さんの書く、スタバについてのエッセイ&歌集。スタバに抱くプラスな気持ちとマイナスな気持ちが三十一文字できれいに読まれている。それに対する穂村さんのツッコミが好き。
    クリスマスラテ、発売してほしいな。

  • あ~こういう感覚あるなっていうことが短歌になることでぐっときらきらする。スタバがさらに好きになっちゃった大切な一冊。また明日も行こうかなあとか思っちゃうし、周りの人にもこういう物語がスタバにあったりして…と考えちゃう。
    身近だからこそ、読みやすく馴染みやすい。そんなスタバで頼むいつもの一杯みたいな存在。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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