- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774132860
感想・レビュー・書評
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良書:コンピュータエンジニアのための文書指南書です。
膨大で複雑な情報システムの開発・運用において、必要なコミュニケーション、文書をどう作成すれば、関係者に伝えることができるか。
文書は、情報システムの開発や運用において非常に重要な役割を果たします。
簡潔に、わかりやすく書き手の意図を伝える文章表現であればよい
文章表現でくだくだと記述するよりも、図解表現でひと目にわかるように示せます
そのためには、基本的な表現の方法、技術やルール、文章を構成して展開する方法、技術を理解し、習得すればいい。
以上が、本書のねらいです。
システム開発におけるコミュニケーションの手段であり、文章作成や、図解表現などは、他の本でもっと掘り下げることが
できるとおもいます。システム開発に必要という観点から、必要な文章を全体視したものと理解しました。
気になったことは以下です。
■ユーザー・顧客向けの文書
・提案書 顧客の要求について、提示システムが最適であるとの説得資料
・要求仕様書 システム開発のゴールを正確に規定する資料
・マニュアル・説明書 利用者が独力でシステムを使用できるようにする資料
・会議議事録 会議で決定した事項や内容を明確にする資料、契約書に準じる
■文書がわかりにくい理由
①コンセプトが不明確
・文書の目的があいまい
・読み手を特定していない
・何を読み手に伝えるのかが明確でない
②表現方法が不適切
・文法など日本語としてまちがっている
・技術背景、理解力が読み手に理解されない ⇒労力をかけずによめる文書にする
・一貫性がない
③読み手に配慮されていない
・論理的でない
・情報が網羅されてない、説明不足、資料不足
・独りよがり、一方通行、読み手の質問に応えていない
■図解表現
①表現手段
・表/テーブル ・グラフ 折れ線グラフ、円グラフ、レーダーチャートなど ・ツリー構造図
・フローチャート、シーケンスチャート、ガントチャート ・アローダイアグラム ・ブロックダイアグラム
・プロセス図 ・ピラミッド構造図 ・ベン図 ・DFD ・ER図 ・デシジョンツリー、デシジョンテーブル
・UML図、ユースケース図、アクティビティチャート、クラス図、ステートチャート、シーケンス図、コラボレーション図、コンポーネント図
・イラスト、写真
②何を表現するか
・組織を構成する人員の関係
・組織の関係
・事物の階層関係
・データ間の相関関係
・事物の位置関係
・事物の時系列関係
・事物、事象の因果関係 など
■正確に伝えるための表現技術
・構造化すること、パラグラフ、段落、箇条書き⇒ロジカルに
・文は短く 短文単文
・修飾語を少なく
・主語と述語を近くに
・主語を省略しない
・用語を正確につかう
・能動態、肯定文に
■図解表現
・色、図形、矢印などに資料共通の意味を持たせること
線:コミュニケーション、協力・提携、命令、指示、概念的つながら、意味
矢印:順序・手順、移動、変化・編成、因果関係
図形:人、モノ、組織、システム、概念、技術、手法
・図形表現に対して、必ず、文書表現で説明を付与すること
7章に、提案書、要求仕様書、マニュアルの項目例がでています。
目次
はじめに
第1章 SEがユーザ/顧客に提示する文書
第2章 文書がユーザ/顧客にわかってもらえない理由
第3章 文書を構成する要素
第4章 平易で読みやすい文書の「構成」と「展開」
第5章 読みやすくわかりやすい日本語表現の基本技術
第6章 読みやすくわかりやすい文書にする図解表現技術
第7章 文書別の表現技術
索引
出版社 : 技術評論社 (2007/12/1)
発売日 : 2007/12/1
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 256ページ
ISBN-10 : 4774132861
ISBN-13 : 978-4774132860詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユーザ、顧客に理解される秘訣、誤解されない極意/Techniques for Illustration and Rhetoric ― Practical Knowledge for every enthusiastic System Engineer
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SE向けに書かれているが、文書作成について一般的に書かれた本。
文章の展開、文の表現、図形や表の使い方について、詳しく解説されている。
類書に『SEのための「構造化」文書作成の技術』があるが、それに比べ、図を使った解説に関する記述が多い。
ドキュメントの作成に役立つ内容が多く、広く一般に読まれるべき本だと感じた。 -
☆☆$$なかなか読み応えのある内容だった。$$この手の本は、何回も繰り返して読み返して$$身にしかないと思う。$$再読&再購入しても良いと思う。
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日本語を書く上で、修飾語の使い方には注意したい
各図の説明が丁寧で分かりやすかった気がする
新人に読ませてみようかな -
技術者向けの本ではあるけど、カテゴリ的にはビジネス書かな。文書作成スキルの向上のために購入。社会人になってからそれなりに文書は書いてきたつもりだけど、これから技術者を続けていく上で質、量、速度ともに一段上の文書作成が必要だと感じているためだ。
ほぼ同時期に同じ出版社から発行された「SEのための「構造化」文書作成の技術」に比べると、文章や図解表現などの個々の表現について、どのように記述すればより伝わりやすいものになるかに重点を置いている。
IT関連の技術者が直面する各種表現を例に、わかりやすい文章表現、図解表現を説明している。内容が盛りだくさんなので、一気読みではなく腰を据えてじっくり読んだ方がいいね。