とっておきの笑いあります! (読書がたのしくなる・ニッポンの文学)

著者 :
  • くもん出版
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本棚登録 : 47
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774313443

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと皮肉な感じのする笑いが、口角を押し上げる文豪達の短編集。
    字も大きく総ルビなので、中学年から読むことはできるが、注釈があるものの当時の情景や状況を理解するのは難しいと思われる。
    文豪の作品の入り口には良いと思う。

    ・「泥坊」豊島与志雄:芥川の「杜子春」を思い出す。

    ・「鼻」芥川龍之介:古典も授業でやった記憶が…。何度読んでも内供が気の毒でならない。

    ・「三角と四角」巌谷小波:トンチ話のよう。

    ・「注文の多い料理店」宮沢賢治:こちらも何度も読んだけれど、注文が進むにつれて手に汗握る感じと、意外と間抜けな山猫のギャップが絶妙。

    ・「女房の湯治」岡本一平:落語の小噺風。夫婦それぞれの視点が面白い。

    ・「牛鍋」森鴎外:短いけれど、写実的な表現だけで、心理的な部分も読み取れる。

    ・「畜犬談」太宰治:作者の体験談らしいが、太宰の自分描写が面白い。しかし、この時代は随分と放し飼いの犬が多かったのだなぁ。以前読んだ「犬たちの明治維新」を思い出した。

    ・「身投げ救助業」菊池寛:自殺者が多いのは今に始まった事ではない、というのが身につまされる。しかし、五十代で老婆と言われるのね…。

    人の心理の核の部分は変わらない。けれど、人の有り様は大きく変わった。2020.5.27

  • 畜犬談が面白かった。さすが太宰治な文章。

  • 豊島与志雄の「泥坊」あ~~あるある・・・っていう。これはちゃんとクスッと笑える。
    芥川龍之介の「鼻」なんていうか・・・いついかなるときに読んでも・・・人間の業が・・・苦しいな芥川・・・。
    巌谷小波の「三角と四角」オマヌケな三角定規くんの話。
    宮沢賢治の「注文の多い料理店」これもいつ読んでも人間が一番愚かなんだ~~!!もう嫌だ!!なる。
    岡本一平の「女房の湯治」笑うっていうか・・・サザエさん的な・・・日常あるある・・・。あと岡本一平、イラストが上手え。
    森鴎外の「牛鍋」大人げねえ男と幼女の牛肉争奪戦。鴎外先生、やっぱり掴みきれねえ。
    太宰治の「畜犬談」犬に怯える太宰、容易に想像ができてそっちに笑ってしまった・・・。
    菊池寛の「身投げ救助業」笑うってか・・・これもやっぱ人間の愚昧さやろ・・・。我が身になってやっと分かる他人事・・・。

  • 畜犬談が読んでみたくて手に取った本!鼻も注文の多い料理店も読んだことあったけど改めて読んでもおもしろい!畜犬談に関しては太宰の語り口が大袈裟で自虐的ですごくおもしろかった!暗いイメージしかなかったけど、こんなおもしろい話も書くんだなあと初めて知りました。

  • 最初の話で、男が神様にからかわれるところが面白い

  • 正直、昔の日本文学はあまり触れてこなかったのですがとても面白かったです。
    短編集なでふりがなもついていますし、気軽に文学に触れられるかな、と思います。

  • 2011/09/20読了

    面白い「笑」とか、皮肉な「笑」とか。いろいろ。
    特に「身投げ救助業」なんかは意味が分かってしまうと、「ああ成程な」という笑いになってしまう。
    森鴎外の「牛鍋」は、いわばオッサンVS少女が本能のまま牛鍋肉の取り合いバトルということになりますなあ。
    難しく書いてはいるけれど、イメージすると滑稽この上なし。
    物事を客観的に見る―。
    これだけでも、自分のエピソードすらおもしろい話に成り得るワケだ。
    確かに自分の本気話も、人に聞かせれば笑われることもあるもんな。
    名作名作家だけのことはある。いずれもくすりと笑えるお話でした。
    他のシリーズも読んでみよう。

  • これ イイ!
    近寄りがたい文学のイメージが変わります。
    きっと感動するはず。
    あなたを「すばらしい日本人の心の世界」へいざないます。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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