きみひろくん (くもんの児童文学)

著者 :
  • くもん出版
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本棚登録 : 170
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774328768

作品紹介・あらすじ

どうしてきみひろくんは、ぼくにだけうそをつくんだろう?

 小学校2年生のぼくには、きみひろくんという友だちがいる。ぼくの家のむかいのアパートに住むきみひろくんは、スポーツも勉強もできる優等生で、同級生だけでなく、保護者や先生までもが、きみひろくんのことを大好きで、尊敬している。でも、そんなきみひろくんには、「ぼくにだけうそをつく」という、ちょっと困ったところがある。きみひろくんのうそは、だれも傷つけないし、ちょっと笑っちゃうようなうそだから、ぼくはいちいち、指摘なんかしなかったけれど、ある日突然「ぼくのお母さん、本当のお母さんじゃないんだ」という、本当なのか、うそなのか、ちょっとわからないことを、きみひろくんは言いだしてしまった。
 満月の夜に「公園の土管をくぐって、アメリカにいる本当のお父さんに会いに行く」というきみひろくん。きみひろくんのことが心配で、どうしても一人で行かせられないと思ったぼくは、彼と一緒に夜の公園にむかった。アメリカに行くために、真っ暗な土管のなかに入ったぼくと、きみひろくんは……。

きみひろくんとぼく。ふたりの物語をとおして、読者に「友だち」や「家族」について考えるきっかけを与える児童文学です。
作品の世界を見事に描いた中田いくみさんによる挿絵を見開きごとに載せているので、最後まで楽しく物語を読みすすめることができます。

感想・レビュー・書評

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  • しょうもない嘘をつくきみひろ君とそれを受け入れる主人公。二人だけのシーンがあたたかいです。

  • 本当に、ドカンからアメリカに行けたらすごいなと思った

  • 2021年ひろすけ童話賞受賞作品。
    主人公は小2。

    「どうしてきみひろくんは、ぼくにだけうそをつくんだろう?

    きみひろくんとぼく。ふたりの物語をとおして、読者に「友だち」や「家族」について考えるきっかけを与える児童文学」

  • 主人公にだけしょうもない嘘をつくきみひろくん。きみひろくんと主人公の友情のお話。きみひろくんがなぜうそをつくかは低学年にはきちんと理解できるのかな。

  • 幼児でもひとりでスラスラ読める。

    でも、読み解けるのは、高学年かも。

    [大人の私の読み]
    非の打ち所がないような優等生のきみひろくんの唯一、不可解な行動が、語り手のともくんにだけ、ウソをつくこと。
     きっと、きみひろくんは寂しいんだなと思った。何かの理由で、お母さんがいっぱいいっぱいの人で、愛されてる自信がない子なのかも。一方、ともくんは、ウソをつく自分も丸ごと認めてくれる友だちで、弱いところも全部見せられる相手なのかも。
     ラストは、プチ家出先から、うちへ向かって歩み出す二人。
     現実は思い通りにいかないけど、助けてくれる人がいる!がんばれ、世界中のきみひろくん!

  • ところどころ心に響くセリフはありますが、ちょっと物足りなさも感じました。

  • ほいくえんの ときから ゆうとうせいの きみひろくん

    すごいなって 思うんだけど ちょっと こまっています

    なんでかって いうと ぼくにだけ うそを つくからです

    そんな きみひろくんが ないしょだよって おしえてくれました

    お父さんのいる アメリカに 行くって

    公園の どかんを とおっていくって

    ぼくは きみひろくんが しんぱいになって いいました

    「ねえ、アメリカ、ぼくも 行っちゃだめ?」

      ・

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      ・

    子どもの本からYA・青春小説まで、どのジャンルでも友だちや家族をあたたかく描き出すいとうみくの創作絵童話、2019年11月刊

    《ウソからはじまるホントの友だち》──帯のコピー

    ひらがな主体の分かち書き、漢字は2年生レベルでルビつき
    中田いくみの描く2年生の男の子2人の表情が魅力的

  • きみひろくんは優等生。
    きちひれくんはボクだけにうそをつく。
    でもそれは人を傷つけないうそ。
    そのうそを受け入れて寄り添うともき。
    小2のピュアな物語。

  • きみひろくんのいつもつくうそとは違ううそを、ぼくが感じ取り、寄り添っているところはじーんとくるし、2人ともいい子たちだなぁと思った。
    子どもは親のことをとても思いやっているし、そしてやさしい。
    2人で見上げた満月のシーンが、心に残った。

  • きみひろくんは何でもできて、礼儀正しくて、みんなに好かれている。そんな きみひろくんはともきくんにだけつくウソは誰も傷つけないウソ。ともき君もいい子、優しい。きみひろ君のさみしさに気づいて寄り添うともきくん、私は好きだな、この本。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『糸子の体重計』で日本児童文学者協会新人賞(2013年)、『空へ』で日本児童文芸家協会賞(2015年)、『羊の告解』でうつのみやこども賞(2019年)『朔と新』で野間児童文芸賞(2020年)、『きみひろくん』でひろすけ童話賞(2021年)、『あしたの幸福』で河合隼雄物語賞(2022年)、『つくしちゃんとおねえちゃん』で産経児童出版文化賞(2022年)を受賞。そのほか、『かあちゃん取扱説明書』『二日月』『チキン!』『カーネーション』『ぼくんちのねこのはなし』『よそんちの子』など、話題作を多数発表している。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

「2022年 『バンピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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