はなの街オペラ (くもんの児童文学)

著者 :
  • くもん出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774331980

作品紹介・あらすじ

―人生いろいろなことがあるよね。でも、どんなときだってこういう瞬間があれば、救われるっていうもんだ―

 時は、大正時代。宇都宮で生まれたはなは、東京の井野家に奉公に出ることになる。井野家の主人、一郎の仕事は、夢の街・浅草でオペラを上演する歌劇団。なれない都会暮らし、なれない奉公に、はじめのうちはとまどうはなだったが、ひょんなことから、井野家の書生として音楽学校に通いながら、一郎の劇団を手伝う響之介に見いだされ、歌のレッスンをうけることになる。おさない頃から歌うことが好きだったはなは、響之介の指導や、浅草オペラとの出会いを経て、次第にオペラに関心をもつようになる。そんなあるとき、響之介が井野を裏切り、自分の劇団を立ち上げたという知らせが届いて……
 困難な状況にある人々が、逆境のなかでも、音楽の力を信じ、音楽に励まされながら、明日へ進んでいく物語。

感想・レビュー・書評

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  • @shigemimorikawa | Linktree
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    HIMEMI SAKAMOTO – Illustration
    https://himemisakamoto.com

    はなの街オペラ | くもん出版
    https://www.kumonshuppan.com/yodo/yodo-syousai/?code=34619

  • 田舎から出てきたはなが浅草オペラの歌姫となる、大正ロマン。師匠となる響之介が魅力的でした。一代記のようにいろいろなことが起こりますが、がんばるはなの姿に力づけられます。

  • 可愛い表紙に反して、
    当日の女性の生き方が描かれていて、
    びっくり。

    ちょうど浅草の十二階が出てくる本を
    別に読んだあとだったので、
    どの立場の視点から書くかで
    描かれ方が変わるよなあってことも発見。

  • 大正時代、田舎に暮らしていたはなは、東京に奉公に出ることになる。
    奉公先の旦那の仕事は歌劇団の主宰。
    はなはお嬢さんの歌のお稽古に付き添う仕事を任され、次第にオペラに興味を持つようになる。

    〇はなのオペラに心奪われ、また自立していく過程を描いた物語
    第一次世界大戦の世相、大正時代の東京の華やかな雰囲気とエネルギーも感じました
    〇浅草オペラについて、知りたくなった

  • 令和4年9月の特集「がっつり読書!」

  • ときは大正のなかば1918年
    14歳になって宇都宮から東京の井野家に奉公に出された神谷はなは、井野家の書生で音楽学校に通う響之介に歌の才能を見出される

    はなはオペラに関心持ち、歌うよろこび、お客さんに聴いてもらう感動を知り、いつしか歌の道に進んでいくが……

    大正時代に隆盛を誇った浅草オペラを舞台に、困難の中にあって挑戦していく人々の浪漫と、一人の少女の成長を描いた物語、2021年4月刊

    〈浅草は夢の街だ。いや、はなの街かもね〉

    “浅草(あさくさ)”“裏切(うらぎ)り”レベルの漢字にルビがあって、小学校中学年から読めるよう配慮されている

    読後、「トスカ」「蝶々夫人」「メリー・ウィドウ」など、物語に登場するオペラをじっさいに聴いてみるのも一興

    『カーネーション』『てのひらに未来』『拝啓パンクスノットデッドさま』『with you』とYAの意欲作が並ぶ「くもんの児童文学」から

  • 大正時代の文化が大好きで、表紙のイラストに惹かれて読みました。
    とても読みやすかったですし、途中まではおもしろかったのですが、ラストがここでおわり?と拍子抜けしてしまいました。
    結局はながこのあとどのように活躍していったのかわからず…恋もあきらめたようでしたし、もう少し先まで書いて欲しかったです。

  •  大正ロマン。読みやすく、本の厚さの割に一気に読めた。
     宇都宮で生まれた神谷はなは、東京の井野家に女中奉公に。なにも知らず、誰かに頼ることしかできなかったはながオペラ歌手として、自分の生きる道を見つけていく。
     難しい局面、大きな試練がいくつかあったけど、よく決断していったなあと思う。歴史小説でもある青春小説。ちょっとしんみりしつつも清々しい読後感だった。

  • 女性の生き方の選択肢が少なかった時代に、自分の好きなこと・得意なことを生かして伸ばして生きていくはなちゃんがとても格好良い。

  • 歌うこと、貧富の差、出会い

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著者プロフィール

森川 成美
東京都生まれ。「アオダイショウの日々」で第18回小川未明文学賞優秀賞。『マレスケの虹』(小峰書店)で、第43回日本児童文芸家協会賞。そのほかの作品に『さよ 十二歳の刺客』『はなの街オペラ』(ともにくもん出版)、「アサギをよぶ声」シリーズ、『ポーン・ロボット』(以上、偕成社)、『夢の発電って、なんだろう?』『光るマウスが未来をかえる』(以上、講談社)、『てつほうの鳴る浜』(小学館)など。

「2023年 『かわらばん屋の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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