神のロジック 次は誰の番ですか? (コスミック文庫 に 4-2)

著者 :
  • コスミック出版
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本棚登録 : 769
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774762999

作品紹介・あらすじ

〈学校〉では各国の子どもたちが、通常の授業に加え推理力を試されていた。
ここは探偵養成学校?特殊能力の秘密研究所?
やがて〈学校〉で次々と殺人事件が起きて……。
犯人は一体?子どもたちは、なぜ集められたのか?
全貌が明らかになったとき、大きな衝撃が読者を襲う!驚愕の長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 「特殊設定ミステリー」というジャンルらしい

    「神さまがほんとにいると信じたら神はいることになる」は皆が幸せになるためらしいが、現実は神の違いで衝突し合う
    無神教なのでバカバカしい 宗教って怖い

    ヒトの根底は異論者を排除し、出し抜く性悪なので
    争いは無くならないのが持論です

    登場人物がカタカナでいまいち頭に入らない
    洋書ミステリーにはまだまだレベル不足を感じる

  • '24年4月18日、読了。久しぶりの、西澤保彦さん。

    この前読了したのが、何だっけ?…となるくらい、久々。今作まで、何冊もチャレンジしては、途中下車したのがあります。でも、今作は…

    イッキ読み!いやぁ、素晴らしかった!

    以降、ちょっとネタバレになってしまうかも…ご注意を!


    思わず「アレ」を思い出すトリック…調べたら、ほぼ同時期に出版されたようですね。ビックリ!共に優越つけられない作品だと思いました。

    文庫解説にも書かれていましたが…現代のSNS上での、ある種の「共同幻想」的な世界に、どこか似ているような…西澤さん、二十年位先取りしてたんだなಥ⁠‿⁠ಥやはり、凄い作家さんですね。

    楽しんで、読み終えました!感謝…⊂⁠(⁠•⁠‿⁠•⁠⊂⁠ ⁠)⁠*⁠.⁠✧

  • よくオススメに出てくるので観てみた。
    真相には、オオオっとなりました。
    学校(ファシリティ)には、10~12歳の6人の生徒がいるが、ここに来る直前の記憶がないという設定。
    なんで学校がファシリティと呼ばれてるのか、ワークショップと呼ばれる謎の実習、異様に柔らかく薄味な食べ物、新入生を迎え入れる時に感じる恐怖等々、右を見ても左を見てもとにかく謎だらけの状況。
    “共同幻想”には陥ることの恐ろしさご物語の真実に繋がっていて、SNSで歪んだ情報がそこら中に転がっている現在において、非常に響くテーマの作品でした。
    真実に辿り着いた生徒はこれこの後どうしたらいいんだ…笑
    自分が何を信じていて、それを何故信じているのか、改めて見直したくなりました。
    多分まだまだ気づいていない伏線があると思います。

  • ここは探偵養成学校?それとも特殊能力の秘密研究所?<学校>では各国の子どもたちが、特別な授業を受けていた。やがて<学校>で次々と殺人事件が起きて…。犯人は一体、だれ?子どもたちはなぜ集められたのか。全貌が明らかになったとき、大きな衝撃が読者を襲う。

    世界各国から集められたた少年少女たちが、全寮制の学校で様々なことを学んでいく展開。けど、何かがおかしい。どことなく普通ではない異様な世界観。漫画"約束のネバーランド"に似た違和感を覚えました。

    なんにために集められたのか。各々が推測していきますが、その真相は明らかにされないまま。ダラダラと続いた展開も、ある殺人事件を発端に急加速。怒涛の展開。素敵な結末。考えさせられるメッセージ。

    “共同幻想” というか、なんだろ。本作を通して隠された一つのテーマが主軸にされていて、結末を知った後、パラパラと読み返してみると、さりげなく伏線が散りばめられていたりして...あまり馴染みのないSFミステリでしたが大満足でした。

    多くを書くとネタバレしそうなのでここらで終わります。興味があれば、ぜひ、手に取ってみてくださいね。

  • 学校という名の謎の施設に集められた6人が、事件に巻き込まれる話。
    前半読んでいて、漫画の約束のネバーランドが思い浮かんだ。
    結末には、あっと驚かされた。読みやすい作品だった!

  • 謎めいた学校に集められている6人の少年少女。7人目が加わったときに事件が起きる。
    伏線がはられていて、これはもしや…と思った予想が当たってしまったが、予想していても驚きの内容だった。
    とある書店の文庫担当者 渾身のおすすめ!なる表紙で、ふと手に取ってみたんだが、おすすめしたくなる気持ちが分かる。
    何ともやるせない結末も印象に残った。
    これ、自分だったら…気付かない方が幸せだろうなぁ。

  • これは一体何を読んでるんだと、約束のネバーランドみたいなイメージを持ちつつ、正直ちょっと途中でやめようかとも思った。手がかりがあるにはあるんだけど、よくわからなさ過ぎた。いろいろ起こってくのに何もわからない、そして最後の最後に来るんだが、おーなるほどな……とまあまあ納得。好き嫌いは特になく、凄いなと思った。考えてると、腑に落ちない部分もあって、ちょっと強引なのかな。

  • これは何を読まされているのだろう…そもそもなんでこの本買ったんだっけ?と思ってしまうほど、全く意味不明だった。途中。
    なんとなく、ポエトの考えに引っ張られて読み進めていったが、真実がわかると鳥肌ものだった。辻褄も無理に合わせてあるようで、きっちりはまるのは流石だと思った。

  • 奇妙な設定が綺麗に伏線として回収されている本。
    所々の違和感がしっかりと伏線になっているし、
    主人公に入り込むほど結末に驚嘆するだろう。
    おすすめ。

  •  西澤保彦らしい、SF的な特殊な設定のミステリ。人里離れた全寮制の「学校」で、生徒は厳しい制約を受けながら、風変わりな課題に挑んでいる。
     なんらかの隠された真相があることは明らか。作中でも、登場人物は、この「学校」が、前世人格再現能力者を研究している場所だとか、ヴァーチャルワールドであるとか説、秘密探偵養成所であるなどの推理をする。
     真相は、登場人物は本当は全て老人。ある種の健忘症が原因で、10歳から12歳までの間で記憶が止まっている人物を集めていた研究所だったというもの。情報が歪んでいても、全員がそれを受け入れれば、それが社会的事実となる。いわゆる共同錯誤というものを研究する場所だった。
     老人ばかりを集めた施設をつくり、主観的な認識の歪みによる少年少女のコミュニティに変貌させるという、「校長先生」=デボラの計画。この真相を示す伏線が張り巡らされている作品である。
     残念なのは、少年・少女と思われていた登場人物が、全て老人だったという真相に近い作品として、UのHという傑作が存在する点である。私自身も偏愛する作品であり、この真相である以上UのHを超えない…どころかさほどの衝撃もなかった。「ああ、そういうことか。」程度の衝撃となってしまった。
     この作品は2003年の作品で、UのHも同じ2003年の作品。他の人の感想、レビューを見ても、「ネタに共通するところのある某作品を先に読んでいたため、…真相の衝撃がやや減じてしまった。」というものがあり、そうだろうな、と感じてしまう。
     一番のポイントとなる「少年・少女と思われていた登場人物が、全て老人だったという真相」という部分の驚きがそがれてしまうため、どうしても評価が低くなるが、伏線は多数、張られている。「学校」の建物がもともと病院だったのではないかという描写、鏡を見てマモルが自分の顔ではないと感じる場面、バスケットボールなどの球技に交じってそれとなくゲートボールという記述があったり、老人が食べるような食事、スナック菓子が消えるという描写があったりするのも、全て「実は老人でした」という真相の伏線
     もう一つ、この作品の特徴は、「実は老人でした」という部分だけでない。老人であることが叙述トリックとして読者に伏せられているのではなく、人間の認識能力の危うさを背景とした共同錯誤現象として、登場人物の誤信しているという点。客観的な事実として70歳を超えるが、主観的には10歳から12歳だと思っている登場人物がそのような共同錯誤現象に陥っている。新しい仲間が入ると、その共同錯誤現象が崩れるおそれがある。共同錯誤現象が崩れることを極度に恐れ、その原因を排除しようとするもの=怪物。それはステラ・出るローズ。ステラは、自分が11歳の少女であるという幻想に耽溺しており、それを崩そうとするもの、そのファンタジーを否定するものを殺害する怪物となっている。
     共同錯誤現象を宗教に例え、楽園の破壊者=異教徒を殺害する。作中でも、マモルと母親のエピソードとして、宗教戦争として、自分が信じる神を信じない人を殺害するといった話が出ており、これも伏線となっている。
     最後、ステラは自身のファンタジーを否定する全ての人物を殺害し、「学校」は崩壊。マモルは、記憶か60年ほどの歳月が失われている事実を受け入れ、60年以上の前の母親とのエピソードを思い出しながら終わる。
     UのHを読む前に読んでいれば…というのは意味のない仮定だろう。UのHを読んでいるという前提でしか評価できないが、評価としては★4には至らない★3の上位という印象。よくできた作品であり、インパクトもあるのだが、突き抜けてはいない。そんな印象

    サプライズ ★★★☆☆
     UのHの存在を前提とした評価ではある。もっとも、この作品は、読者を騙そうとするというより、共同錯誤現象という設定のために、「実は老人でした」という真相を用意しているので、仮にUのHを読んでいなくても、初めてUのHを読んだときほどの印象はなかったかもしれない。そういった意味では、先にUのHを読んでいたことはラッキーだったともとれる。
    熱中度 ★★★★☆
     真相が気になって先が気になるレベルではあるが、何も手が付けられないほど入り込むほどではない。上手い小説ではあるが、突き抜けた要素がないと感じるのはこの点。平均点が高く安定している西澤保彦の作品らしくはある。
    納得度 ★★★★☆
     強度錯誤現象や実は老人でしたという真相を裏付ける伏線は多く、特殊な設定と相まって、それなりの納得度はある。上手い小説である。玄人評価が高そう。
    読後感 ★★☆☆☆
     客観的には老人で、主観的には子ども。60年程の人生を失っているという点は悲劇でしかない。学校は崩壊し、ステラが関係者を殺害。読後感はかなり悪い。とはいえ、最悪の読後感というところまではいかない。
    インパクト ★★★★☆
     実は老人でしたという真相や、共同錯誤現象、クローズドサークルや、「学校」を舞台とした実習等、インパクトはあり、読後感の悪さも相まって、この作品の内容は時間が経っても覚えていそうではある。
    偏愛度 ★★☆☆☆
     UのHが好きすぎるので、そちらとの比較で、どうしても偏愛度は下がる。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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