スリーピング事故物件

著者 :
  • コスミック出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774792378

作品紹介・あらすじ

21年前に住人が殺された、いわゆる“事故物件”で共同生活を
することになった初音、ユウさん、真歩の女性3人。
部屋に置かれた曰くつきのワープロに真歩が文字を入力すると、
21年前に死んだ箕浦奏人が文字を打ち返してきた。
どうやらワープロに霊が宿っているようだ!?
 3人は怯えながらも、奏人がなぜ殺されたのか、
犯人は誰なのか、奏人と交信しながら探っていくが……。
百合、オカルト、酩酊推理etc.…西澤保彦の魅力満載!長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 昔からの因縁の関係の由布子に誘われ、由布子の姪の真歩と3人で超格安な事故物件でルームシェアを始める事になった初音。事故が起こった部屋にはワープロが残されていたが、真歩が文字を入力してみると21年前に殺された男性からの返信が!成り行きで3人は21年前の事件の謎を解く事になる。全体に百合要素が漂っているがエロはほぼなしだし聞き込みでの無駄話が思わぬ要素に繋がったり、皆で飲み食いしながら推論を重ねる展開はロジカルで安心の西澤さん。解決編の入りがやや性急に思ったけど漂う黒さを納得させられてしまう技は流石の一言だ。最近の西澤作品の中では人に勧めやすいと思ったけどこれ位の百合要素でも無理な人は無理かなぁ。

  • 格安の家賃に惹かれて約20年前に殺人事件が起きた4LDKの事故物件でルームシェアをすることにした3人の女性たち。

    殺人現場である個室に残された曰く付きのワープロを使用すると、なんと亡くなった被害者が打ち返してきた。

    怖がりながらやり取りをするも、被害者は犯人と面識がなく残念ながら特定には至らない。

    被害者が殺害される1週間前にも同様の殺人事件が起きており、2つの事件に関係性はあるのか?

    被害者とのやり取りを続けながら、人脈を使えるだけ使い、事件の謎を解いていく長編ミステリー。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    登場人物や情報量が多過ぎて、
    初めてメモをとりながら読むことに(笑)

    ルームシェアをする3人の内、
    2人がお互いの男を取ったり取られたり・・・。
    でも仲が良く、全く理解が出来ない関係性だった。

    ミステリーを読んでいるはずなのに
    浮気、不倫に振り回された感じで
    なんだか疲労感を感じる作品でした。

  • ❇︎
    SLEPT1
    SLEPT2
    SLEPT3
    エピローグ

    何年もの腐れ縁、因縁の二人
    ユウ(渕口由布子)とオトーさん(音尾初音)は
    ユウの姪(真歩)を含めて、曰く付きの事故物件で
    ルームシェアを始めることになる。

    格安のその事故物件には、一点だけ守るべき
    条件があり、その禁忌を犯すと……。

    事故物件ができてしまった経緯、事件の真相を
    解明しようとする3人とその関係者たちの軽快で
    コミカルな解決劇。

    事件の犯人はお約束の通り、思いがけない
    あの人だった!

    映画とミステリー、コミカルな人間関係から、
    人の不条理な歪んだ動機がつむびらかにされる。

  • 初音はひょんなことから因縁かつ親友のような腐れ縁のような相手のユウに格安のハウスシェアを提案される。それも二人だけでなく、ユウの姪の大学生の真歩との三人で。しかしその部屋は、ユウの友人に紹介された曰く付きの物件、事故物件だった。知人の叔父がかつてその部屋で殺害され、その部屋に残された電源の入らないワープロを動かそうとすると一人でに元に戻っているらしい。好奇心から触れてみるとなぜか真歩だけ電源が入れられ、文章を入力してみるとそこには勝手に返事が浮かび上がる。それは、かつて死んだ叔父と名乗った。

    西澤さんにしては珍しくグロくもエグくもなくストレートに人間関係が絡み合うミステリ。いや珍しくはないか。でもわりとテーマが重なる素直な展開。入り口はホラーっぽいけど、そこまででなく。しかし主人公たちの恋愛話、ここまで割く必要あるか…?と思いつつ、まあその辺の味付けないと物足りない話にはなるか…ただ百合ではあるのでご注意を。

  • 事故物件の一室に残されたワープロ。そこには殺人の被害者の意思が残っていた!? 死者と交信して21年前の事件を解き明かせ!!

    西澤保彦の得意とする集団推理とジェンダー理論、そこにさらっと死者と交信できるパソコンというオカルトの混じったミステリー。

  • 21年前の殺人事件の謎を、ほぼ登場人物の会話だけで解き明かしていく。西澤保彦氏の作品は、とんでもなく面白いと感じるものと、どうにも読みにくいものと分かれるが、本作は後者だった。登場人物のクセの強さによるのかもしれない。ロジックと伏線回収は見事だったが、主人公たちの恋愛話はあんなにも必要だったのだろうか……。

  • 21年前に住人が殺された、いわゆる“事故物件”で共同生活を
    することになった初音、ユウさん、真歩の女性3人。
    部屋に置かれた曰くつきのワープロに真歩が文字を入力すると、
    21年前に死んだ箕浦奏人が文字を打ち返してきた。
    どうやらワープロに霊が宿っているようだ!?
    3人は怯えながらも、奏人がなぜ殺されたのか、
    犯人は誰なのか、奏人と交信しながら探っていくが……。



    んーなんかライトノベルのようだった。軽い感じで読みやすいんだけど、なんか文章がわちゃわちゃしてるかんじだった。あとちゃんとあらすじを読んでいなかった私が悪いのだが、唐突な百合展開などが繰り広げられていた。


    主人公は、同居人となりユウさんの姪っ子の真歩ちゃんにぞっこんなかんじだけど、ユウさんと歴代の彼氏を取ったり取られたりしている。なんだか関係性がよく分からないけど、それはそれこれはこれってことなんだと思う。



    曰くつきのワープロを扱う死んだはずの元居住者は、特にそこまで出てくることなく、ほとんどが3人が探偵することで物語は流れていく。真歩ちゃんと主人公が、いろんな人に話を聞きに行って、その先で色んな事実が見えてくる。そして、事件の真相は…



    まぁ、犯人が誰かは分からなかったけど、なんとなく「えーそんな展開なの??」ってなった。誰かのせいにする。まぁ、気持ちは分からんでもない。私が悪いんじゃない。あの子がちゃんとやっていなかったから、こんな目に私が合うんだ。そう思う気持ちは分かる。だけどさぁってなった。


    ⭐︎3つにしてあるけど、本当は2.5ってかんじだったな。なんか少しがっかりした。



    2023.1.15 読了

  • 中盤までスピーディーにだらついた物語だなあって感じでしたが、終盤の謎解きはさすが西澤保彦らしい伏線回収といつもの身勝手な人間の嫌なロジックによる犯罪っていうらしさ満載でした。

  • 突拍子もない設定が西澤さんだわー。
    でも、登場人物の名前は案外普通っぽかった?
    ワープロ専用機というのが懐かしい。
    特定の人物が操作した時だけ電源が入って自動筆記するワープロだなんて、わくわくさせてくれる。
    エログロは、それほどでもなかったので読みやすかった。(そういう気配のところは飛ばし読みしたし。)
    しかし、その動機はどうなの?!
    びっくり。
    決着にもまさにお口あんぐり。
    やってくれるわ、西澤先生。

  • オカルトではあるもののミステリとして面白い。設定は奇抜だし、ちょこちょこ下世話な部分があるが、それはこの作者ならではで面白く読めた。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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