銀行員ゲームブック バンカーズクエスト (SHINKIGENSHA GAME BOOK)
- 新紀元社 (2015年11月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775313633
感想・レビュー・書評
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銀行マンを主人公にした、異色ゲームブック。おもしろかったです!【2023年5月21日読了】
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子供の頃に流行ったゲームブックというものが、今もなお死に絶えていないと知り小学生の子供に「七つの大罪」「シャムタンティの丘を越えて」を買ってみました。どちらも初心者向けのおすすめとして紹介されていたので。「七つの大罪」は読みやすくたしかに初心者向けで易しいのですが、ゲームブックという体裁のわりに物語の枝分かれが少なく、面白さとしてはイマイチ。「シャムタンティ」はサイコロ2つと記録用紙を使いながら進めるという、本格派タイプ。こちらは やり始めてはみたものの、面白くなる前に面倒くさくなってしまってやめてしまいました。
ゲームブックたるもの世界観はモンスターと戦うようなファンタジーRPG系というのがほとんどなわけですが、そんな中で銀行員のゲームブックがあるとのことで気になって読んでみました。読者は大手銀行の融資課長になって職場や取引先と戦う(?)のです。正直どんなやねん、とツッコミ感覚で好奇心を満たすために読み始めたのですが、思いのほか面白い。ゲームブックのシステム的にはメモもサイコロもなく、ただ選択肢が出たらいずれかのページに飛ぶだけのものです。シンプルなうえに最初はちゃんと説明もあるので、ゲームブックを知らない人でも全く問題ないです。しかもゲームオーバーの際にやり直しポイントを教えてくれるのも親切。
基本的に、いかにクリアしてエンディングにたどり着くかというスタンスではなく、いろんな分岐のある物語を楽しむというスタンス。ゲームブックならではの、選択肢によるパラレルに存在するストーリーがどれもドラマチックで、面白い。ゲームブックというシステムを存分に活かしたストーリーです。⭐︎を一つ減らしたのは、ストーリーが繋がらない部分があって、まぁ、複雑な分岐をまとめなきゃいけないゲームブックにあっては珍しいことではないかと思いますが、よりによってたまたま最初に読んだ時にそこに当たってしまって残念だったので。あとは、挿絵が内容と合ってない(^^;)
ともあれ、ゲームブックを知らない人に、食わず嫌いせずに手にとってもらいたい。