バフェットからの手紙 第5版 (ウィザードブックシリーズ Vol. 307)

  • パンローリング株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775972786

感想・レビュー・書評

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  • 超書。おもしろいというか、すごい。

    本書は、ウォーレン・パフェット率いるバークシャー・ハサウェイ社の年次報告書に記載されているものを、ローレンス・カニンガムがまとめ上げたものである。
    第一感、会計学の教科書であり、戦後の不正会計との闘い、企業統治の歴史でもある。
    ウォーレン・パフェット氏は、2023年現在93歳で、バークシャー・ハサウェイ社の筆頭株主であり、会長兼CIOで、今なお健在である。

    彼の投資哲学は、古き良きアメリカを思い起こさせ、自分がわかるものにしか投資をしないという極めて自然で分かりやすい考えに基づいている。
    本書は、これを、企業のファンダメンタルズとよんでいます。

    本書の構成は、プロローグに概要が、第1章が企業統治でここまでは、普通の読みものである。
    第2章以降は、大企業向け(簿記1級クラス)の財務会計と、米税制を含めた、財務シミュレーションである。

    ・企業会計原則
    ・原価償却
    ・減損会計
    ・企業買収・合併・のれんとその償却
    ・税効果
    ・インセンティブとストックオプション、退職給付
    ・デリバティブ
    ・キャッシュフロー
    ・株の分割による1株の希薄性 などである

    気になったものは、以下です。

    ・経営者が株主へのコミュニケーションにおいて、率直かつ誠実であることの重要性
    ・年次報告書は、華美に装飾されておらず、一般的な知識があれば理解である程度の用語と数字をつかっての平易な表現
    ・予言をかかない。つまり、業績予想を財務資料に記載しない。

    ・重要なのは、子会社のCIOを選ぶ際に、能力と正直さを兼ね備えた勤勉な人間を選ぶことである。
    ・上場企業に投資する機関投資家は、権限を行使して株主資本の管理者としての要請にそぐわないCEOを排除しなければならない。
    ・バークシャーのCEOは長期的な時間軸で経営にあたること
    ・パフェットはポートフォリオにもとづく分散投資はしない。信頼のおける経営者がいる2,3の企業に投資資金を集中すべきである。
    ・投資家は自らがある程度の努力できる事業に関する投資のみを検討する。むずかしい事業には、手をださない。ITとか。
    ・多くの株をかって長期的に保有する質の高い株主を獲得することである。そのため、自分と同じ考え方の人たちを引き付ける話題や行動を重視し、バークシャーの株価ではなく、長期的な展望と独自のファンダメンタルズを強調してきた。
    ・株式分割は好ましくない。
    ・バークシャーでは、収益を配当するか留保するかの基準がある。収益の留保が正当化されるのは、留保された収益が、投資家が通常得られる福利利益以上のものを生み出す場合に限られる。
    ・バークシャーが買収するのは、優れた経済特性があり、信頼し、尊敬できる経営者がいる企業に限られる。そして、ある一定の利益がえられるなら、引き続きその経営者にその会社を経営してもらう。
    ・企業投資に適した企業のありかたは、コングロマリットである
    ・現在や未来の舵取りを行うためには、過去を理解することが重要である。

    ・あまり借入を行いません。
    ・企業統治に必要なことは、完全で公正な開示である。
    ・親会社として、達成すべき四半期目標の数字を設定していない。
    ・リスク管理についてCEOが全面的に責任を負うことをはっきりと示さないならば、規模の大きな金融機関の取締役会は職務怠慢だと私は考えています。

    目次
    監修者まえがき
    第五版によせて
    序文
    プロローグ―株主に関する企業原則
    第1章 ガバナンス(企業統治)
    第2章 投資
    第3章 選択肢
    第4章 普通株
    第5章 買収
    第6章 評価
    第7章 会計
    第8章 税務
    第9章 バークシャーの歴史
    第10章 最後に
    用語集
    構成表

    パフェットからの手紙【第5版】
    世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社
    著 者 ローレンス・A・カニンガム
    監修者 長岡半太郎
    訳 者 増沢浩一、藤原康史、井田京子
    バフェットからの手紙
    第8版2021年2月5日発売/四六判 640頁 第1刷
    定価 本体 2,200円+税
    ISBN 978-4-7759-7278-6 C2033

  • 投資家としてのバフェット本は数あるが、経営者としての立場で書かれた本は珍しい。
    ガバナンスについての章は目からウロコだった。

  • バフェットが長年に渡り自社の株主宛に書いた手紙をまとめた本。何十年にもわたる思考の集大成であり、いちど読んで全てを理解する事は難しい。

    しかし、簡単に理解できる部分もあるので、何度も読み返しながら少しずつ理解できる部分を広げていくと、いつかはバフェットのように考えられるようになるのかもしれない。

  • 間違いなく投資分野の名著。

  • 【推薦コメント】
    20世紀最高の投資家ウォーレンバフェットによる、成長し続ける会社の経営や経営者の資質を学ぶことができます。
    (工学域 3年)

    【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000951865

  • スノーボールは伝記、こちらは経済書

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著者プロフィール


・ローレンス・A・カニンガム
1962年7月10日生まれ。ジョージ・ワシントン大学でヘンリー・セントジョージ・タッカーの研究を専門とする法律学教授を務める。企業の取締役会に対する支援や提言、コーポレート・ガバナンスに関する研究などが認められ、2018年には全米取締役協会よりケネス・D・ウェスト生涯貢献賞が授与された。コーポレート・ガバナンスや投資関連の著作も多数。「バフェットからの手紙」は特に有名で、現在でも版を重ねている。


「2020年 『バフェット帝国の掟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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