不肖・宮嶋inイラク死んでもないのに、カメラを離してしまいま

著者 :
  • アスコム
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784776200888

感想・レビュー・書評

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  • 37824

  • 開戦3日もすれば、100m以遠の空爆に無関心になるほどの頻繁な空爆。
    あまりに多すぎて空襲警報すら鳴らなくなるほどで
    ホテルに飯も無くなる。
    そんな状況、信じられるか。
    ただの一度も戦争を経験したことのない自分には、
    あまりに非日常に感じられて想像することすら難しい。

    写真集とも言うべき大判の本で、写真がたくさん載っている。
    テレビでは到底目にすることの出来なかった生々しい写真たち。
    さっきまで自分がいた場所が空爆され破壊されたり
    一瞬で知人が血の海に浮かぶ肉片に変わる。
    あまりの『真実』がそこには映し出されていた。

    きちんと写真を撮りたいけれど、三脚に起望遠を使うと
    銃座に間違われるかもしれないからやらないという
    そんな環境と経験。

    市民の略奪や放火。官庁や図書館までが灰と化す。

    宮嶋氏が書いておられる通り、当然国民性もあるのだろうが
    それにしても自分には想像もつかない状況だ。

    当時大手報道は軒並み社命に従い避難した。
    安全圏から、アメリカが操作して流す情報だけど報道として流した。
    その上現地に残っていた彼らフリーのカメラマンやジャーナリストたちを
    「自己責任」などと非難した。
    報道人として間違っているのは果たしてどちらなのだろう。

    そんな「『報道』をするな」という社命を守るくらいなら
    会社を辞めてバグダッドへ行く
    ぐらいの気合の入ったやつはいないのか、という宮嶋氏の発言は尤もと思ったし
    実際に信濃毎日の記者が辞表を書いた上で入ったというのは
    この本で初めて知り、驚いた。
    しかしそれが本来の『報道』というものなのではないだろうか。

    カメラマンは現場で写真を残してこそ
    この言葉は深く響いた。

  • テレビからただ流されるだけでない、あのミヤジマが行くからこそのリアリティ。

  • 薄いけども内容は値段以上のイラク写真集。目で感じろ。

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