もしあと1年で人生が終わるとしたら?

著者 :
  • アスコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776211372

作品紹介・あらすじ

もし、あと1年で人生が終わるとしたら?
人間関係、家族、仕事、夢、目標、
あなたは後悔がないと言い切れますか?

3500人を看取ってきたホスピス医がつづった
「人生を変えたいと願う」
すべての人に読んでほしいメッセージ。

はじめに、みなさんに質問です。
もし、あと1年で人生が終わるとしたら、あなたは、

旅行に行きたいですか?
家族と楽しいときをすごしたいですか?
もっと仕事をしたいですか?
趣味に時間を使いたいですか?
おいしいものが食べたいですか?
ほしかったものを買うでしょうか。

まだまだやりたいことがたくさんあるという人がほとんどのはず。
では、なぜあと1年とあなたに問いかけるかというと、人生に締め切りを
設けることで、何がやりたいか、何が大切かを明確にしてほしいからです。

【人が人生の終わりに考えること】
年間、人生の最終段階の医療に携わり、3500人を超える患者さんたちを
お見送りしてきて、私には一つ、気づいたことがあります。
それは、「死」を前にすると、人は必ず自分の人生を振り返るということ。
そして、自分の人生で誇れること、後悔していることなどを少しずつ整理し、
最終的には多くの方が、「良い人生だった」と納得して、
穏やかにこの世を去っていかれます。
日々忙しく過ごしていると、人はなかなか、自分の生き方を見つめ直した
り、自分にとって本当に大切なものに気づいたりすることができません。
でも、もし。
もし、あと1年で人生が終わりを告げるとしたら……。
私が関わってきた患者さん同様、きっと多くの人が、自分の人生に思いを
はせるのではないでしょうか。
ただ、元気に生きているとき、私たちはなかなか、
その大切なものに気づくことができません。
人生の終わりが近づいてきたとき、初めて、
それが何であるかを知ることも多いのです。
ですから、これからの人生を、
少しでも悔いなく生きるために。
より良く生きるために。
考えたいことを1冊にまとめました。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者はホスピス医。
    長い間、人生の最終段階の医療に携わってこられた方。

    題名がすべてを言い表しているかと思いつつ手に取りましたが、
    私の狭い想像を超えた言葉が詰まっていました。
    心に残った箇所を 二・三 ピックアップします。

    《「努力は必ず報われる」という言葉が人に絶望を与えることもある。
    世の中は理不尽で、努力が報われるとは限らない。
    しかし、「努力をした」という事実は残り、その過程で必ず何かを学ぶ。
    努力が報われなくても、人生に無駄なことは何ひとつない》

    最近、かなりの努力が報われない経験をして、素直になれない私ですが…。

    《「人生とは、美しい刺繍を裏から見ているようなものだ」
    これは、フランスのティヤール・ド・シャルダンの言葉。
    裏からでは、ひとつひとつの縫い目が何を意味しているか分からないが、
    表から見るとその意味や美しさが分かる。
    苦しみの真っただ中にいる時は分からないことも、
    後で振り返ると、苦しんだからこそ得られたものがあるはず。
    そしてこれが「自分の人生」という、世界にひとつの織物を作り上げる》

    この、刺繍の裏側という見方、美しい表現だと思います。

    《患者さんには、反復と沈黙、そして問いかけを大切にしている。
    「昨夜、眠れませんでした」という人には「眠れなかったのですね」と答える。
    「昼間寝ていたからです」「睡眠導入剤を出しましょう」などは望ましくない。
    こちらの意見を一方的に押し付けたり、勝手に話を進めたりしては
    患者さんの本心を知る機会を逃すからだ》

    なかなかできないからこそ、この個所に一番感銘を受けました。
    患者でなくても、人間関係の基本になることかもしれません。
    でも、いったん受けとめるって、思っているより難しい気がします。

    これからは苦しみや困難と向気合う力や、仲間同士・地域で支え合う、
    そういうことがますます必要になるだろうと、筆者は予測します。
    コロナ禍後の世界、そして団塊の世代が後期高齢者になる「2025年問題」。
    苦しみに向き合う技術を多くの人に伝えていきたいと結んでいます。

  • これからの人生をできるだけ悔いなく生きるためにはどうしたらよいか、ホスピス医の著者からのメッセージ。

    答えは「はじめに」で紹介されている著者の考える4点に集約されているように思う。
    ・自分で自分を否定しないこと
    ・いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと
    ・家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
    ・今日一日を大切に過ごすこと

    「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」と考えれば、自分が本当にしたいこと、必要なものが見えてくる。
    悩みも迷いも、そんなことに時間を取られている余裕はないと思えば気持ちが楽になるかもしれない。
    孤独を感じたら、自然に目を向ける。
    やるべきこと、やりたいことに優先順位をつけて、日々、自分が納得できるように生きられたらいいな。

  • 「もしあと一年で人生が終わるとしたら?」
    と考えることは、自分にとって本当に大切なことに気づくことであり、
    苦しみや困難と向き合う力、
    人と支え合い助け合う力、
    苦しんでいる人を笑顔にする技術
    を育むことにも繋がる。

    こう、ホスピス医は、説く。

  • 20年間ホスピス医として3500人以上の患者を見送った著者の、『後悔なく生きるための17のこと』が綴られた本。今までの自分の人生について、やり残していることはないか、"あと1年で人生が終わるとしたら"という仮定で考えてみると、これから先は生きやすくなるのでは?との提案が描かれている。"本当の"残り1年と"仮定の"残り1年 では、後者の方が余裕がある分真剣味に欠けてしまうのではないか?と思ってしまい、何だかあまり自分には響くものがなかった。

  • あともう少しで節目?の年齢になるので、今を大事に生きていますか?っていう主旨のポップに惹かれて読んだ。自分は思ったよりも幸せなのかも?と見返すことができた1冊。また節目や忙しいなぁっていう時期に出会えるといいなと思う。




    ★自分らしく生きるというのは、常にリラックスして気分の良い状態であること、自己主張を通すこと、わがままに生きることと、必ずしもイコールではありません。緊張してのびのびふるまえなかったり、気分が悪くて辛い思いをしていたり、遠慮や我慢をしていたり、と言った瞬間も、人は、実はその人らしく生きているのです。

    ★あと何回大切な人と会えるか

    ★お金を手に入れたり、夢になったりすることによって、自分1人が幸せになるという『一人称の幸せ』には限界があるのではないか

    ★人生において本当に大切なのは、家族からの愛情や同僚との友情、仕事相手との信頼など、目に見えないものなのだ

    ★「今の働き方でいいのだろうか」「この仕事を続けていていいのだろうか」と言う疑問が浮かんだ時は、大きなチャンスです。自分の仕事や働き方が誰かの喜びにつながっているか、ぜひ見直してみてください。

    ★「人生とは、美しい刺繍を裏から見ているようなものだ」/ティヤール・ド・シャルダン
    ★刺繍を裏から見ているときは、一つ一つの縫い目が何を意味しているか、全く分かりませんが、それを表から見られるようになった時、初めて、その意味や美しさが分かります。

    ★どんな時でも、自分の気持ちに誠実に、正直に生きること
    ★自分の尊厳を守ること

  • この本に書かれていたことは頭のノートにではなく、心のノートにメモすることにした。

    スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学卒業式のスピーチのテーマと同じく。
    「もうすぐ死ぬとしたら、どう生きたいか?」
    生き方を考える上で大事な指針かもしれない。

    都度読み返す本になると思う。

  • この本も『知りたいこと図鑑』と一緒に、TSUTAYAで衝動買いしたもの。
    そういえば、今年も残りわずかとなり、そろそろ2024年度の「私のすることリスト」を作らなければならない時期だったので、参考にしようと思って。

    小澤さんの本を読むのは、この本で2冊目だったはず。前作も非常に心に残ったものだったので、また何か新しい発見がないかなあと思いながら読み進めた。

    【心に残ったフレーズ】
    ●人は存在するたけで、必ず誰かの支えになっています。
    ●やらすにする後悔より、やって後悔するようが良い。
    ●どんなにネガティブに見える出来事にも、プラスの面、そこから学べること、今後の人生のヒントになることが必ずある。
    ●他者の幸福を望むと、心に「支え」と「希望」が生まれる。

    【TO DO】
    ●やらずに後悔するより、やっちまった後悔を選ぶこと。
    ●人の幸せや人の喜びを、自分の幸せと感じられるように行動すること。
    ●一日一日を大切に過ごすこと。

    2024年も、今、死んでも後悔することが少ないように過ごしていこうと思う。

  • 自分も最後を迎えるときには、
    登場した方々のように
    穏やかな気持ちでいられるのかな…
    穏やかになるには、残りを受け入れて
    煩悩を手放して、自分だけを見つめた時なのかな…
    読むのは今じゃなかった気もする。
    またいつか読み直そう。

  • タイトルの通り。
    色々と考えさせられる。

  • 亡くなった方のことを思い浮かべて、あの人ならどうするだろう。 なんて言うだろう。
    って思うことも、れっきとした相談になるんだと書いてあって、心が温かく、軽くなりました。

    去年体調を崩した時に、健康や普通がありがたいって感じていたのに、時間が経つと忘れてしまう。
    大切なことを思い出させてくれる本でした。

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著者プロフィール

小澤竹俊
1963年東京生まれ。87年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
91年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。救命救急センター、農村医療に従事した後、94年より横浜甦生病院ホスピス病棟に務め、病棟長となる。
2006年めぐみ在宅クリニックを開院。これまでに3800人以上の患者さんを看取ってきた。
医療者や介護士の人材育成のために、2015年に一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立。一人でも多くの人が、生きてきてよかったと思える最期を迎えられるよう、力を尽くしている。著書『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』、『もしあと1年で人生が終わるとたら?』(アスコム)がベストセラーとなる。

「2022年 『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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