幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法

著者 :
  • アスコム
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776211853

作品紹介・あらすじ

この本は孤独をなくす本ではありません。
孤独なままでも、幸せな人生を送るための
方法が書かれています。

コロナ禍をきっかけに、日本では老若男女を問わず
「孤独」な人が増えているという調査結果がニュースになりました。
2021年2月、内閣に「孤独・孤立政策担当大臣」が新設されたのも、
それに対処するためでしょう。人々を孤独から救わなければならない、
ということのようです。
孤独をテーマにした記事もよく見かけるようになりました。

ただし、多く今の議論は「孤独は不幸」という前提に立っています。
本当にそうでしょうか?

著者の慶応大学大学院教授で、「幸福学」の第一人者である
前野隆司教授の最新の研究でも、孤独=不幸というふうに、
単純に決められないことがわかってきました。

パートナーがいなくても、人付き合いが苦手でも、
友人に恵まれていなくても、幸せになれる人はいます。
孤独を過度に恐れる必要はありません。
孤独でありながら幸せになる方法は確かにあるということです
(「幸せな孤独」の定義については書籍で詳しく述べています)。

では、どうすれば「幸せな孤独」が実現できるのか。

それは、この本でご紹介している3つの考え方を身につけることが大事です。

①「うけいれる」(自己受容)
②「ほめる」(自尊心)
③「らくになる」(楽観性)

この3つの要因、言い方を変えれば3つの「正しい心のクセ」を伸ばすことで、
幸せな孤独を手に入れられます。

3つの考え方は、「孤独」に関して学会でも認められている論文を分析し
さらに独自のアンケート調査などを基に研究を重ねた結果、
孤独でありながら幸福度が高い人々に共通する傾向として、浮かび上がってきたものです。

本書では、こうした考え方を身に付ける
誰でも簡単にできるレッスンをご紹介しています。
少しずつ、できる範囲から始めていただければ
きっとあなたの人生が変わり始めるでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 孤独は不幸の一要素であるように考えられることが多い中で、最近は1人で自由に過ごす時間を大切に思うようになってきており、タイトルに興味を持って読んでみた。わかりやすく、具体的なアドバイスが述べられていた。また、自分は根拠なく楽観的な考えを持っているが、それは生かすことができれば大きな強みとなるとわかった。

    ○著者は幸福学の専門家であり研究結果を土台にして個人的な体験から幸福のヒントを抽出してまとめ、多くの人が幸福な孤独に達するまでのわかりやすい道筋を提唱している。
    1受け入れる(自己受容)
    2ほめる(自尊心)
    3楽になる(楽観性)

    ○人が孤独を不幸と感じるのは生存本能によるものであり、人との繋がりは人が幸せを感じながら生きていく上で大切な要素ではある。が、孤独=不幸とは言えない。幸せな孤独とは、「ロンリネス」(苦痛や不安寂しさ)ではなく「ソリチュード」(孤高)である。
    人に寄りかからず、個性的で、自由に生きること。独りで過ごすことを自ら選んでいる状態であること。

    ○自分が幸せを感じる因子を意識していく
    一時的な幸せでなく持続する幸せを知っていく。SNSでのいいねの数、収入、地位や名誉など、結婚、友人の数など間違ったところに焦点を当てないこと。=ダニエルカーネンマンによるとフォーカシングイリュージョンというらしい。

  • ウェルビーイングで有名な前野隆司の「孤独」に着目した本。個人的に「孤独」とは何なのかよく理解していないので興味がある。

  • 『幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法』
    著者 前野隆司
    アスコム 2021年

    この本は幸福学という学問を提唱している前野隆司さんが世間的には悪いものと捉えられている孤独に関して、幸福学の視点から孤独に関して光をあて、3つの考え方を身につけることにより孤独と上手に付き合おうと主張するものである。

    本書の基本的な流れとして、まず孤独に関しての一般的な知識、孤独でいることのデメリット、幸せな孤独になるための3つの要素、それらを身につけるためのレッスン+@と言ったところである
    それでも、一番重要なのは、上記にも書いたように、幸福になるための3つの要素だろう。
    孤独に関して3つの考え方をが書かれている
    1 受け入れる
    2 褒める
    3 楽になる

    この3つが提唱されている
    それぞれ説明しよう。
    「受け入れる」は今の現状を正しく認識し、ありのままを受け入れることいわゆる自己受容と言われるやつだ。自分が不幸だと思っていることを並べて、それを「悪い心のくせ」だと気づき、苦しんできた自分を受け入れることである
    「褒める」は自分自身を褒めることである。これはいわゆる自尊心に関係するところだ。自分自身にできることを並べて、それらを自信に繋げることである。
    「楽になる」は自分自身の考え方を楽観的に変えることであり、これに関しては本書の言葉を引用しよう

    私は、楽観性は、幸せになる因子の切り札のようなものではないかと思っています。幸せの因子分析をする際に、幸福のチェックリストというのを作成して、チェックが多いほど幸せなのか調べたことがありました。
    そのときに、「私は、このリストをほとんど満たしていませんが、最高に幸せです」という学生がいました。彼女が唯一満たしていたのが、「楽観性」という項目だけ。しかし、いつも明るく楽しそうにしていたのを覚えています


    本書で、幸せには長続きする幸せとそうじゃない幸せがあると書かれている。幸福学が目指すのは長続きする幸せであり、言い換えると周りの人比べることで幸せを手にいられるような所得や社会的地位ではなく、健康、愛情、自由など周りの人比べられないような幸せが重要であると説いているが、たとえば所得があるからこその自由というのもあるだろうし、社会的地位が高いからこその自由というのもある。つまり、それらを土台とした上での健康、愛情そして自由などがあるので、単にそれらを毛嫌いするのではなく、手段としてうまく活用することで、幸福を長続きさせ、延いては孤独感を減少することにもつながるのだろう

  • ☑️孤独は、自分の内なる声と向き合う時間を与えてくれます。
    ☑️日常と人生の目標の間に、一貫性がある人は、人生の満足度が高いと研究成果が出ています。

    孤独な時間=一人で筋トレする時間は、完全に自分自身と向き合う時間です。

  • うーん。なんだかなあ。どっか私からはずれてる感があってうまく読めない。どうしたものか。

  • 熟年交際、丸10年。いつしか「余生を一緒に•••」と漠然としつつもそんな流れに。
    ところが、疑っていたことが図星だと目視し、破談となった。どれだけ泣いただろう。執着する日は続く。でも少しずつ自分なりに孤独の良さがわかりつつ半年を迎える頃に書店でこの本と出逢い即決。

    読んでいる途中で1人旅が入り
    「孤独楽しい」「孤独バンザイ」と強く思えるようになり、更にこちらを読み続けることにより共感できることばかり。

    【孤独であることは自分の意思で幸せをつかむための最大のチャンス】

    【「ロンリネス」=孤独感=悪い心のクセ
     「ソリチュード」=孤高=正しい心のクセ】

    【「幸せな孤独」は自ら孤独であることを選んでいる。不安を感じることはなく、独りでいることが好きなのです】

    【2035年には日本人の4割が独り暮らし】

    【他人とかかわる時間が世界一少ない日本】
    日本でよかった。都市部、しかも集合住宅でよかった。

    【感情的に幸せな状態=happiness
    幸福学が目指す「長続きする幸せ」=well-being study】

    そもそも、この著者は【幸福学博士】
    自己啓発本を多数所持しているが、初めて【幸福学】の存在を知った。

    著書の【少し長めの「はじめに」】だけでもとても参考になる。(16頁もあるが(笑))

    まだまだあるが、この辺で。 
    もう十二分に幸せに繋がっていると確信できた。

     2023,4,14〜5,23 4時間46分
     (1日15分読書で読めない日も多く、旅行中と前後は暫く読めずかなりかかった)

  • 自己受容、自尊心、楽観性の大切さ

    幸福学、興味があります

  • 書籍紹介のYouTubeを見て、タイトルが気になって、購入しました。強く印象に残ったのは、東日本大震災で、小学生の息子を亡くした母親のお話しでした。「過去に執着し続けるのではなく、過去からいいものだけ、いい思い出だけを選び出して、それをよすがとしてつなげていく。」このエピソードを読んで、孤独か否かは、あくまで自分の心の持ちようで決まるのだなと思いました。自分自身は、一人でいる方が好きだが、寂しくなるときもあるので、まだまだネガティブ思考が抜けないところがあります。本書で紹介された「幸せな孤独を手に入れるためのレッスン」を、試してみようと思いました。「孤独」について考えてみたい人におすすめです。

  • 現実は受け入れる以外に対処の方法はない。返ってこないものはあきらめる以外にはない。過去からいい思い出だけを選んで生きるよすがとする。
    1人であることのポジティブな要素に気づくこと。
    孤独とは1人になること。孤独感とは本人の感じ方のこと。

    ソリチュードは、孤高または孤立。
    ロンリネスは孤独。
    孤独でいる限り、自分自身でありうる。孤独を愛さない人間は自由を愛さない人間である。
    「空気を読む」文化では孤独を感じやすい。日本社会は孤独感を生んでいる原因でもある。
    SNSの発達で、初めから自分よりすごい人の情報に触れていて自分には無理と思い込みやすい。
    ノルウェー、デンマーク、ドイツなどは、単身世帯数が4割を超えているが社会問題化していない=友人、同僚、隣人などと過ごす時間が非常に多い国だから。
    幸福度が高いのは田舎の小さな町、郊外、人口25万人以下、以上の大都市、の順になる。
    日本では、配偶者あるいはパートナーが心の支えになっている割合が高い。
    欧米は幸福度は40代が低く、若者と高齢者が高いU字型。日本は、若者だけが高いL字型。近隣との交流が少ない。利便性と治安のよさが引きこもりを生む。
    孤独死よりも、孤独による死が問題。孤独がリスクを2倍にする。
    定年前から仕事以外で友人を作る機械を増やす。

    カレンダーに幸せの日には丸印をつける。
    受け入れる(自己容認)、ほめる(自尊心)、楽になる(楽観性)によって幸せになれる。

    一日の終わりにいい出来事を思い浮かべる。
    明日の楽しみを考える。
    アルバムを見て幸せな時代を思い出す。
    自撮りする=自己肯定感を高める。顔を見ることになれる。
    日々の中の小さな幸せに気づく。
    1人で食事をするときは、料理をじっくり味わう。
    セルフハグ=自分で抱き閉まる。幸せホルモンがでる。
    カレンダーマーキング法=丸印、二重丸印、三角をつける。
    本を読むことは自己肯定感を高める。
    長所を見つける。一日一個でもよい。30日で30個。成長した点を書く。
    笑顔=口角を上げる。
    妄想ノート=興味、実現したいこと、楽しみなど。
    小さな親切を心がける。
    人がいる場所に出かける。
    いいね、ボタンを押す。
    あいさつする。

  • 孤独でも幸せになる方法として孤高を目指せという事が印象に残りました。
    孤高とは他人に依存せず自分自身で完結する幸せです。
    そして孤高の幸せとは地位材ではなく、非地位材を求めることだとも書いています。
    地位材とは、お金やモノ、地位や名誉などで有限なものです。
    非地位材とは、健康、自由、愛、やりたい事、自己納得などで永続的に続くものです。

    他人に依存せず自分一人で幸せになる力があれば最強だと思いますし、他人も幸せにできると思います。
    そのためには自分と向き合う時間、孤独が必要だという事です。
    孤独というものをプラスに捉えて孤高を目指す。
    孤独を味方につけて孤高を目指すには今の不安から抜けて自己受容する事が大事。
    そのための考え方やテクニックも書かれています。

    周りから見て孤独に見える人でも幸せに生きている人はいます。
    逆に人に恵まれているように見える人でも不幸な人はいます。
    それは孤独か孤高かの違いだと思います。
    孤高になれば周りに流されず、自分の人生を生きる事ができるのだと思います。
    そして孤高とは人に与える事ができる存在なので本当の意味で孤独ではないと思います。

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著者プロフィール

慶應義塾大学SDM研究科教授・ウェルビーイングリサーチセンター長、一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事。1962年山口県生まれ東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、キヤノン入社。カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年より現職。『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ウェルビーイング』(前野マドカ氏との共著・日経文庫)など書著多数。

「2023年 『実践!ウェルビーイング診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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