時知らずの庭

著者 :
制作 : 成沢栄里子  細川 佳 
  • ビーエル出版
3.14
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本棚登録 : 61
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776408048

感想・レビュー・書評

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  • 内容紹介:
    「時知らずの庭」は、とくべつな庭。ほかのどこにもない植物がたくさん育っている。見習い庭師のリスのホップは、謎めいた植物たちが起こす、ちょっと変わった問題を解決することになり…。

  • 表紙のイラストも話の内容も登場人物もみんなかわいくて良かった!!

  • 日本の作家さんなのですが、まるで外国にいるかのような世界感。絵もステキです。

  • リスのホップは、庭師見習いとして「時知らずの庭」という不思議な庭で修業をすることになる。

    とてもやさしい物語。時知らずの庭にそだつ植物は、不思議で心惹かれるものばかり。ホップが不思議な庭にだんだんとなじんでくる様子や、ほかの動物や植物との出会いが連作短編のようでさくさく読める。おもしろかったし、雰囲気はとてもすきなんだけど、最後までその調子だったので終わりがちょっとあっけなくて残念。それぞれのエピソード自体は満足なんだけど、物語のおわりにかけて、庭の主人のアナグマのイドさんのことや、時知らずの庭自体のことにもっと深くふみこんでほしかった。時知らずの庭の話はもっと読みたいので続編とかあればいいのになと思う。

  • この世ではあり得ない不思議な植物ばかりが集まる庭、「時知らずの庭」。この不思議な庭を世話する庭師がアナグマのイドさん。そこへ新入りのリスの庭師、ポップがやってくる。修行中のポップが体験するちょっと不思議な話が10話。
    登場人物は皆、擬人化された動物、いや、動物化された人間たち。植物の不思議な性質と人の世のありふれた悲しみや優しさを結びつけ、読み手の心をほっこりさせるエピソードが並ぶ。
    文体は、低学年から読める優しくてわかりやすい文体。でも「おはなし」としての面白さは大人が読んでも存分に味わえる。
    この本の作者は、根っからのファンタジー書きなのだなと感心し、羨ましく思う。
    表紙の絵を見てはっと思いついたのだが、「時知らずの庭」は異界は異界でも、黄泉の国に近い世界のような気がする。庭を闊歩する居候のドードー鳥は本来なら絶滅してしまった種だし、そこの世話人である庭師イドさんはほとんど庭から出ず、外界とのつながりは、新入りのポップが受け持っているのだ。
    ポップは主人公として読者の目となり耳となるだけでなく、異界(時知らずの庭)と現世(まわりの町や村)を行き来して、異界に活力を吹き込む貴重な橋渡しの役目も果たしていることがわかる。これは人の内面と外の世界の比喩でもあって、まさにファンタジーらしく、大変奥が深い。

  • 主人公のリスのホップは他人のために動ける素敵なリスだった。色んな動物が仲良く暮らす世界って理想やなと思う。誰もが何かを諦めたり求めたり幸せになりたいなかで、ホップがドードー鳥のキミドリにしたことはワタシの目の奥をすこし刺激しました。絵も素敵なのでもう少し中に挿し絵があれば子供は喜ぶような気もしましたが、読んでいる間幸せになれる素敵な児童書でした。

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著者プロフィール

東京都に生まれる。『ニコルの塔』でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「青の読み手」シリーズ、「歴史探偵アン&リック」シリーズ、『夢とき師ファナ』『時知らずの庭』『ウパーラは眠る』など、翻訳に『リスベート・ツヴェルガーの聖書物語』などがある。

「2023年 『黒の皇子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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