かべのむこうになにがある?

  • ビーエル出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776408161

作品紹介・あらすじ

おおきなあかいかべがありました。いつからなのかどうしてなのかだれもしりませんでした。ちいさいねずみはおもいました。「かべのむこうになにがあるんだろう?」

感想・レビュー・書評

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  • 〝大きな赤い壁がありました。 何処までも、ずうっと続いていました...何処から何処まで続いているのか、誰が、いつ、どうやって造ったのか、知っている者はいませんでした...でも、知りたがり屋の小さなネズミは違いました 「不思議だな、気になるな。この壁の向こうに、何があるんだろう?」...〟ドイツの絵本作家ブリッタ・テッケントラップが、心の中の壁をも乗り越えて、自由世界に飛翔する〝勇気ある人たちと壁のない世界〟への熱き思いをこめて、歪められた社会へ警鐘を鳴らす大人の絵本。

  • どこまでも続く大きな赤い壁。
    いつからなぜあるのか誰も知りません。
    「かべのむこうになにがあるんだろう」
    ねずみは思います。

    壁は私たちを守ってくれているというねこ、
    昔からあって、その存在を不思議に思わないくま、
    難しいことを考えなければハッピーでいられるというきつね、
    壁の向こうは闇だというらいおん…

    ねずみは壁の向こうからやってきたという空色の鳥に乗ってとうとうそとへ出ます。
    そこはあざやかな美しい世界。
    帰ってくると壁はなくなっていたのでした。
    「かべ?そんなものは はじめから なかったのさ」

    この壁のような存在を感じることは、生きていく中でよくあることだと思います。
    壁の中で満足して暮らすか、一歩踏み出すか、見える景色が変わってきますね。

    絵本ですが、比ゆ的な内容を考えると、小学校高学年くらいから響くのではないかと思います。

  • 「はじめから壁なんてなかったんだよね。」

    今日、読み聞かせをしたら、こどもたちからこの言葉をもらいました。
    何度も何度も読み返していました。

    自信を持つこと、勇気を出すこと、
    ぼくが持っていた不安って、なんだったんだろう。
    跳ぼうと思った。やっぱりぼくはぬるいのかもしれない。
    生きることを、舐めてるわけではないけれど、
    リセットできない現実へ跳び出すことができなかった。
    自分が傷つくのが怖いからなのか。
    相手が傷ついてしまうのが怖いからなのか。

    ぼくの場合は、完全後者だ。
    ぼくなんかと居るよりも、もっと幸せにしてもらえるって
    なぜか卑屈になってしまう自分から逃れられない。
    それはぼくのことを好きだと言ってくれる人をも
    傷つけてしまうし、失礼なことだってわかってるけれど、
    ぼくにはそれがどうしてもできない。

    宇宙は幸せになることを止めはしない。
    余計な力が働かない限り、進み続けるのだ。
    だから、ぼくは導かれるままを信じてしまう。
    どうしても我慢してしまう。

    世界は閉ざされてしまったのかと思う曇天でも
    太陽はちゃんとそこに居続ける

    自分の気持ちをちゃんといわなくちゃ
    春は永遠に来ない気がする

    壁の向こうをもっと見たい。

  • ちいさくても秘められているおもいで道をきりひらき、まわりもかえてしまうパワーがすてきです。

  • これはすごい!
    壁の正体、心理をつっつく!

  • 今年度の課題図書。
    絵本だけど高学年対象にしてくれてよかった。
    大人も読んでみてほしい。
    美しい絵を見ながら、素直に受け取って
    心の基礎に置いてほしい。
    現実は、と言わずに
    この方向に向かえるよう考えるのが
    大人のするべきことではないのかな。

  • 31年度高学年課題図書

    これは〜〜高学年に勧めたい!
    絵本? と訝しんだけど、高学年にこそ読んでほしいな。
    みんななら何が「壁」の比喩になっていると思うかな。

  • レオ・レオニにタイプが似てるけど、ちょっと説教くさいかな。だから課題図書かも。

  • どこまでもつづく大きな赤い壁がありました。
     そして、「かべのむこう」を知りたいと願う、勇気あるねずみがいました。

  • 壁の向こうに何があるのか気になったネズミさんの物語。

    壁に囲まれていて、何があるのか誰も知らない。ある日、外から来た鳥さんに外に連れ出してもらって……


    壁は『心の中にあった』という作品。
    分かりやすいし、絵柄も可愛いので好き。壁の外がカラフルな絵なのもいい。

    ふっと心が軽くなるような絵本。

    壁の中のくたびれたライオンは『壁の外は闇だ』という。でも、最後の最後から出てくるというのもいい。「こわくてくらいやみ」の世界だと思ってた壁の外へ勇気をもって踏み出すと「すばらしい」世界へと変わっていく。

    子供向けの可愛い本だけど、こういうのは大人の方がぐっとくるような気がする。
    子どもの頃なんて『壁』と言われてもよくわからないくらいに『自分の世界が全て』なのだから。
    むしろ、壁を感じるようになるのは成長してから。

    そんなわけで疲れた大人になってしまってる私は心に刺さってしまった。

    絵本、いいなぁと思う。

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著者プロフィール

ドイツ・ハンブルグ生まれ。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。夫と息子とベルリンで暮らしている。日本で訳された作品に『とらさんおねがいおきないで』『おなじそらのしたで』『おおきなおおきな木みたいに』『いえがあるっていいね』『かえりみち』(以上、ひさかたチャイルド)『いのちの木』(ポプラ社)、『かべのむこうになにがある?』(BL出版)など多数。

「2023年 『つきはかがやく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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