タコの才能 いちばん賢い無脊椎動物 (ヒストリカル・スタディーズ10)
- 太田出版 (2014年4月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778314026
作品紹介・あらすじ
8本足に3つの心臓をもち、変幻自在に皮膚の色を変えられる不思議な生物タコ。太古の昔から人間はタコに魅了されてきた。長年の研究にもかかわらず、その生態はいまだ謎に満ちている。狩りの達人であり、人の顔を見分け、過去の行動を記憶し、パズルを解くこともできる。タコの奥深い才能は、いったいどこまで広がるのか?謎に迫るタコの生物学、驚くべき能力に着目した科学研究、4000年におよぶ人類との歴史、そして世界各地の文化を網羅。タコのすべてがわかる「タコ学」決定版。
感想・レビュー・書評
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タコ いちばん賢い無脊椎動物
キャサリン・ハーモン・カレッジ
日本人にとって身近な生物である「タコ」の謎に迫る本。地球上の全生物の95%を占める無脊椎動物のうち最高の頭脳を持つと言われるタコの、未だに謎が多い生態や最新の研究成果を紹介する。作者は動物ジャーナリストであるため、生物学者のみならず、イタリアのタコ漁やギリシャのタコ料理店等も取材し、食材としてのタコ文化にも迫っている。
以下印象に残った事を列挙
・イタリアのヴィゴという町がタコの一大集積地である
・タコには心臓が三つある。また、タコの血にはヘモグロビンではなくヘモシアニンが含まれているので青い
・タコが自由に擬態できるのは皮膚に色素胞と呼ばれる色を出せる細胞があるため。他にも、光を反射できる虹色細胞や反射しない白色細胞も持つ。アメリカ海軍もタコの皮膚の研究をしている
・タコは飼育員の見分けがつくほどに賢く、気に入らない相手に墨を吹きかけることもある
・タコの腕には神経束があり、脳を通すことなく動かせる
・タコの吸盤は着脱をタコの意思で自由に行える上、一つ一つを独立して動かせる
・タコは寿命が数年しかなく、殆どの時間を孤独に過ごし、交尾後は間も無く死ぬ
タコについては人並みに知識があるつもりだったが、読んでみると知らない事ばかりだった。これほど面妖な生物が平気な顔をして海を泳いでいるのは驚くべきことだ。後書きには本文中で言及される動画のURLが載っており、タコの擬態等の様子をより詳しく見ることができる。
作者は本文中でタコについての書籍やキャラクターによく言及しているのだが、中でもアリストテレス『動物誌』からの引用が多い。『動物誌』は未読なのだが、アリストテレス=タコマニアのような印象が自分の中で出来上がってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・タコは心臓が3つある(2つは補助的なものだが)
・吸盤だけでもうごかせる(腕を動かさず、吸盤使ってバケツリレーみたいなことができる)
・腕には味覚・視覚がある
・寿命が短い(だいたい数年)。雄雌子孫を残すと死んでしまう。
・子供を作る時以外は1匹で生きている
だそうだ。
本文は、どうでもいいようなこと、同じようなことをだらだらと書いていて、読むのがかったるくなった。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/472426040.html -
単体の動物学はどうもジャーナリストによるエッセイ化の餌食になりやすい。
生物を深く掘り下げるのではなく、筆者がどこでどういう研究者や漁師に出会い、何を見聞きしたのかを語る構成は、
読みやすくはあるのだが印象でしか語られないため確実性・正確性に欠ける。
「タコは心臓が3つあるらしい」とか「脳以外の部分も使って触腕を正確に動かすらしい」とか「交尾・産卵後はすぐに死ぬらしい」ぐらいの曖昧でなんとなくの知識ならば得られるので、そういうものとわりきって諦めて読むならば、時間つぶしに出来ないほどひどい本ではないだろう。 -
2015年8月新着
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我が家には「たこちゃん」(そのまんま!)というメンダコのぬいぐるみがある。
いろいろ細かい設定はあるのだが、それはともかく、そんな愛すべき「たこちゃん」、実は謎多き生き物だという。
食べるのも美味しい、見ても可愛い、それにくわえて、とても賢いタコ。
一体タコとはなんなのか?
タコの魅力と謎、そして人間の生活にもたらす影響まで網羅、いや、蛸羅した本書。
タコの世界へようこそ!
タコには心臓が三つ、血液は青い。
なんと、まずそこから驚きだ。
ふにゃふにゃと柔らかい体は、突起を出してイガイガした雰囲気もだせるし、色だって変えられる。
それなのに、タコは色盲だというのだ。
いや、本当は色覚に異常があるのではなく、人間にはわからない波長のものが見えているのではないか?
シャコですら12色、に加えて偏光も感知できるそうだ。
生殖の仕組みもまだ完全解明には至っていない。
しかも、タコの寿命は驚くほど短い。
だから、タコは養殖されていないのだ。
いつかは近大マグロのように、養殖される日が来るかもしれないが、それまでタコは乱獲せず、謎の解明のために保護することも一定程度は必要であろう。
知れば知るほど不思議なタコ。
先日の夕飯はキムタコ(キムチーズタコ)にしたのだが、中々感慨深いものがある。
身近なのに謎だらけのタコ。
我々はタコ足の迷路にどうも迷い込んでしまったらしい。
研究はまだまだ続く。
いつかそれを応用しようとしているが、我々人類にはタコが日常的に行っている行動すら真似できない。
タコ、恐るべし!
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読んでいてタコが愛しくなる。タコ飼いたいなあ、と思わせてくれる本。そして食べたくもなる。
タコのもろもろの知識が詰まっている良書なんだけど、なんかエッセイ風・文学風の記述が妙に多いのには違和感。別に嫌なわけじゃないけど、こういう記述をなくせばもうちょい薄い本になれたのでは? -
タコについて広く紹介している。
タコ自体のこと、そこから派生される研究のこと、タコの環境のこと…
ただタコ触手のエロについて、日本で流行っていると紹介されてて、顔が微妙になってしまった( ̄- ̄) -
【新着図書ピックアップ!】タコの身体能力、知力に愕然!あのパウロ君が生きていたら、今回のW杯をどのように予想していただろう。
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Do you know that octopus have superior intellectual power?