その怪文書を読みましたか

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778319007

感想・レビュー・書評

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  • 2023年春に渋谷で開催された、考察型展覧会「その怪文書を読みましたか」。
    展示された怪文書100点以上を収録し、書籍化。


    お化け屋敷のプロデュースなどを行うホラーカンパニーの株式会社闇と、怪談作家の梨さんが仕掛けた考察型の展示会「その怪文書を読みましたか」の書籍版です。
    この展示会行きたかったけど行けなかった……!!

    街中などに貼られる「怪文書」。多くは意味不明な主張をしたり、誹謗中傷や被害妄想など、根拠が不明なものが多いと思われていますが、本当にそうなのか?
    その裏に隠されているものが何かあるのではないのか? そんな考察が出来る1冊です。
    書籍版だとネタバレに近いQRコードなどが載ってしまっているのですが、実際展示会へ行った方のレポなんかを読むと、現地へ行った場合だともっと考察の余地がある雰囲気だったようです。
    書籍版出て嬉しかったですが、やっぱり現地行きたかったなあという気持ちが増しました。

    怪文書に関係するホームページなどが実際に閲覧できるようになっていたり、精神的に追い詰められた雰囲気を感じるフォントや筆跡など、当然ではあるのですが怪文書に対する解像度が高くて、現実と非現実の境が曖昧になる感じがとても楽しい。


    ちなみに、株式会社闇さんのホームページも凝っててとても面白いのでお勧めです※音量、及びホラー苦手な方は注意

  • しばらく買えない時期があるほどの人気作?

    街中に貼られている「怪文書」がテーマ。

    自分自身は「怪文書」には出会ったことがない。
    でも、数年前に、精神的に病んだ方が、侵略者に襲われる、と必死に何かを振り払っているのを見てから、現実とフィクションの境目って何なんだろうなと考えたのだった。

    一見、普通のチラシや手紙に見えて、よくよく見れば、文言がおかしい。
    そんな、ちょっとゾッとするような「怪文書」は、私の近くにあったりするのかな。

  • 街中やポストに時折現れる意味不明な主張や文書を集めた本。統合失調症という言葉でまとめれば簡単かもしれませんがその主張はどう形成されていくのか?考えずにはいられないものばかり。とはいえ深読みは厳禁かもしれません。なぜならそれが分かってしまったらもはや…

  • 怪文書を読み進めることでそれぞれがつながっていくのは面白い。
    考察して楽しむのがよいですね。

  • 昨年開催されて話題をまいた、「その怪文書を読みましたか」という展覧会の書籍化である。

    著者のホラー作家・梨が趣味で収集したという怪文書100点以上が収録され、解説が付されている。

    怪文書といっても、「政敵を追い落とすためにバラまかれた中傷の怪文書」というたぐいはゼロ。何らかの狂気にとらわれた人たちがものした、「電波系」の怪文書ばかりである。

    読んでいると、ぞわっとする恐怖が心に湧き上がる。ホラー小説より怖い。
    強い癖字の怪文書も怖いが、異様なほど達筆な怪文書も、それはそれで怖い。

    奇書のたぐいだが、意外にしっかりとした作りがなされている。

  • 今年の3月に渋谷で開催された展覧会での資料をまとめた本。資料は怪文書ばかりで(中には動画もあったみたいだけど、画像として掲載されていた)、何か文章が載っている訳ではなく、展覧会の図録みたいな趣きの本でした。
    怪文書は梨さんが収集されたという設定らしくて、色んなパターンの怪文書が掲載されていた。怪文書はそれぞれ、お誘いパターン、助けを求めてるパターン、注意喚起してるパターンなどがあり、中にはほんとによく分からないものも混ざってるので、ずっと見てるとしんどくなってくる。。あと、怪文書に怪文書で答えてるみたいなやつも見受けられたりしました。意図的なのかな…分からないけど。

    関連資料として、いくつかQRコードが載っていて、アクセスすることでも更に楽しめました。私は洒落怖のスレが面白かった。流れが自然で、実際ありそうにも思えて、それがちょっと怖くて良かった。

    ビデオレターの資料は掲載画像では何かよく分からないままだったので、これにもQRコードで、実際展覧会で流れてた音声付き動画を用意して貰えると良かったのにと思ってます(展覧会行かれた方のXを漁って、どんなんだったか知りました)。

    3にしたのは、考察すごく好きという訳でもないので。もう少し読み物的な要素も含まれてるんじゃないかと、読む前に勝手に期待してしまっていたのも悪かったのかもしれない。すみません。考察好きな方にはハマる本だと思います。

  • 展示会にて披露され怪文書をまとめたもので、章ごとに区切られバラバラのようで、なんだか同じ流れをうっすらと感じる。
    狂気とか怖いっというヒヤリ感はなかったので、楽しめた一冊。

  • なんだろう、怪文書がだんだんポエムに見えてきた。
    不気味さとかはなかったかな。

  • 助けて妖精さん

  • 渋谷で開催された展覧会の書籍化。かなりの数の怪文書を見ていくフォトブックのようだが、章ごとにテーマがあり収集者によるコメントが差し込まれている。我々読者はそれを見ながらいくつかの共通点に気づいていき、考察させられていく。書籍でも十分面白いのだが、展覧会に実際に行けたら最高に面白かったと思う。本書ではある程度整理されたものを一気に読むことができるためよほど察しが悪くなければ誰でも同じような答に行き着きそうだが、現場で仲間と頭を捻るような見方ができたらまた違ったかもしれない。怪文書の作り方が上手すぎる。

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著者プロフィール

インターネットを中心に活動する怪談作家。日常に潜む怪異や民間伝承を取り入れた作風が特徴。主な作品に『かわいそ笑』(イーストプレス)、原案『コワい話は≠くだけで。』(KADOKAWA)などがある。そのほか、2021年10月よりWebメディア「オモコロ」でライターを、BSテレ東「このテープもってないですか?」で一部構成を担当するなどあらゆるメディアで活躍している。

「2023年 『6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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