発見! 不思議の国のアリス;鉄とガラスのヴィクトリア時代

著者 :
  • 彩流社
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本棚登録 : 60
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779123092

作品紹介・あらすじ

『不思議の国のアリス』の
物語とイラストをたどって見えてくる
ヴィクトリア時代の文化を解説!

【本書の特色】
★オールカラーで図版豊富!

★切手/時計/ロンドン万国博覧会/
フラワー・ショー……など、
テニエルのイラストから当時の文化を知る
新しい『アリス』の読み方!

★『不思議の国のアリス』のストーリーマップ、
ヴィクトリア時代の年表、ルイス・キャロルを知る
キーワードなど、内容盛りだくさん!

アリスファン
も楽しく学べる
一冊です!

オールカラーで見て楽しく、読んで発見! 中身をご紹介♪

感想・レビュー・書評

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  • 「不思議の国のアリス」が書かれたヴィクトリア時代。
    産業革命の産物と人々の生活の変化は、物語の中にも深い影響を
    与えていた。それらを紹介しながら“アリス”の世界を探る。
    ・ヴィクトリア時代の基礎知識
    ・ルイス・キャロルとテニエルについて
    第1部 移動の文化
        第1章 広がる空間
        第2章 アリスで発見!?ヴィクトリア時代の文化ー移動編
    第2部 視覚の文化
        第1章 見せる空間/魅せる空間
        第2章 アリスで発見!?ヴィクトリア時代の文化ー視覚編
    第3部 競争の文化
        第1章 生き物たちの集まる空間
        第2章 アリスで発見!?ヴィクトリア時代の文化ー競争編
    ・キャロルにまつわるエトセトラ・・・
      日本語訳の比較、ヴィクトリア時代の年表、キャロルの作品等。
    豊富なカラー画像。コラム、引用・参考文献有り。
    ヴィクトリア時代の生活や文化の変化は“アリス”の世界に
    どのような影響を与えていたか、という視点で語られています。
    産業革命の産物である鉄道や時計は、移動と空間、時間の観念に
    変化を与え、ガラスは通してモノを見る視覚文化を産み、
    進化論は生存のための生物の進化が競争の文化に繋がるという。
    また、この時代に現れた地下鉄、温室、ダンディー、万国博覧会、
    動物園、偽装食品、様々な生き物と自然回帰、階級制度の変化、
    スポーツ等が、“アリス”の文やテニエルの挿絵に盛り込まれて、
    物語を彩っているかがわかります。コラムも重要!
    読み易くてカラーの画像が多く、“アリス”の世界と
    ヴィクトリア時代の双方を楽しく学べ、多くの発見がある一冊です。

  • ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1865)を繙いて
    その時代=ヴィクトリア朝(1837-1901)の英国の文物を
    概観しようという、図版満載の文化史の本。
    輸送機関の発達で人や物の移動がスピーディになり、
    工業化によって様々な品物が巷に溢れ始め、
    大きく変化した社会の只中に身を置いていた人々は、
    兎の穴に落ちたアリスのように「めくるめく」体験をしていたはずで、
    そんな情景・気分が伝わってくる、コンパクトだが中身の濃い一冊。
    ガラスの量産が可能になったことで、この時代に
    ウィンドウショッピングという愉しみが誕生した……等々、
    なかなかに目から鱗。
    「A Mad Tea-Party」という章題と本文の、
    訳者による日本語文の違いを比較するページも興味深い。
    ちなみに、脇明子先生の訳は「めちゃくちゃお茶会」、
    亜紀書房版で「気がふれ茶った会」と翻訳された高山宏先生は
    「テーブル・コーディネイター」(『アレハンドリア』p.113)
    においては「くるくるぱあティー」とお書きになっていた。
    「キ」で始まる Japanese four-letter word 回避作戦の凄さ(笑)!

  • 違った視点から読めると思ったので選びました。

    • myknakaさん
      ビクトリア時代の文化をアリスと共になんですね。
      ビクトリア時代の文化をアリスと共になんですね。
      2020/05/31
  • 面白い!不思議の国のアリスの奇妙感てのは、ビクトリア時代感と無縁ではないという解説は妙に納得できるし、奇想天外なだけの話ではなかったのだと思うともう一度読み直したくなる。

    と、同時に当時のイギリスの様子も楽しく知ることができるという本。ビクトリア時代、面白いかも…。

  • 作品分析箇所がかなり断定的なのには疑問だが、作品の書かれた時代背景が知れて面白かった。

  • オールカラーで読みやすい本。
    不思議の国のアリスを読んだことがなくても大丈夫。
    イギリス、ヴィクトリア時代のことがよくわかる。
    思わず、へぇへぇへぇを連発。
    アリスって、こんなに時代を取り入れてたんだっと、
    ちょっとびっくり。
    創作なんだけど、物語から時代も読み取ることができちゃうんだって、ルイス・キャロルすごいっみたいな。
    最後の日本語訳を比較してみようのコーナーは、おもしろかった、お茶会のシーンなんだけど、こんなに雰囲気が違っておもしろいとは。
    こういう本を読むと、本編も読んでみたくなる、きっと頭に浮かぶ情景は、今ならヴィクトリア時代?(笑

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著者プロフィール

てらしま・さなえ
東京大学大学院 総合文化研究科・地域文化研究専攻
修士課程修了(2010年)。専門は英米の文化研究。
現在、日本女子大学兼任講師。
主な著書に、共著で
『映画で読み解く現代アメリカ―オバマの時代』
(明石書店、2015年)、
『エスニック研究のフロンティア』(金星堂、2014年)、
『アフリカ系アメリカ人ハンディ事典』
(南雲堂フェニックス、2006年)、
『カリブの風―英語文学とその周辺』
(鷹書房弓プレス、2004年) など。

「2017年 『発見! 不思議の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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