米原万里を語る

著者 :
制作 : 井上 ユリ  小森 陽一 
  • かもがわ出版
3.68
  • (4)
  • (10)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 108
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780302790

作品紹介・あらすじ

作家はいかに生まれ育ったか?その類い稀なる魅力とは何か?実妹と義兄弟が愛をこめて語る米原万里万華鏡。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 有名人や芸能人や作家などが自分の心を奮い立たせることに関係があると言う体験は、後にも先にもこの人しかない。
    激しい気性と裏腹な繊細さと慎重さをもち、
    生まれ持った独特の感性でエッセイを綴った米原万里という人がまた少し見えてくる仕組みになっている。

    私ははじめに、を読んだだけで泣きそうになり、前回はそれで読むのをやめてしまった。
    読んでしまうのが惜しくて。
    今回は電車で目を潤ませながらも読み続けたが、
    米原万里という人にどうしても会いたくなった。

    『不実な美女が貞淑な醜女か』を再読しはじめた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「生まれ持った独特の感性で」
      感性や鋭い視点って、どうやったら身に付くんだろう?と思いながら読んでしまう米原万里。
      著作は片っ端から読みまし...
      「生まれ持った独特の感性で」
      感性や鋭い視点って、どうやったら身に付くんだろう?と思いながら読んでしまう米原万里。
      著作は片っ端から読みましたが、この評伝?は知りませんでした。図書館に予約しなきゃ!
      2013/07/19
  • 米原万里さんのエッセイにたまに出て来たプラハでのロシア学校の日本人後輩であった陽ちゃんとは?と探し当てたら、小森陽一さんだった。そして妹の、ユリさんはじめ、義弟の井上ひさしさん他義兄弟⁈が米原万里を語る。本当にパワフルでこれは?と思ったらとことん突き詰める探究心、ユーモア性、捨て猫犬を見るとほっとけない慈悲あふれる人柄、などなど。一近しい人達がエピソードも交えながら率直に語っている。

  • 米原万里ファンとしては、たまらない本である。
    実の妹 井上ユリから みた 米原万里。
    『不思議』で『変なヒト』で、『集中力のあるヒト』
    とにかく、とことん極めてしまう。
    その上、口が悪くて、ジョークに富んでいて、
    ストーリーテラー。

    井上ひさしが 評価する。
    『細心、慎重、大胆、極端』
    1 通訳論を確立した
    2 エッセイスト 
    真実に対して誠実。正義に対して率直。チカラあるものに辛辣。めちゃくちゃにおもしろい。
    3 ロシア人よりロシア語ができて、日本語が上手。
    その周辺の歴史に造詣が深い。
    4 日本を批判しながら、日本を愛していた。
    この4つが 米原万里のすごさ。

    吉岡忍
    物事の本質を的確につかみ、本質からズバリ入っていく。
    つらい過去を背負ったニンゲンの瞬間の輝きを描く

    金平茂紀
    時代の変化の中で 言葉の重みを理解していた。

    小森陽一
    『記憶のヒト』『工夫のヒト』『発明のヒト』
    『外なるヒト』『コンプレックスのヒト』
    『奇想天外のヒト』『想作のヒト』
    『核心をつかむヒト』
    『変とおもしろいを合わせもつヒト』

    つくづく、惜しいヒトをなくしたのだと思う。
    美人薄命 佳人薄命 とはよくいったモノだ。

  • 2012年12月27日購入。

  •  米原万里氏は、2006年5月に逝去。この本に出会って、はじめて井上ひさし氏が義弟関係にあることを知りました。ユニークなエッセイを書くことと、その本のタイトルに驚きます。お父上が共産党の関係で、子ども時代を姉妹でチェコの学校で過ごすという大変な経験を経ています。ゴルバチョフやエリツィンを手玉に取るほどの、人間的にも大きな通訳者。彼女の足跡を、身内ともいえる人たちが、愛情をこめて語っています。中に、TBSのディレクター(筑紫哲也のデスク)は、ひどい。正義を語るだけで、つまらない建前ばかり語っていたのが、苦痛。小森陽一氏は面白い。

  • 米原さんの近しい人達ばかりで語られた米原万里これを読んで 今までエッセイなどで触れた部分から想像していた人物像に烈しさがプラスされた亡くなられた今となってはちょっとしたこと(好みや気性など)を知るだけでも嬉しい

  • 稀有の人だった万里さんの思い出を、妹さんと仲良かった男たちが、
    万里さんの回顧展イベントで語った収録本。

    ユリさんは井上ひさし氏の奥様で、この本の編者でもあるけれど、姉への敬愛の深さが
    随所に感じられました。


    日本史上初めて通訳論を確立した人、卓抜なエッセイスト。

    日本人的ではないけれど、ロシア人でもない人。そんな彼女の私的な部分を楽しく知ることができる。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上ひさしの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×