劇画家畜人ヤプー【復刻版】

  • ポット出版
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780801439

感想・レビュー・書評

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  •  30分程度でパラパラ読んだので正当な評価を下さる自信はないが、なんというか「下品」という一言に尽きる。内容に関してはマゾヒズム色が非常に強く、ここで書くのも憚られる内容である。筆者がこの本を書く経緯や時代背景を詳しく知らないのだが、今なら完全にアウトであろう。なんなら、現代のポリコレの対義語はこの「家畜人ヤプー」といっても良いと思う。 
     まあこのように悪い評価を投稿しているが、かくいう私もこの本の内容がヤバいという評判に惹かれて読んでしまったので、一定の魅力がある点は認めざるを得ない。しかし、読了後の評価はまぁ読んでも読まなくてもいいかなという感じである。
     さて、この本の構成に関してだが、ストーリーと並行して、それを補足する形で途中に様々な日本人を改造した説明文や日本人が奴隷化するに至る人類学的証拠の論文のようなものが散在している。それらのいずれも衒学的で説得力に欠けると言いたいところだが、まぁその適当さを愉しむのも一つである。
     内容であるが、まぁ違和感を多分に感じるが、一番は発展した文明であるはずの登場人物達があまり譲歩を使わずに、一方的な決めつけや押し付けの言葉を使う所が引っかかった。一つの答えがあると信じて疑わない人達が登場人物なので、もしこの場に自分がいたら喋ってても話通じないだろうからイライラがたまるだろうなという想像が膨らむ。
     だが、もしそのような態度をとる人物をわざと登場させることで、実は読者の白人社会や人種差別に対するある種のアンチテーゼを煽ることを裏テーマに筆者が考えていたのならば、なかなか風刺が効いていて面白い。

  • 途中途中に用語説明を載せてくれているけど、その説明文が毎回長すぎたので飛ばしながら読んでました。
    がっつり人種差別の内容だけど、面白かったです。最後の結末は、「そうなっちゃうんだ」と驚きました。
    絵のタッチがいい味出してますね。

  • 江川達也版を読んでずっと続きが気になっていたので。
    …ってこれも途中で終わるんかい!!な終わり方。
    劇画版2も復刻されてるようなので、いつか読みたい。

  • 先に江川版よんだからかな??期待したほどの美しいほどのショッキング、グロ描写とかがあんまり感じられなかった。でもやっぱ石ノ森版もすばらしい。

  • いや、あのね。EHS人がね、リビングファニチャを足蹴にしてしなやかな肢体で宇宙を眺めるところなんかね、笑えます。

    確実に趣味を疑われる今回の投稿だけど、世界観があまりにアナロジーに富んでおり、でもそれを石ノ森の絵の可愛らしさで中和していて興味深かった。くだらない恋愛小説を読まされるぐらいなら、これ読んでた方がまし。

著者プロフィール

石ノ森章太郎

一九三八年(昭和一三)、宮城県生まれ。高校在学中に『二級天使』でデビュー後、一貫して日本漫画界の第一人者として活躍。代表作に『サイボーグ009』(講談社児童まんが賞)、『佐武と市捕物控』(小学館漫画賞)、『マンガ日本経済入門』、『マンガ日本の歴史』全五五巻(アジア漫画大会漫画アカデミー賞大賞)、『マンガ日本の古典1 古事記』など多数。一九九八年(平成一○)一月死去。

「2022年 『文庫 新装版 マンガ日本の歴史 全27巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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