- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784780801729
作品紹介・あらすじ
「女子」という生きづらさに真っ向から向き合う半生記!
ブログ「弟よ!」で人気の雨宮まみが
全国のこじらせ系女子に捧ぐ!
非モテからなぜか「職業・AVライター」になった…
その曲がりくねった女子人生を描く
怒濤の13万字!!
『モテキ』の久保ミツロウ(漫画家)氏との
特別対談も収録!
感想・レビュー・書評
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すごいネガティブで、悶々とあれこれ考える。
これは、共感します。
でも彼女のすごいのは、9・11と3・11で
急に躁状態になって活動的になったところではないでしょうか。
4年前の11月に40歳で急逝しました。
死因は事故。
もし早く発見されて一命をとりとめていたら?
彼女はその体験をバネに
また積極的な活動をされていたのではないでしょうか。
ご冥福をお祈りします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりみ&わかりみ
私も学生時代は本当に自分に自信がなくて、周りのきらきらして見える女の子たちがめちゃくちゃうらやましかった。みんながふつうにやってることができない自分。。
自分と恋愛したい人なんているだろうか?とわりと本気で考えていた。
勝手になんとなくそう思い込んでた。勝手にレッテルを貼っていた。
謎の他者目線。そういう部分が「こじらせ」で余計に自分を重たくさせていて、余計にそれがまた人を遠ざけていたんかもしれん。
自分がどうしたいかより、他人から自分がどう見えるか、他人が自分をどう見るかに意識を注力してしまう。しかし、その他人がどう見るかっていうのを、本当に自分はわかってるんか?というアレ。結局それって「他人が自分をどう思うか」と自分自身が思うことでしかないわけで。
なんとなく世の中に溢れている「〇〇女子」とかそういうラベルに自分を押し込んで安心したり。
そのラベルは完全に自分の意思と切り離されたとは言わないけれど。。。
でもそれになんの意味があるんだろう?
なんか見えない敵と闘ってたんだなあと思う。私は私であって、「〇〇女子」なんてことばでくくる必要ない。いまになったらわかる。。
私もまあまあ大人になって、随分と生きやすくなったなと思うんやけども、ここまで言語化はできない。雨宮さんはすごいな。
傷つきながら、いろんな道を歩いてきた雨宮さんがやっと気づいたことを記してくれている。
人から好かれなくたっていい。嫌われたっていい。全部自分が悪いわけではない。
人からどう思われるかを気にせず自分のやりたいように生きればいいんだっていうエール。
女子をこじらせた人たちに寄り添ってくれる本。こじらせたことなんて笑い飛ばせばいい。雨宮さんは優しい。
私も雨宮さんにありがとうって言いたいけどもう、言えないなあ。 -
異性を欲情させることが自分の存在価値だと信じた女子の苦闘を書いているが、「他者の価値観を内在させてしまった者の生きにくさ」という視点から見れば、男女を問わず多くの人の共感を呼ぶ本だと思う。
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途中読んでいて辛くなった。
頭のいいすごく真面目な人だったのだろう。 -
攻撃性はコンプレックスの裏返しだというけれど、この人の攻撃性は最終的に他者に向かってめでたしめでたしとなった。もっと自身の問題に向き合ってみて欲しかった。性的なことすら包み隠さない自己分析は素直にすごいけれど、もう一歩踏み込んで欲しかった。もう一歩踏み込めない限りそれは自己開示ではなくて自己提示で、みじめな体験や普通なら人に絶対話したくないことをいくら語っていたとしても、セルフブランディングに思えてしまう。
あと全てを「女性の生きづらさ」に帰結させるのもどうなのかなと思った。本のテーマなので仕方ないけれど……。 -
一晩で読んだ。あとがきで「(これを書くことは)デトックスだった」と語られていたけれど、こんなに自分を掘り下げて曝け出して人としてクズだったと振り返らざるを得ない思い出も書き切って、わたしだったらこんなの書き上げることなく死ぬ。私の屍を越えてほしいと語ったこの人はもういない。いない。
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AVライターの著者が、自らの少女時代から三十路の現在までを振り返った自伝的エッセイ。
「青春エッセイ」という趣。それも、さわやかで美しい青春ではなく、自分の黒歴史もドロドロした内面も赤裸々に明かした青春エッセイなのだ。
「ああー! 過去の自分マジで死んでくれ!」というフレーズがツボにはまった。私も自分の若いころを思い出すと、そう叫びたくなることだらけである。
AV業界、エロ雑誌業界の話も当然ふんだんに出てくるが、それでも女性にも抵抗なく読める感じの本だ。
頻出する「こじらせ系女子」「こじらせている」という言い方の意味が、本書を通読しても私にはよくわからなかった。
「童貞をこじらせて」うんぬんという言い方があるから「非モテ女子」のことなのかと思ったら、そうともかぎらないようだ。著者は、少女時代はともかく大学以降はいつも彼氏がいて、けっこうモテてるし……。
「腐女子」「非モテ」「メンヘラ」――このへんはわかる。でも、「こじらせガール」はそのどれにもあてはまらないようだし。
「こじらせ」の意味についてはともかく、内容はたいへん面白く、一気読みした。
著者の文章には終始軽やかな自虐的ユーモアが漂う。自分の内面を視線でグリグリえぐるように見つめ、分析していくくだりが多いのだが、それが重くも自己陶酔的でもなく、笑えるのだ。
以下、笑える箇所と印象に残った箇所を引用。
《「男にモテたい」なんて、思う余裕もなかった。それ以前に服すら似合わない。オシャレにすらなれない。恋愛や男のことなんて、そういうことをクリアしたあとで考える、雲の上の出来事に思えました。》
《行くところがなく、諸悪の根源である同郷の彼に会いに行きました。泣いているといきなりナスカの地上絵の写真集を見せられ、「コレを見てると悩みとか全部ちっちゃいことに思えてどうでもよくなるからさ~」と言われました。ナスカの地上絵に恨みはないですが、ぜんぜんどうでもよくはならなかったです。っていうかお前が! 私と! どーすんだっていう話をしてんだよ! 古代人の叡智でごまかすんじゃねえ!》
《恋愛をするということは、汚い自分を引き受けることです。まったく汚いところのない恋愛なんて、ない。どこかに必ず汚い自分の影が現れる。そのことを知らずに、自分は童貞だ処女だと、恋愛している人間を恨んだり憎んだりするのは、浅い考えです。汚い自分を他人に見られ、知られ、そういう自分に自分で気づくことは、何も知らずにいるよりもずっときつい。》
AVライターという特殊な分野の仕事を選んだことからくる葛藤を綴ったくだりも、読み応えがある。
たとえば、こんな一節――。
《ショックな出来事がありました。私を持ち上げてくれる人たちが、私のことを「美人ライター」と呼び始めたのです。(中略)「美人ライター」という言葉は、顔写真を出さないように、女ということが極力目立たないようにと思って仕事をしていた私のせせこましい努力を一瞬で水の泡にする「調子乗ってると思われるワード」でした。(中略)
応援するつもりで邪魔されている。何が美人だよ、私がAV女優だったらブスって言うだろ、しょせん「ライターはブス」って思ってるから、普通に化粧して女の服着てるだけで「美人美人」ってチヤホヤしてるだけじゃねえかよ、バーカ、と思っていました。
25年以上もずっと「ブス」と言われ続けてきたのに、手のひらを返したように「美人」と呼ばれることもばかばかしかったし、文章に見た目なんか関係ないのにいちいち見た目のことを言うのも意味がわからなかった。》
なお、巻末に『モテキ』の久保ミツロウと著者の対談が載っており、これもなかなか笑える。
久保ミツロウは『笑っていいとも!』にゲストで出たときの映像をYouTubeで見て、「この人、女芸人より面白い」と思ったものだが、本書の対談も彼女の個性が全開である。
誰か、久保ミツロウの語り下ろしエッセイを本にすればいいのに……。 -
立派な社会学の本でした。
著者が、女という枠に人生を費やして葛藤、そして答えを導くまでが書かれてあります。
三章は熱くなりすぎてる感が否めませんが、非常に面白かったです。