- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781600208
作品紹介・あらすじ
死刑、裁判員制度、精神鑑定、性犯罪、メディア、権力、国家-事件から10年、初めて明かす不条理との戦いのすべて。「光市母子殺害事件」判決文、全文収録。
感想・レビュー・書評
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本村さんが日本の死刑制度について聞かれ、「僕は法律の専門家じゃないし、死刑制度そのものを語るほどの知識を持ち合わせてない。ただ、今回の事件に関しては犯人は死刑が妥当だと思う」と答えてた言葉が印象的だった。本村さんはアドボカシーみたいになってるけど、本人が望んだことではなく、普通の人なんだなというのがよくわかる本でした。読んで良かった。
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図書館
2012/03/11 -
著者の1人は、光市母子殺害事件の被害者遺族である本村洋さん。死刑の是非について深く考えさせられる本です。判決文の全文も掲載されており、読みごたえがあります。
北九州市立大学:ペコ -
本書は「光市母子殺害事件」の被害者遺族である本村洋氏と、評論家・宮崎哲弥氏、ノンフィクションライター・藤井誠二氏による、当事件に関する鼎談をまとめたものである。
本書に掲載されている鼎談は、広島高裁における差戻控訴審判決 (死刑判決) の前後2回に分けて行われたものであり、事件について、差戻控訴審の弁護団について、死刑の是非について、脳と犯罪について、テレビについて、など三者の意見や感想が語られている。主に宮崎氏が進行を担っており、質問について藤井氏や本村氏が答える、という形式をとっている。この事件は得てして死刑推進派および死刑廃止派の論争の道具に使われてきた経緯があるようで、本書も宮崎氏が論敵を攻撃するための材料としているのでは、と若干思える。ただそれら論敵の実名が挙げられている点は彼らのスタンスを理解する上で役に立つ。
ただし、宮崎氏は死刑反対派であるが、あとがきにもあるように本村氏は彼らに深い信頼を寄せているようであり、答えにくいであろう質問にも真摯に答え、三者で建設的な議論が行われている様子が伺える。全体としては非常に興味深く読めるが、もう少し本村氏にも多く語ってほしかった、ということで★4つとする。
なお、巻末に差戻控訴審判決の全文が掲載されており、これも素人には非常に興味深かった。 -
インタビューというよりは鼎談か。
光母子殺人事件の被害者遺族である本村さんと宮崎哲弥氏、藤井誠治氏の鼎談。
メディアで見る限り本村さんは生真面目な人という印象だったけれど、それに違いはないのだけれど、自分の家族が殺されたというだけでなく、もっと広い視点から、死刑制度や法の問題、社会制度とはといったことについて、考えられていて、そんなことはぜんぜん知らなかったと思った。
この本を読んでますます死刑制度について、よくわからなくなったというか、考えても考えてもなかなか答えを決められないと思ったし、よりいっそう考えてみたいと思った。 -
本村さんの笑顔が見たいと思いました。
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光市母子殺害事件の被害者、本村洋さんとジャーナリストお二人の対談。
この事件は社会現象にもなったので事件の認知度は非常に高いです。
この本では事件から判決までの出来事を本村さんが率直に語ってくれています。
読んでいてこんなに痛みを感じたのは初めてです。
私たちは本村さんの心情を想像することしかできません。
しかしこの本から事件を知ることはできますし、知るということがとても大切だと思います。 -
2010.3.4読了。