「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781616667

作品紹介・あらすじ

AIで人の仕事が消滅する……。
研究者による「20年以内に49%の仕事が消える」との予測から、5年が経った。
その間、「AI時代に生き残る仕事は?」、「AIに負けないスキルを身につけよう!」といった話題で持ちきりだ。
AIで仕事から解放されるという楽観論、AIで職にあぶれた貧困者が続出するという悲観論。多くの論があるものの、そもそも”議論の土台”自体からして、正しいのだろうか?

○研究者は仕事現場の”リアル”を知っているのか?
○導入コストやロボッティクスの開発スピードは考えているか?
○現在の雇用体系は理解されているのか?
○AIの影響はあるにしても、具体的にどんなプロセスを経るのか?

AIによる雇用への影響が、どこからどんなペースで広がっていくかを徹底検証。
長年雇用を見つめてきたカリスマがひもとく、「足元の」未来予想図。
これからの日本にとって、AIは救世主か?亡国者か?そして確実にやって来る「すき間労働」社会とは……?
井上智洋准教授、山本勲教授をはじめ、専門家や現場のスペシャリストたちの対談も収録。
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はじめに
Chapter1. しっかり振り返ろう、AIの現実
 §1.ただいま人工知能は第3回目のブーム
 §2.ディープラーニングもAI進化の通過点でしかない
 §3.「AIで仕事がなくなる」論の研究価値
 §4.世紀の発明による社会変化と雇用への影響
 §5.プロが見たAI亡国論の妥当性
Chapter2. AIで人手は要らなくなるのか、実務面から検証する
 §1.AIで仕事はどれだけ減るか①――事務作業の未来
 §2.AIで仕事はどれだけ減るか②――サービス流通業の未来
 §3.AIで仕事はどれだけ減るか③――営業職の未来
Chapter3. この先15年の結論。AIは救世主か、亡国者か
Chapter4. 15年後より先の世界。“すき間労働社会”を経て、“ディストピア”か?
おわりに

感想・レビュー・書評

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  • AIによって雇用がなくなるという言説に対して、人工知能についての詳細な解説とともに反論を加えており、わかりやすかった。
    AIの登場後しばらくは、過渡期として仕事は簡単、給料は高い期間が続くとの主張がなされていたが、少し楽観的ではないか。例えば昨今AmazonやFacebookでAIを助ける形で働く人たち(=倉庫での仕事、Facebookで不適切投稿をチェックする仕事)の待遇はそれほど高くなく、経営層に富が集中しているように思える。
    2018年発行の本なので状況が変化しているかもしれないが、著者が予測するよりも、人間にとって厳しい現実が待っているのかもしれない。

  • 海老原嗣生の本にしては内容が薄い

  • 依頼、謝罪といった類の仕事はAIに代替不可能。

    少子化による生産人口の減少、機械化が進む。

    2035年以降、かつて先進国から途上国へと移転した工場が次々に先進国に回帰する現象が起きる可能性が高い。

  • 冷静に 

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50107608

  • 他の人の論評への批判ばかりのようで飛ばし読み

  • ビジネス本という性質上、AIの解説は大雑把感。中盤の、仕事を事務、流通サービス、営業職の3つの観点からAIによる代替についてヒアリングした部分は面白い。終盤の将来予測については楽観すぎるのではないか。

  • AIによる仕事の代替を冷静に分析した稀な本として価値が高いと感じた。以下メモ。
    ・マッキンゼーによる2017年の最新のレポートによれば、全てが自動化の対象となる職業は全体の5%未満。およそ60%の職業では、3割程度のタスクが技術的に自動化可能。
    ・AIによるプラスの効果として、AIの設計や普及に関する仕事はもちろん、生産性向上で経済成長が起これば、経済全体のパイが拡大して労働需要が増加する。
    ・女性の活躍推進は善意の活動などではなく、総合職である以上、初期投資を回収するために長く働いて貰う必要がある、という都合にすぎない。
    ・営業であれば、AIやビッグデータを新たなツールとして、より高度な合戦に移行するだけであり、仕事が減ることはない(紙がPPTに置き換わったのと同じ)。
    ・仕事が「スキマ作業」と化し、やりがいは失われる。しかし人口減少の中で人手を確保するため、高い賃金を提示する。これは、大したことをしなくても大金が手に入る」状態であり、ベーシックインカムへの緩やかな移行と見ることもできる。
    ・2040年代にはいよいよ汎用型AIが完成を迎え、一気に雇用喪失が進む。それまでの過渡期には、外国人技能実習生や留学生で不足を埋めていたが、その必要がなくなり、再び単一民族的な日本に回帰する。

  • 大きく3つの分野における将来のAI活用についての、専門家と現場で働く社員の対談がなかなか面白かった。この本冒頭でも出てくる論文を紹介しつつ、AIで無くなる仕事といった特集は確かに最近多いと感じる。そういったものに安直に踊らされないためにも、著者の主張は頭に入れておきたいと感じた。

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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