鉄道王たちの近現代史 (イースト新書) (イースト新書 34)
- イースト・プレス (2014年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781650340
作品紹介・あらすじ
二一世紀の日本でスケールの大きな経営者といえば、坂本龍馬を尊敬し、つねに「この国のかたち」の変革を目指して経営を続けるソフトバンク社長の孫正義が知られている。明治から昭和戦前の日本でも、孫に負けずとも劣らない経営者たちが、日本を世界に通用する国に変革すべく縞を削っていた。現在の日本人が当たり前のように享受している電力やエンタテインメント、インフラと、憩いを提供する観光地のほとんどは、「鉄道王」たちの周到な経営戦略によってつくられたものだった。彼らの悪戦苦闘の物語をひもとく。
感想・レビュー・書評
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国家事業として始まったが、お金がなく私鉄が出来、さらに国が買い上げ、私鉄の努力でデパートや沿線の住宅開発、リゾート開発がされた歴史が綺麗に整理されている。
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鉄道王たちの近現代史
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今年読んだ新書では一番おもしろかったです。よく知らない分野の歴史はちょっと読みづらいこともありますが、ところどころで知っている人物、建物、出来事が登場し、その関係がわかると「へえ~」と誰かに話をしたくなります。
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事業家の功績がよく分かる。鉄道史は面白い。満足度7
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近代日本の発展と鉄道は切り離せない。そんな近代日本を創りあげた鉄道王たちの物語。単なる企業家ではなく、信念をもって街を創る、施設を創る。地方都市では車の文化となってしまい、駅前よりも栄えるイオンモール、みたいな世界もあるが、都市部においてはまだまだ駅前文化が続くのだろう。
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鉄道がまだベンチャーだった頃の経営者は、着想力、行動力ともに凄いなぁとあらためて実感。池袋西武が元々京急資本だったとか(今やセブン&アイ・ホールディングスの百貨店だけど)、ウンチクも満載。
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阪急の開祖小林一三氏をはじめ、鉄道経営と宅地開発などの周辺事業が、相乗効果を狙って進んでいく様子が、一つ一つの事について細かくはないものの、多くの事例を関連付けて、読みやすく書かれていました。
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<目次>
第1章 鉄道王がつくった「この国のかたち」
第2章 鉄道と原発
第3章 鉄道と都市計画
第4章 鉄道と百貨店
第5章 鉄道とリゾート
第6章 鉄道と地方開発
第7章 鉄道とエンタテインメント
第8章 鉄道と旅行ビジネス
<内容>
タイトルは「鉄道王たちの…」であるが、内容は鉄道から見た日本近現代史である。鉄道王は主ではなく従となっている書き方である。それは章立てを見てもらえればわかる。ただ、その内容は鉄道を切り口に日本の近現代史をコンパクトにまとめたもので、わかりやすく面白いものだった(歴史好き、鉄道好きだからか?)。
一般に言われている鉄道をひくことで、さまざまな経済効果があるのだが、鉄道王たちは意図的に経済効果を(つまり自社の収入増を)狙って、都市開発・百貨店・リゾート開発・エンタテインメント(甲子園の話をもっと掘り下げてもらいたかった)などをしていったのだが、その辺を上手くまとめてくれたと思う。