増補改訂 14歳からの仕事道 (よりみちパン!セ)

著者 :
  • イースト・プレス
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781690117

感想・レビュー・書評

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  • 14歳をイメージひながら、仕事の道を自分の足で歩いていくための本。作者は労働経済学者。
    日頃安心感を与えてくれる仲間ストロングタイズも大事だけれど、うすいけど広くてゆるやかな信頼で繋がった人間関係「ウィークタイズ」を持っている人ほど転職に成功する。自分とは違う生き方をし、違う情報をもっているから。自分に向いている仕事がどうか、転職は自分に望ましいことか判断するきっかけをくれる存在。
    この本を読むきっかけになった、「自分の弱さと向き合う」章。働くことの意味は、自分がいかにダメか直面するチャンスがいちばんあることこそ働く意味、と作者はいう。的をいてて読んでて唸ったフレーズ。社会人20年目になっても、弱さばかりでめをつむりたくなる、でも、だからこそ変化を、と思えた一冊。

  • 仕事をどう捉えるかを中学生に伝える本

  • 迷うことを恐れない、これが主題の一つかと思った。あと、動き続けることの大切さ。まず動かないとウィークタイズなど生まれようもない。勉強とはわけのわからないこと、わけのわからない現実に慣れるためにすること。

  • これは素敵な本だ。誰もが画一的な就活人間になりがちな昨今、普通でいいじゃないと私は思うのだけど(そうは言っても健気に努力するのもその人の性格ならそれが普通かもしれない)、この本に書かれている価値観に強く共感します。やりたいことなど学生の時に見つかることの方が珍しい、やりたいことは見つけるものではなくて出会うものかもしれません。どんな会社に入っても、そこで自分を必要としてくれる人がいて、感謝されるような仕事をしたら、それがやりがいにもなるしやりたくもなるものですね。ちょうど面接しているタイミングで、たまたまFacbook友達がイチオシしていたので急きょ読んだのですが、悩める学生さんは一読を。と言うよりはこれは内定者に読んでもらおうかな。

  • ニートのなんやらでは事実に基づかない煽りの言説で知られる著者だけど、とても文章が上手で、若者に向けたメッセージは胸を打つ。
    いろんなところに書いたけど、社会的な地位のある人が若者に向けて真剣に話をするってシチュエーションに、僕は弱いのである。

  • 前に読んでいると思うのだけれど、思い出せない。「がんばれ」ということばはあまり使わない方がよい。とくにうつ傾向のある人には。それを、この本で読んで知っていたのか、それとも別の何かで知ったのか。ウィークタイズ(弱いつながり)という人間関係が大切ということはたぶん玄田さんの本の中で知ったはず。他の本だったかもしれない。学校に通う中で一番大事なことは、分からないことに慣れること。少し分からないからといってすぐにあきらめたりしないこと。これと同じことは、ずいぶん前から森毅の本で読んでいた。分からなさを頭の中に飼っておくのが肝心。働くことの意味は自分の弱さを自覚するということ。そして、そこに成長するチャンスがある。しかし、それだと自分のために働くということになる?本書の中ではだれかの役に立つために働くというような話は出てこなかったように思う。そこがしっくりこない。ところで、池谷裕二さんの本を読むと、何かの映像で、本人が気づかないほど短い時間、画面に「がんばれ」ということばを出すと、出さなかったときに比べて力が強くなったそうだ。だから最近はしっかりがんばれと言うようにしている。疲れ切っている人間には言わないけれど。それから、苦手な教科の勉強には、なるべくやさしくて自分で解ける問題にたくさん当たってみること。そのうちに脳が勘違いして、自分はこの教科が得意なんだと思うようになる。すると本当によくできるようになってくる。まあ、うまくそのとき、その人によって使い分けていけばよいのだろう。

    (1回目に読んだ時のレビュー、たぶん10年以上前) この本にはなぜ勉強するのかが書いてあります。それは「わけわからん」に付き合う力を身につけるため、というものです。ちょっとわからなければ、すぐあきらめて放たらかしたり、先生に聞いたりしている人が多いのではないですか。しばらく自分で悩んでみませんか。働くようになると毎日がトラブルの連続です。困った、わからん、どうしよう、そんなことがしょっちゅうです。それを乗り切るための訓練を日々の勉強を通してしているのだと考えてみてはどうでしょう。何かが起きたときにどう対処するか、そこをどう乗り切るか、そんな場面でその人の本当の力が発揮されるのでしょう。そんなとき、自分の無力さを感じることがあります。自分の弱さがつくづくいやになることもあります。でも、その自分の弱さを知っているからこそ、本当の意味で強い人間になれるのです。世界で活躍するスポーツ選手などを思い起こせば、皆そうなのではないでしょうか。働くというのは、実はその自分の弱さを知るためなのです。著者は「ニート」の専門家ということで、最近たくさんの本を出されています。その中で本書は中学生にも読めるようにわかりやすく書かれています。勉強のこと、仕事のこと、人生のこと、いろいろ考えるためにぜひ読んでみてください。ちなみに著者と私は同世代ですが、考え方も非常に近いものがあります。玄田さんのホームページ(玄田ラヂオ)もけっこう面白いかも。図書館で借りました。

  • 本書を読むと、自分の進む道がはっきり指し示されるわけではありません。喝を入れられるわけでもありません。仕事に向かう“基本的な姿勢”について、的確に、現実的な視点で教えてくれます。
    学生の方には仕事に対して前向きかつ幅広い選択肢を、既に社会に出ている人には今の自身を客観的に見つめる原点に立ちかえられる本です。そしてその“基本的な姿勢”は、仕事という枠に限らず、人と関わる全ての行為に参考になる内容です。

    「ちゃんといい加減に生きる」

  • 働くとはどういうことか。学生時代に学び養うべきものはなにか。など平易な文章でわかりやすく,納得する部分も多かった。

  • 中学生向けの本になっているけれど大人が読んでもいいと思う。
    理想主義でなく現実的な視点で書かれている。
    つまらなく仕事をする人はいてもつまらない仕事はない。
    向いている仕事はつづけられた仕事で得意な内容ではない。
    野球が得意だからってプロ野球選手になったらみんな得意、+αが必要なのよね。
    勉強はようわからんっていいながら続ける力を養う。
    みにつけるべきは専門性や個性より「聞く力」「メモをとる」「続ける」ってことなんだと思う。それさえ出来たらどんな仕事にも立ち向かえるんじゃないかって思う。でもって、仕事で大変な思いをして、その壁でじたばたするっていう経験こそ賞味期限切れにならない自分の力になるんだと思う。専門性なんか10年たったら古いからね。肝に銘じました。

  • やりたいことは「出会う」もの
    人から聞くこと。事前に調べる、「聴かせていただいている」との姿勢
    何が損で得かはわからない
    人の話をしっかり聴く
    ありがとうには感謝と同時に感動がある
    どんな仕事でどのように働いてきたかをささやかな誇りをもって語れる
    ウイークタイズのつながりを持っている人が転職に成功している
    すべての無駄な動きがなくなり、自分以外の何かに突き動かされている感覚、ゾーンに入る
    ちゃんといい加減に生きる
    働くことの魅力は思いがけない人との出会い

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著者プロフィール

1964年生まれ。88年、東京大学経済学部卒業。ハーバード大、オックスフォード大各客員研究員、学習院大学教授等を経て現職。博士(経済学)。
主著
 『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社、2001年、日経・経済図書文
 化賞、サントリー学芸賞)
 『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社、2004年、エコノミスト
 賞、労働関係図書優秀賞)
 『孤立無業』(日本経済新聞出版社、2013年)
 『危機と雇用』(岩波書店、2015年、沖永賞)
 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会、
 2017年、編著)
 ほか多数。

「2022年 『仕事から見た「2020 年」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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