- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784782801079
感想・レビュー・書評
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『探究』の邦訳本はいくつか存在しています。何かのAmazonレビューで、数冊の邦訳を並べて比較してくれているものがあって、その中で黒崎さんの邦訳が一番読みやすかったため、この邦訳・解説本を選びました。この本は出版年が古く、もしかすると現在最前線のウィトゲンシュタイン研究者からすると物足りないところがあるかもしれません。
内容はというと、なかなかに読みづらいです。『探究』という著作はあまり体系的にまとめられた書き方はされておらず、色々な話題に触れる文章がダラダラと続く感じです。一通り読み終わると、なるほど言語ゲームという発想について語るからには、こういう書き方になるしかないかもな、とも思えてきますが、読みづらいものは読みづらいです。架空の対話者との会話形式で記述されるところが多かったり、反語表現が多かったりするので、文中でどこからどこまでがウィトゲンシュタインの主張なのか分かりづらかったりします。文量も多く、読破するのに体力が要ります。しかしとても面白いです。
私はミドリムシが動物なのか植物なのか考えるための参考のひとつとして、本書を読みました。感想、学べたことなどをnoteにまとめています。(https://note.com/midori_elena/n/ncd46a00b0a3f?magazine_key=mb1d3161dcc72) -
言語ゲームの発明に拠り所を持つ意欲作。言語ゲームの限界を露にする。血縁関係で結ばれる言語ゲームは本来的に複数形。どこにも属さない孤立した歯車。いろんな視点から繰り出される圧巻の例示。素晴らしいネタ帳でもある。
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卒論その2、ウィトゲンシュタイン後期の代表作。
『探求』は『論考』の補完であり、反論意見であり、新しい方法。そして何よりもこれは、哲学と煩わしい現実から離別を図った彼が荒波に揉まれながらもまたその世界で脳髄を絞るように生きようという決意の書。