作品紹介・あらすじ
がめざす平和・民主主義・豊かさとは何か?
アウンサンスーチーに伴走してきたジャーナリストが日本政府と軍政の共犯関係を追究する。
昨年好評を得た『アジアと共に「もうひとつの日本」へ』に続き、わたしたち日本人に"平和"と"豊かさ"の再考をうながした好著。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:312.23A/N14m//K
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長年スーチー氏の取材に携わり、アジアと日本の関わりを追ってきた著者による、日本(と、日本市民)がどうあるべきかを考えた提言の書。読み始めたときは、ミャンマーの革命や日本の対応について解説した本かな、と思っていたが、もっと視座が高かった。戦後日本のアジアへの視線や、開発とはどうあるべきか、という大きなテーマの中で、今の日本政府の姿勢を位置付けている。そうすると、2021年以降日本政府が、ミャンマーの人たちの声を無視するような対応をしてきたことは、戦後からある意味一貫していたやり方だということが見えてくる。著者の主張は、終始色濃く出ているが、それを引き算しても勉強になる1冊。
著者プロフィール
1941年、東京生まれ。東京外国語大学ロシア科を卒業後、毎日新聞に入社。バンコク特派員、外信部編集委員などをへて神田外語大学教授。現在は同大学名誉教授。
著書に『される側から見た「援助」――タイからの報告』(勁草書房、1983年)、『見えないアジアを報道する』(晶文社、1986年)、『アジアはどう報道されてきたか』(筑摩書房、1998年)、『戦争報道論――平和をめざすメディアリテラシー』(明石書店、2014年)。編著に『「アウンサンスーチー政権」のミャンマー』(明石書店、2016年)、共訳書にアウンサンスーチー『ビルマからの手紙』(毎日新聞社、1996年)など。
「2018年 『「ポスト真実」と対テロ戦争報道』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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