SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡 (Kaguya Books)
- 社会評論社 (2022年8月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784784541478
作品紹介・あらすじ
SFを、もっと。
生きたまま襟巻きになるキツネ、世界を再創造する検閲、時を駆ける寿司、オレンジ様を育てる気球ドローン……知らない世界を旅してみたら、心がちょっと軽くなる。
ウェブで開催された「かぐやSFコンテスト」から生まれたSFアンソロジー、クラウドファンディングを成功させて始動!
編者:井上彼方
著者:赤坂パトリシア、葦沢かもめ、泡國桂、一階堂洋、稲田一声、大竹竜平、勝山海百合、枯木枕、巨大健造、佐伯真洋、坂崎かおる、佐々木倫、三方行成、十三不塔、白川小六、淡中圏、千葉集、苦草堅一、原里実、正井、水町綜、武藤八葉、宗方涼、もといもと、吉美駿一郎
挿画・装幀:谷脇栗太
発行:Kaguya Books 発売:社会評論社
感想・レビュー・書評
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#にゅむん 日本のSFを盛り上げようと新たに立ち上げられたレーベル。立ち会えてうれしい。
この中の「私はあなたの光の馬」がとてもとてもよかった。
子供の多くが特異体質をもって生まれる世界。それぞれの家庭が子どもの障害と共に生きる。主人公夫婦は、そんな子供を亡くしたばかりで、その子の代わりの「あなた」とともに暮らしている。
うちにも体の弱い子がいて、苦しんでるところを見るのは辛いし責任を感じる。それでも、親は明るく希望をもってポジティブにとらえないといけないと思っていたし、そうできない自分が情けなく、落ち込んでいたりした。
でもこの物語に、こどもを愛することと辛いと感じることは相反しないし、その気持をそのまま受け入れていいんだと言われたようだった。思い出しただけでも涙が出てくる。
同じ立場の親御さんに届いてほしい。
あとは「盗まれた七五」もよかった。”医療従事者に感謝の気持を届けよう”への違和感とか、コロナ禍のもやもやした空気感とその中に生きる個人がよく表現されていて、とても心に残った。
短編だからというのもあるかもしれないけど、SFを入り口にして、今・ここにいる自分に直接返ってくるような感じがある。こういうプロジェクトは大きく育ってほしい。応援します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
chapter. 1 「時を超えていく」の6作が終わったところで、もう限界、久々に途中で挫折しました。文章と文章が繋がって行かない、日本語を確かに読んでいるはずなのに、内容が頭に入っていきません。もうやーーーめた。
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瑞々しい筆致で描かれた様々な世界を渡り歩くSFC掌編集。ジャンルに囚われ過ぎず広い意味でのSFを解釈しており、幻想小説のようなものも含まれており飽きずに最後まで楽しめた。