- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784786902161
感想・レビュー・書評
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~気になる未読本紹介~
建築士会で地域の素材マップを作ることになって参考にしようと借りた本
(Recommended by Hidaka)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤森さんは素材とたたかう人だと思った。
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赤瀬川原平宅のニラハウスなどで有名な、
ヤバンギャルド建築家の元東大教授。
国分寺市のタンポポハウス在住。らしい。
吉祥寺のうめずかずおほどは近所では問題ではない。らしいが。
普通の住宅街にこんな家があると、驚く。
スレート
千年釘
漆
焼杉、
杮板、
ナラ、
クリ、
竹、
貝灰、
大谷石
聚楽土
柿渋・・・
日本の建材を探す旅。 -
時流のせいなのか何なのか、ふと自分の罪悪感にとわれることがあります。
建築家にできる最大の貢献は、建築「しない」ことではないのか。
どう頑張っても、建築を作るということは環境倫理に反するし、
科学的な角度からも好ましくないのは徐々に明らかにされつつある。
とは言え、全ての建築家あるいは建設業界を避難できるほどの人物かといえばそうでもない。
現状に甘んじず、自身を向上させたいと思うなら、先ず隗より始めよ。自分が率先してやらなければならない。
そんなことをもやもや考えているときに手にしたのがこの本。
建築史家で建築家の藤森照信さんが日本全国の建築資材としての土石草木に着目し、
訪ね歩いた記録的な雑誌連載を出版化したもの。
カバーデザインもカッコ良いし、インタビューを受ける職人さんも男の子が子供の頃憧れる姿そのものです。もうどこかのコンクリート打ちっ放し、バカの一つ覚えを無条件に礼讃する時代ではないということがこの本を読めばわかります。
まだまだ、俗世間ではないものねだりをしている人が多そうですが、こういうあるもの探しで自分のいいところを認める事が大事じゃないかなと思いました。 -
尊敬する建築家、と聞かれると閉口してしまうが、この業界で、非常に気になる人は、藤森照信と石山修武だ。
この本は、そんな自分にとって、まさに「血が沸きそう」なほど、興奮してしまうものだった。
まず、語り口がいい。そこら辺のインテリぶった風の建築家達とは一線を画す、このユルさ。
そして、言葉には経験や体験に裏付けされた重みがある。
また、この人ほど、「作る」ことを実践する人も珍しい。
よく、建築家は独創的な思考でオリジナルな空間を作り出すといわれているが、できあがってくるものは、どれもこれも、工業製品を組み合わせただけのプラモデルに過ぎない。
それに比べて、氏の手がける空間は、手作り度が高い。
はやく、コッチ側の世界に行きたいものだ。 -
素材にこだわることで有名な藤森さんが
書いた素材に関する本。
基本的に素材のことはよくわからないけど
藤森さん視点の素材の話は参考になると思った。 -
○聚楽土|京都府京都市上京区|中内建材店
○大理石|大理石|岐阜県大垣市赤坂町|矢橋大理石株式会社
村野藤吾は石については抜群の経験と見識があり、無駄のない使い方をした。巾木一つでも、削る部分が少なく加工しやすいディテールとした。
○スレート|宮城県石巻市雄勝町|雄勝天然スレート株式会社
スレートは木と同様生き物の建材。鮮度が大事。山から切り出してすぐに割らないとだめ。
○土佐漆喰|高知県南国市稲生|田中石灰工業株式会社
伊豆の長八美術館により全国に広まった。普通の漆喰はガラス繊維とのり分が混ぜられていて、ひび割れを防ぎ粘着力を増強しているが、土佐漆喰には発酵ワラ以外何も入っていない。強度と耐水性が高い。「高知市斎場」外壁、内装が土佐漆喰
○鉄平石|長野県諏訪市四賀|北澤鉄平石(廃業)
○青森ヒバ|青森県青森市沖館|齋藤木材株式会社
○ナラ|北海道旭川市|北日本木材株式会社
○茅
○竹
○漆
○檜皮
○貝灰
○クリ
○出雲流柿板
○大谷石
○千年釘
○柿渋
○焼杉
○島瓦
○台湾ヒノキ
土、石、木など、私たちが「自然素材」と呼んでいるもの。ほとんどの人は自然素材と聞くと良いイメージがあるのではないか。
それはもう漠然とした感覚で、しかし当然のように思ってきた。では、なぜそう思うのか。素材としての味があるから?既製品とは違う暖かさや複雑さがあるから?
今までなんとなくしかわかっていなかった自然素材の魅力が、この本を読んでいて突如ピンと来た。
京都の住宅の基礎のさらに下で眠りながら熟成して生まれる土、
砂がつもって、途方もない時間が経ってできる石、
静かに成長していく木々。。。
藤森さんは、この本の中で何度も「スレートは生きている」だとか、命を持たない素材に対しても「生きている」という表現を使う。藤森さん自身は「スレートは繊細な材料で、切り出した直後にスレートとして加工しなければうまくいかない、鮮度が大事」という意味で言っているのだが、私はそれを読んで、自然素材の凄さは、その生きてきた時間の長さにあるのではないか、と思った。
工業製品化された素材であってももちろん地球から採れた材料の組み合わせであることには変わりないが、人間にとって都合のいいように混ぜたり加工したりを繰り返していくうちに、いつしかその素材たちの持っていた「生命感」を失ってしまう。
自然素材によってつくられた建物が、地球に、大地に馴染むのは、それが建築になる以前にすでに何年も何百年も地球で生きてきたからなのだ。そんな風に考えて、身近にある木材やスレートなどを眺めると、なんだか感慨深い。あなたは今何歳なの?と聞いてみたくなる。若干27歳の私は、そんなおじいちゃんたちに敬意を表しながら設計という仕事をしていかなければ、なんて思った。 -
建築史家であり建築家である藤森照信。
歴史家と建築家としての目で自然素材を巡る旅に出かける。
歴史家として土着の素材のルーツを、建築家としてそれらの素材を現代の建築につかう問題に焦点をあてる。
素材の工場見学を楽しむ藤森照信の姿と
藤森本の踊るような文に時間を忘れて没頭してしまった。
文中の一節。
表現は生産を刺激する−石山修武− -
2009
皆さん読んでいますか?
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