ルールの科学: 方法を評価するための社会学

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  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787235183

作品紹介・あらすじ

ルールを作る、ルールを守る、ルールを破る、ルールに違反する――。行動の不確実性を少なくして、社会を秩序立てるために、私たちの社会にはルールがある。人々にとってルールは「常識」とも言えるかもしれないが、ルールを言語化・可視化して体系的に整備して知識として蓄積することはいかに可能なのか。

自然法則を対象とする自然科学に対して、社会学は規則=ルールを対象にする学問であると位置づけ、私たちの日常生活や所属する組織にある細かな規則から社会全体のルールまでを評価する視点やその意義を描き出す。

本書はルールとゲームの関係性など、基本的な視点を身近な事例から確認したうえで、規範理論や機能主義、構築主義、エスノメソドロジーなどの社会学の理論と本書の「ルールの科学」を突き合わせて丁寧に検証する。さらに、差別論や社会学それ自体にこれまでの議論を応用して、ルールの科学の射程を明らかにする。

【目次】

はじめに

第1部 ルールの科学の概要

第1章 自然科学と社会科学

第2章 ルールの科学の社会イメージ――ゲームとルール

第3章 ルールの理論――共有の方法としてのルール

第4章 ルールの科学の方法論と社会的意義

第2部 社会学とルールの科学

第5章 規範理論とルールの科学――盛山和夫『社会学とは何か』

第6章 機能主義とルールの科学

第7章 構築主義とルールの科学――質問・応答のゲームの探求としての構築主義

第8章 エスノメソドロジーとルールの科学――方法の探求としてのエスノメソドロジー

第9章 ルールの科学の研究方法――社会調査の再整理

第3部 ルールの科学の応用

第10章 応用研究としての『差別論』

終 章 ゲームとしての社会学 試論

練習問題――「行列」について考えてみる

おわりに

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:361.41A/Sa85r//K

  • OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002330884【推薦コメント:「社会学って何?」と思った人にはぜひこの一冊を手に取ってほしいです!!】

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50329147

  • 社会学についての本は初めてだったんだけど、結構楽しめた。

    確かに大学生時代を振り返ると「社会学部」って特に何をしているかよく分からない学部だった(一番は国際コミュニケーション学部だったけど)。
    「学」である以上、学問であり、なにか社会に貢献しなければならない。まぁ別にしなくてもいいんだけど、お金を貰っている以上何かしらの結果は必要なわけだ。
    ただ、「社会学」はその部分が曖昧で、グランドセオリーなるものすら無いというのはちょっと驚いた。つまり共通目的が無いんだな。おいおい……。

    筆者はここに「ルールの評価」を目的としていて、個人的にはだいぶ賛成できた。ルールが作られるのは「目的」のためであり、作られる以上それが「共有」されなくてはならない、というのはなるほどという感じ。前者はともかく後者は中々掴めないことだし、これを言える人は凄いと思う。
    極端な話、みんなが守るならルールなんかにしなくて良いので、行為を禁止するためでなく行為自体に境界を引くイメージがわかりやすい。だから破った人間は共同体から排除される。つまり村社会のイメージだ。(そして「村八分」なんかも完全な排除ではないあたりルールの緩衝性を表している)

    目的/ゲームの下りはどこかの哲学者を思い出していたけど、あとがきでウィトゲンシュタインの名前が出てやっぱりなー!となったり。この人、ホントどこにでも出てくるんです……。

  • 361.41||Sa

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著者プロフィール

1961年、大阪府生まれ。富山大学人文学部教授。専攻は社会学で、社会調査法、差別論、ルールの理論、問いの理論などについて研究を発表している。著書に『差別論――偏見理論批判』(明石書店)、『ルールリテラシー――共働のための技術』(新曜社)、『人工知能の社会学――AIの時代における人間らしさを考える』(ハーベスト社)など。

「2023年 『ルールの科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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