- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788504592
作品紹介・あらすじ
近年のフェミニズム潮流のなかで、は抑圧する性として指弾されてきた。本書は、の神話の起源を尋ね、その神話の解剖をとおして、の鎧からの解放を説く。
感想・レビュー・書評
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初読みの伊藤公雄氏。1993年出版ですが、今読んでもその着眼点と考察、やさしい語り口に感心させられました!男も女も、「男らしく」「女らしく」などの押し付けられた固定観念→ある種の「呪い」から解き放たれて、「生まれながら持っている その人らしさ」が回復しますように…。「生きづらさ」から解放されますように…。願ってやみません。
本書の後半に著者の結論が述べられているので少し引用します。
p187~
また、以下に述べるように、「男性性」「女性性」による抑圧から自由になる道は、現状の「男」「女」という固定的なイメージから、個々人の固有性・複数性へ向かって、自己を解放していく道以外にない、と考えているからである。
というのも、「男らしさ」の過剰な世界のなかで解放を感じる人もいれば、また、男であることから脱出することで、自分本来の生き方を発見する人もいるだろうと思うからである。性のありかたは、人間の数だけある。というより、人間の数のn倍存在しているといったほうがいいとさえ思う。そして、一人の人間のなかに、複数の性のあり方があるのは当然だという認識こそ。これからの僕たちの出発点になるのではないかと思うのだ。
それなら、この複数の性を僕はどう生きるか。とりあえず、今、僕は、この私の性の複数性を生きる覚悟について考え始めようとしている。性についてばかりではない。私そのものの複数性を生きること、つまり、「ひとつ」ではない「私」として生きるという自覚と覚悟について、考察を始めようと考えているのである。…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い。メンズリブ的なものに
初めて触れた一冊。
このような問題性を真に共感できる男性はいるのか、しかしいるんだろうな。。と考えさせられた本。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/0000072213