佐々木敏の栄養データはこう読む! 第2版

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  • 女子栄養大学出版部
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789554596

作品紹介・あらすじ

5年ぶりの改訂!
ガイドラインや栄養素、食品摂取量などの数値を直近のものに改め、内容も1話加え、合計33話としました。また、巻末の「ミニ・レクチャー 疫学・栄養疫学とはなにか?」を加筆修正しました。

感想・レビュー・書評

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  • ”EBN(Evidence Based Nutrition):科学的根拠に基づく栄養学”をベースに、本当に科学的に効果がある食事・食べ方とは何かを一般人向けに解説した教科書的な1冊。これが本当に面白く、要所要所で深くうなずきながらあっという間に読み進めてしまった。

    テーマは油、食塩、肥満、アルコールなど、誰しもが食生活において、1度は考えるような身近な、しかしながら極めて健康に影響を与える内容ばかりである。本書の徹底した特徴は、真偽が怪しいものも多い様々な食事に関する言説について、信頼性足るグローバルの栄養学の論文から、効果がある・効果はない・現時点ではまだわからない、という区分けを明確に与えている点にある。その証拠として、本書には一見、栄養学の本には見えないような膨大なグラフ類が収められており、その区分けのエビデンスが示されている。

    しかし、健康に良いという触れ込みの健康食品はなどは次から次へと出てくるが、そんなものにカネをかけるよりも、食塩や砂糖の取りすぎ(特に日本人の場合は食塩)に気を遣う方がはるかに科学的な効果は大きいということの当たり前をまじまじと実感した。エビデンスが示すのは、一言でいえば、こうした既に見聞きした昔ながらの取組に勝るものはそうそうない、ということである。

  • 栄養疫学の研究者による、世界各地で行われた大規模なコホート研究の結果を基に、脂質について、糖質について、それぞれの栄養素をどの程度摂取する/しないによって実際にどんな影響が認められたのか、などを分かりやすく解説した本。植物性油はコレステロール値に関係ない、糖質制限もあまり意味がない、など巷に溢れるダイエット本の誤りをさりげなく正している。結構勉強になった。

  • 野津あきこ先生 おすすめ
    23【教養】498.55-S

    ★ブックリストのコメント
    エビデンスに基づいた栄養学の書籍。コレステロール、尿酸、アルコールの話、必要カロリーの話など栄養指導をするときの根拠がわかりやすく整理されています。

  • 科学的な剛健さを保ちながら研究に馴染みのない人にも伝える著者の能力が光る

  • 第1版に続き気になるテーマがたくさん。
    特に中性脂肪、肥満、酒は参考になった。アルコールとの付き合い方で全部変わるな!!気をつけます…。

  • 生活習慣病である糖尿病・脂質異常症やそれの原因となる高血圧や肥満に関する栄養学がまとめてある。

    コレステロールと肥満、食塩と高血圧、お酒と糖尿病の関係が丸わかり。データの見方が少し難しかったが、新たな発見ばかりで興味深かった。

  • わからないことはすぐネットで簡単に調べられる今の時代、適切に研究されていない健康法が一人歩きしていることが多い。情報の取捨選択、受け手の目を養うことが重要だと示してくれる良本。

  • 初読

    EBN(Evidence Based Nutrition)エビデンス・ベイズド・ニュートリション、
    科学的根拠に基づく栄養学、の流れに沿い、
    しかしなじみのあるトピックを平易に書き読みやすい本。
    表紙はブリューゲル、血中コレステロールと食事性コレステロールと同じコレステロールと命名した事による混乱を
    岩井俊二のlove letterに例える取っ付きやすさw

    長年気になってた「コレステロールは少し高いくらいの方が長生き」説の解説、スッキリー!

    塩分と高血圧の関係については
    生まれてから今まで摂取した塩分量の累積で決まる、
    というのが地味にショック。なんというか
    もうすこしローソク足的な感じなのかと、、、

    エネルギー消費量が正確に測定出来るという二重標識水で計測して欲しいw
    「ダイエット」の本来の意味は「食べ物を食べること」であり「やせるための食事」ではない事は
    今更変わらないかもしれないけど、ここが当たり前になると
    色々変わるのかもね、と思ったり。
    朝食を摂らない人は太るというデータはあるのに
    具体的な原因は解明されてない、の興味深い
    しかし食べる人の方が動いて健康的なのはなんか
    体感的にわかる。
    そして中年期の肥満は危ないけどBMI20-30以降までは然程死亡率に違いはなく、
    全年齢、男女共通でやせすぎの方が危ないのも
    ま〜、体感的に理解…

    アルコール自体の血液の抗凝固作用で心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げる効果がある、というデータと共に
    J字型のくぼみは存在せず、飲まないのが1番、という
    2018年のメタ・アナリシスが併記されている…そこが知りたいのだが
    あと飲むと顔が赤くなる人の食道がん発生率の高さね、知ってた…

  • 著者の佐々木さんが文末で述べておられますが、「本書は健康的な食べ方やそれに役立つ食べ物を紹介した実用書というよりも、栄養データとはこういうものであり、こう読むのだ」ということを書いた本です。
    ネットで流れている健康情報を鵜呑みにするのではなく、やはりしっかりした学説に基づいた情報を載せた本などで情報は取り入れたいなと思いました。ネットは便利ですけどね。

  • 怪しい情報を、間違っているとも正しいとも断言せず、怪しいとそのまま示す勇気が称賛に値する。
    知らなかった情報:
    ・植物油の揚げ物では、コレステロールは上がらない。
    ・飽和脂肪酸もトランス脂肪酸も有害だが、日本人の食生活で量的に問題になるのは飽和脂肪酸
    ・中性脂肪を上げるのは、肥満経由のルートもあるが、炭水化物とアルコールは、体重を増やさないでも中性脂肪を上げる効果がある。
    ・コレステロールが多少高いほうが長生きというデータがあるが、これは高齢者や不健康な人はコレステロールが低い傾向があることの影響。健康な同年代の中で比べたら、コレステロールが高い人は危ない。
    ・生活習慣病対策の1位は禁煙、2位が減塩 目指せ1日6g以下
    ・摂取カロリーの調査をアンケートで行うと、肥満の人ほど低めに答える傾向がある。
    ・ソフトドリンクは、直接のカロリーに加え、一緒に食べる食品の選択に影響を及ぼし、高カロリー食を湯初する。
    ・ワインが健康に良いのは、ワインと一緒に食べる食品の選択に影響するから。
    ・お酒に弱い人は、酒を飲むと、食道がんの発生率も高い。
    ・痛風や高尿酸血症対策としては、プリン体を避けるより、アルコール全体を避ける必要がある。肉や魚の食べ過ぎも良くない。
    ・地中海食の秘密は、野菜をたくさん食べること。ワインやオリーブオイルではない。
    ・同じカロリーを摂取するなあら、低糖質でも、低脂質でも、減量効果は同じ。

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著者プロフィール

1949年10月20日生 東京多摩市
1969年 都立駒場高校保健体育科卒業
1973年 東京学芸大学教育学部体育卒業
1975年 同大学院 修士課程修了
1977年 札幌 北星学園女子短期大学に勤務
2002年 北星学園大学に転属 現在に至る

「2014年 『詩とエッセー 煌めきの瞬間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐々木敏の作品

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