No.1レディ-ズ探偵社、引っ越しす (ヴィレッジブックス F ス 5-3 ミス・ラモツエの事件簿 3)
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2006年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789729246
感想・レビュー・書評
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「アレグザンダー・マコール・スミス」のミステリ作品『No.1レディーズ探偵社、引っ越しす―ミス・ラモツエの事件簿〈3〉(原題:Morality for Beautiful Girls)』を読みました。
アフリカ南部の小国ボツワナ共和国を舞台にしたミステリ作品です。
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ご存じ「サバンナのミス・マープル」ことボツワナで唯一の探偵「ミス・ラモツエ」が活躍する癒し系ミステリー、待望の第3弾!
ようやく探偵社の評価があまねく浸透してきたけれど、ボツワナ唯一の女性探偵「マ・ラモツエ」は、結婚に伴ってオフィスを移転することにした。
それなのに婚約者の様子がおかしかったり、経費削減を迫られたり…心配事を抱えながらの引っ越しは大変だ。
そんなてんてこまいの「マ・ラモツエ」の元へ、偉ぶったお役人がやってきて、実家の毒殺未遂事件を解決してほしいという。
こんなときに出張なんて気が進まないが、やむなく旅に出る「マ・ラモツエ」。
留守を預かる優秀な探偵助手「マ・マクチ」の元にもけったいな依頼が舞いこんできて…。
世界中で爆発的人気のミステリー、第3弾。
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「サバンナのミス・マープル」ことボツワナで唯一の探偵「ミス・ラモツエ」が活躍する『No.1レディーズ探偵社(原題:The No. 1 Ladies' Detective Agency)』シリーズの第3弾作品、、、
殺人も強盗も窃盗も詐欺も発生せず、銃もナイフも登場せず、牧歌的で長閑な環境の中で繰り広げられる身近な事件(相談事、依頼事)を着実に解決するという、少し軽めのミステリ作品でした。
「マ・ラモツエ」が「J.L.B.マテコニ」と結婚することになり、コスト削減のため「J.L.B.マテコニ」の自動車修理工場内に探偵事務所を移転することになるが、、、
「J.L.B.マテコニ」がうつ症状に陥って入院治療を行うことになったり、偉ぶった役人から実家に居る弟の毒殺未遂事件の捜査を依頼されたり… 二人が不在の間に留守を預かる探偵助手「マ・マクチ」が「J.L.B.マテコニ」不在で傾きかけた自動車修理工場の経営を建て直したり、美人コンテストで最終選考に残った4人の女性の善良さを調査させられたり等々、と雑多な事柄が同時並行で進行し、それぞれを見事に解決する姿が以下の構成で描かれています。
1.他人の目に映る世界
2.闇のなかの少年
3.修理工場の出来事
4.ドクター・モファットを訪ねて
5.お役人の心配事
6.新しい経営陣のもとで
7.三つの人生を持つ少女
8.セロトニン不足
9.孤児院長の頼み
10.No.1レディーズ探偵社、引っ越しす
11.マ・ポトクワネ快諾す
12.問題の多い家
13.美人を探せ
14.よこしまな女
15.叶えたい願い
16.料理人は語る
17.申し分ない娘
18.尊大な男の目にも涙
19.雨上がりの丘で
解説 雨を喜ぶ心と探偵物語 柴田よしき
穏やかなイメージのボツワナでの物語ですが、、、
軽いだけ、楽しいだけではなく、一つひとつのエピソードにアフリカだけではなく、世界共通で抱える課題や苦しみが描かれていましたね。
メンタル面の不調や、家族内での葛藤や嫉妬等、日本でも抱えている問題ですよね… 強い印象はないのですが、しみじみと良さを感じさせる作品でした、、、
最近、北欧ミステリを中心としたヨーロッパの作家の作品を良くことが多く、必ず残虐でグロテスクな殺害や暴行シーンが登場するので、目を背けるようにして頭の中で物語を想像していましたが… 本作品は、そんな心配がなく安心して読めました。
「マ・ラモツエ」が暴力ではなく、対話で事件を解決するところが良かったですね、、、
本シリーズは4作品が邦訳されているようです… 機会があれば、他の作品も読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「プレシャス・ラモツエ」
私立探偵。No.1レディーズ探偵社の経営者。34歳。
かなり太めだが伝統的な美人の域に入る。
推理能力は高くはないが、常識的で安定した人格と機転、それに人脈で事件を解決に導いていく。
離婚歴あり。
作中ではマ・ラモツエ(「マ」はツワナ語で「ミス」を意味する)と呼ばれることが多い。
「グレース・マクチ」
No.1レディーズ探偵社の秘書。
巻が進むにつれて助手としての仕事をこなすようになっていく。
秘書専門学校を優秀な成績で出ており、頭脳明晰だがやや杓子定規な考え方をする。
作中ではマ・マクチと呼ばれることが多い。
「J.L.B.マテコニ」
ラモツエの友人で、自動車修理工場の社長。
腕のよい修理工だが、温和な性格のため従業員や家政婦に手を焼いている。
1巻のラストでラモツエにプロポーズし、婚約者となった。
「シルヴィア・ポトクワネ」
孤児院の院長。
「モトレリ」
ラ・マテコニの幼女
「プソ」
ラ・マテコニの養子。モトレリの弟。
「ローズ」
マ・ラモツエ家のメイド。
「マタイラ」
サバンナで暮らしていた謎の少年。
「ドクター・モファット」
マ・ラモツエの昔なじみの医師
「モメディ・プラニ」
美人コンテストの審査委員長
「ノテ・モコチ」
マ・ラモツエの前夫詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脳みそ休める系読書のつもりが結構疲れた。。鬱病2週間薬飲めば良くなるって気休めにも程があるだろwwwでも修理工見習いの子達の成長が眩しかったです、ぐぅ( ;∀;)お役人に立ち向かうマ・ラモツェかっこいい、つか家族みんな善人すぎかw溢れるローカルネタににやにや止まりませんでしたw邦訳は4巻までらしいですが、オリジナルは既に17巻まで出ていて、BBCでラジオやらドラマ化とかもされてるんですね。こーゆーのがもっとウケれば日本におけるアフリカのイメージも変わっていくと思うんだけどなぁ~隠れた(?)佳作と思います。
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5月15日読了。第3弾。探偵助手マ・マクチも大活躍。
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アフリカはボツワナの女性探偵のまさにコージーなミステリ第三弾。いやあ、いちおう事件はあって謎も解くんだけれど、ミステリといっていいのかどうか……。 ボツワナってきいても勝手に動物のいるサバンナを思い浮かべるくらいの知識しかないので、ボツワナの普通の暮らしがこんな感じなんだーと思ったり、ミス・ラモツエが秘書を雇ったり、新婚の夫の自動車修理工場がうまくいかなくて、秘書に社長代理をさせたり、などとというできごとをのんびり読んでいったり、という感じ。そのページターナーの逆というか、味わって読みたくなるのんびりしたリズム、なんだか不思議な味わいが楽しい。その不思議な味わいをうまく言葉にできないんだけど。ほかにないタイプのミステリと言っていいのかも。 でもこれも続きが出たらきっと読む。。。。