スピリットベアにふれた島 (鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち)
- 鈴木出版 (2010年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790232346
作品紹介・あらすじ
15歳の少年コールが引きおこした傷害事件。傷ついたすべてのもののために、コールとピーター、それぞれの両親、そして同じ地域にくらす人たちが集まって「サークル・ジャスティス」が開かれる…。犯罪とどう向きあうべきか。変わろうとするコールの姿を追いながら見つめなおす意欲作。
感想・レビュー・書評
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・感想
命の循環に気づき、徐々に変化していくコールの姿が清々しかったです。
人間が変わる…怒りの感情を手放すためには、極限の体験(=自然の驚異に触れること)がいちばん効果的なのかもしれないと思いました。
人間もひな鳥もスピリットベアも、等しい命で、サークルの一員。
エドウィン、ガーヴィーのように、諦めずに見守ってくれる大人がいるかどうかも子どもにとって大事ですね…。
自然を受け入れるとは…?自然と共に生きるとは…?等々、あれこれ考えるきっかけにもなりました。
・印象的な箇所
生きていればこそ選べる
選ぶ力こそ真の力で、人を怖がらせる力はにせものだ。
今までずっと選ぶ力をむだにして、仕返しや自分をあわれむことにふけり、卑屈になっていた -
衝撃的な場面も出てきます。
読み終わって1週間はずっと頭から離れませんでした。今後、色んな時に思い出す気がします。
影響を受け、料理を丁寧に作りました。 -
何事も最後は、自分との闘いね
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Library
★5
Reserved -
テーマは重いし、主人公は身勝手で暴力的。
でも、彼を見守るネイティブアメリカンの保護観察官(?)たちの忍耐強さや人間の本来の生きる力に寄せる信頼に感動する。
ラノベ世代には結構な長さだが、是非長期休みなどに読んでもらいたい。2017 -
主人公の振る舞いが憎たらしくて、スピリットベアにやられた時に「ざまあ」と思ってしまった…
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2011年8月に読み終えていた本を再び読みたくなった理由…
それは、『光る牙』です。スプリットベアという言葉が出てきたとき即この本が思い浮かびました。
壮絶な罪の償う方法は、無人島に1年間の追放。とにかくサバイバルに生活をしなけらば生きていけない。厳しい自然と孤独との戦いで、主人公コールは自分自身を見つけ直していく。
決して彼の友人を傷つけたという罪は消えないけれど、もう誰も傷つけることはない。そう思えるラスト…
そして、コールを見つめるスプリットベアの存在が心に残る本だったのです。
今回読んだ『光る牙』に登場するクマも、絶対スプリットベアだ!と思いました。話の内容は繋がる訳ではないのですが、どちらの主人公も戦います。大自然と!自然は決して、人を甘やかしません。