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- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790703426
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパ的近代知が破綻の危機に直面している現在、神秘主義がどのような局面で知的有効性をもちうるかを具体的な様相に即して考察し、その何たるかを解明する。
感想・レビュー・書評
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神秘主義の諸相を解説している本ですが、入門書としてはややまとまりに欠けており、どちらかというと論文集のような印象を受ける内容です。
編者の久野昭は「あとがき」で、「神秘主義とはこれこれこういうものだという類の理屈っぽい解説よりも、神秘主義の具体的なさまざまな局面を問題にすることを本書が主眼とした」と述べています。こうした編集方針にもとづいて、本書では「イニシエーション」や「禁欲」、「沈黙」といった具体的なテーマについての論考が収められています。
その一方で、美学者である金田晉の論考「泉」では、アングルの『泉』などの図像学的解釈が展開されていたり、ロシア文学者である北岡誠司の論考「命の樹・知の樹・宇宙の樹」では、ロシアの民話にかんする議論が展開されており、それぞれの著者の関心にもとづく論文となっています。
新プラトン主義やドイツ神秘主義、フランス・スピリチュアリズムについて概要を理解することのできる本を期待していたのですが、やや期待していたものとは異なる内容でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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