疎まれし者デカルト: 十八世紀フランスにおけるデカルト神話の生成と展開

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  • 世界思想社教学社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790710837

作品紹介・あらすじ

「デカルト神話」の謎に迫る。ヴォルテールなど啓蒙主義者たちのデカルト批判にもかかわらず、デカルトの思想が十八世紀フランスを生き抜いたのはなぜか。「オランダで迫害され、フランスに疎まれたデカルト」という神話の謎を、広範な文献の渉猟によって解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 「オランダで迫害され、フランスに疎まれたデカルト」という定式を出発点にして、18世紀フランス啓蒙におけるデカルト像を描き出す研究。ヴォルテールがニュートン力学とデカルトの渦動論を比較して前者に軍配を上げていることは有名だが、そうしたデカルト批判の議論が同時代のフランスでどの程度広がっていたのか、そうした議論をすることと知識人集団の中での立場の問題、デカルト主義とジャンセニズムが親近性があると見られていたこと、などなど、科学史的問題というよりも、科学思想的問題が18世紀の文脈において論じられている。近代哲学の先駆者とされるデカルトが、18世紀にどれほど批判に晒されたか、あるいはどのように当時の状況に即して再解釈されたかが具体的に描かれており、非常に面白い。

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著者プロフィール

愛媛大学法文学部総合政策学科准教授。大阪府生。大阪市立大学商学部卒業、同大学院経営学研究科後期博士課程修了。流通論・地域商業論。2012年より愛媛大学法文学部創造政策学科講師。2015年より現職。主要論文:「日本における商業者と地域コミュニティの関係を捉える視点――愛媛県今治市の中心商店街を事例とした探索的研究」『流通研究』第17巻第2号(日本商業学会、2014)。

「2016年 『地域と連携する大学教育の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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