本当の依存症の話をしよう -ラットパークと薬物戦争-

  • 星和書店
4.08
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本棚登録 : 139
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791110018

作品紹介・あらすじ

オーストラリアの新進気鋭の社会派漫画家が研究者ヘの取材をもとに依存症問題の本質に迫った,二つのノンフィクション漫画を収載。そして漫画を解説するのは,日本における依存症治療に造詣の深い二人の専門家。この他に類を見ないコラボレーションで,依存症問題について解き明かす。薬物依存症,ギャンブル依存症,アルコール依存症,インターネット依存症など,あらゆる依存症の問題はなぜ起こるのか。依存症者の回復支援に関わるすべての人,保健医療政策に携わる行政関係者,学校関係者,報道関係者,そして広く一般の方々に,ぜひ知っていただきたい。

感想・レビュー・書評

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  • 「依存症」と「人との繋がり」。生きる中でのでのつらさ寂しさをどのように工夫して暮らしていけるか、考えるきっかけになる本。

  • 漫画に期待して読んだが、漫画の部分はあんまりピンとこなかった。ラットパーク実験の話は松本先生の文章や講演で知っていたので、そちらが自分にとって分かりやすすぎたのかもしれない(刷り込みのような)。案の定松本先生の解説が読みやすくまとまっていて、一般の人にも紹介しやすくて いいなと思った。

  • ①スチュアート・マクミランの薬物依存啓発マンガ2作品と、依存症を専門とする精神科医 ②松本俊彦・③小原圭司による解説をまとめた、啓発的なモノグラフである。
    ①ではラットを用いた薬物依存モデル「ラットパーク」実験により依存症の経過がコミュニティによる影響を大きく受ける可能性があること、また法的な薬物規制がかえって依存症を増やしてしまう危険性について描かれている。
    ②は①をうけた解説であり、依存症の本当の問題は薬物の依存性ではなく、コミュニティとのつながりの欠如や孤立が本当の原因であり、また薬物や依存症患者を懲罰的に規制する制度はむしろ依存症を増やすことになり、世界的には「排除から包摂へ」というアプローチが有効であることが実証されている。また日本では薬物依存症患者に対するバッシングや過剰なメディア報道によるスティグマが患者の孤立をいや増して、治療に大きなブレーキをかけてしまっていることが警告されている。
    ③ではギャンブル依存症を例にとり、予防のポイントが解説されている。正しい知識を得る。依存症になりやすい特性のある人は注意する。リミット設定や収支表を記載する。セルフチェックや相談を行う。といった4点が予防に重要である。
    総じて松本が述べているように、日本国内では依存症に対する認識が古いままであり、公的機関も含めて未だに薬物依存に対する懲罰的な姿勢が優勢となっており、マスコミやメディア報道などがさらに輪をかけて悪化させている。本書ではマンガなどを用いた、非専門的なシンプルで分かりやすい啓発が目的とされている。医療現場で依存症例に出会った場合に利用できる教材であり、医療者にとっては患者対応の姿勢にも応用できるであろう。

  • 依存症とは孤立の病。

    脱法ハーブなどの危険ドラックが流行り、事故などを起こしてニュースで騒がれていたとき、「なぜ早く規制しないのか」と疑問に思っていた1人だった。
    規制すればするほど、悪い方に行くなんて…全然知らなかった。
    無知とは罪だと思った。

    多くの人に読んでもらいたい。

  • 想像していたほどの内容ではない。松本Drの伝え方が上手だったということか。

  • 368.8||Mc

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著者プロフィール

1985年生まれ。オーストラリアのキャンベラに在住する漫画家。クラウドファンディングによって世界中の支援者から資金調達しつつ,科学,生態学,心理学,経済学といった領域にまたがる様々な社会問題をとりあげて,ノンフィクション漫画を執筆し,インターネット上で発表する活動を続けている。

「2019年 『本当の依存症の話をしよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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