ノルウェーの民話

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791757213

作品紹介・あらすじ

強く、愛すべきものたち。何もせず灰をかきまわしているだけの蔑まれた少年が、数々の試練に立ち向かい、姫君と王国を手に入れる-真っ直ぐな少年を人々は愛し、語り継いだ。北欧の豊かな森と人々の知恵に育まれ、ヤーコプ・グリムを「世界で最も素晴らしい民話」と感嘆させたフォークロアの最高峰。

感想・レビュー・書評

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  • 日本では「さんびきのやぎのがらがらどん」で知られる、アスビョルンセンとモーによるノルウェーの民話集。主人公がしばしばアスケラッド(=灰坊)と呼ばれているのが面白い。してみれば、シンデレラ(=灰かぶり)も、だてに灰のなかに座っているわけではないのだ。日本の「花咲爺」や「炭焼長者」でも、灰や炭が重要な役割を担う。原初的な信仰の名残りが、昔話のなかに姿を変えてあらわれているかのようだ。(もちろん、単に「一見つまらなそうなものが素晴らしいものである」ことを意味しているのかもしれないが。機会があったら調べてみよう。あるのか、機会。)話はグリム童話を思わせるものからとびきり新鮮なものまで、いろいろあって楽しめる。が、もう少し、語ること、耳から聞くことを意識した訳になっていれば、もっとよかったと思う。昔話は口承の文芸であるから。「青冥山」では、何のことだかわからない。

  • 原典となる民話そのものは例の「あおいろ」「あかいろ」更には「太陽の東 月の西」と同じプロットの物語なんだろうけれど、こうやって立て続けに読み返してみると、本当に少しずつ少しずつではあるものの本ごとに発生するテイストの微妙な違いに改めて気がつかされます。

    このエントリーでは KiKi が感じたちょっとしたテイストの違いを「翻訳の違い」 & 「元本の言語の違い」じゃないかと思ったんだけど、今回この本を読み返してみて、どうやら「元本の言語の違い」同様に「元本を編纂した人の思想の違い」とか「その元本を編纂した人たちが生きていた時代環境の違い」というのもあるのかもしれない・・・・・  そんな風に感じました。

    と言うのはね、これまで読んだ「あお」「あか」「太陽」ではただ単に「人間」という表現が使われていたところがこの本ではやたらと「キリスト教徒」という言葉に置き換わっているんですよね~。

    (続きはブログに)

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