世界探検全史 上 道の発見者たち

  • 青土社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791765010

作品紹介・あらすじ

先史時代から道なき道の困難に敢然と旅立った勇者が、密林の奥、大海原の果てに見出したものは何だったのか。シルクロード、暗黒大陸アフリカの奥地、そしてコロンブスらの大航海まで-。辺境に離散してゆく人類の「移動」を視座に、世界史を壮大なロマンに読み換える。大胆な構想の決定版。2007年度「世界史協議会ブック賞」受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 生まれ落ちた場所でそのまま死んでいく人がほとんどだった時代(それ自体思い込みで、多くの時代に少なくない人が活発に移動していた気もする)、越境者はどのような目的で移動し、世間にどのような目で見られているのかが知りたかった。

    本書はそんな問いの答えにはならず、世界史の教科書の拾遺物語という感じだった。グレートジャーニーやシルクロード、大航海時代など、人類の移動や文化交流をざっと追っている。グレートジャーニー等について知りたいなら、それについて書かれた本を読めばいいと思う。概観したいなら、世界史の教科書や資料集の方が分かりやすい。
    また、探検に特化しすぎて、定住の過程や定住を選ばなかった遊牧民族、狩猟民族、その文化についてほとんど触れていない。民族大移動についてもほとんど言及がないため、移動史・交流史という観点からは片手落ちな印象だった。
    下巻は読まないと思う。

    「道の発見者たち」という副題も何か説明があるかと思ったらなかった。探検であれば、道は発見するものではなく、作るものではないだろうかと思う。

  • テーマ史

  • 先史時代からコロンブス、ダ・ガマまで。
    あまり見たことの無い資料、知らないエピソードが散見され、興味深いが、基本的にはそれらを時系列に並べた羅列なので読み物としてはそれほど読みやすくは無い。

  • Pathfinders A Global History of Exploration~1:手を伸ばす(通路の最初の発見者,文化の採集から大いなる帝国へ)2到達する(約1000年以前までの海洋の探検)3:躍動する(古代後期と中世における陸地の探検)4:跳躍する(中世後期の海路の転換と大西洋への進出)5:躍進する(1490年代の前方への大跳躍)~すらすら読めるようになるのは5章からだ。Phoinikeがローマでポエニと訛ったのだが,伝説の王アゲーノールはエジプト王の娘リビュエと海神ポセイドンの子とされるから,ギリシア寄りなのかも知れない。不明な点について詳しくは述べていないが,ポリネシア人は風や海流に逆らって海に乗り出し,家郷へ帰りたい時に直ぐにでも戻れるようにしていた。地域には余り固執していないのだが,ポルトガルやスペインの1490年代の海外進出は間違いなく,他の地域の帝国主義の縮小と同時期だった。ヴァスコ・ダ・ガマはいくつかの過ちを犯していた。ペルーを侵略したコンキスタドーレス達が本国で食い詰めた貴族達だったと聞いて,食い詰めた貴族が一念発起して海外雄飛するというのはどういうことかと不思議だったが,誉れ・好奇心・物欲が原動力であり,中世の騎士物語への憧れから百人の人間が出掛け,その内の一人が戻ってきて,名を残したのか。名誉や名声のためでなく,商売のチャンスを求めて出掛けてみたり,ただ好奇心で出掛けて道を造ったのかも知れない。著者は英国の高級紙・タイムズで世界探検アトラスを編集し,一冊の本を書くことを決意したらしい。訳者は秀吉の朝鮮出兵失敗を技術不足であったという根拠は何だろうと疑問を示している。ま,さらっと読んでいる人間には気にならないけど

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